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12 8/16 UPDATE


 清澄白河周辺は、かつて寺町だったこともあり、昔ながらの街並みが残るとても風情のあるエリアです。その一方、様々なアート・スペースが続々とオープン。コンテンポラリー・アートに出会える町として注目を集めています。これもイースト・トーキョーの新しいムーブメントのひとつと言えるでしょう。その中心となるのが「東京都現代美術館 MOT」です。今回、ハリーくんは、この美術館で偶然の出会いを果たします。さて、その再会とは?

僕は今、東京都現代美術館に来ています。
広報・野口玲子さんにお話しを伺います。よろしくお願いします。


よろしくお願いします。

世界の現代美術の流れをみれる東京都現代美術館。

外観もコンテンポラリー・アートのよう!設計は柳澤 孝彦 TAK建築・都市計画研究所さんです。

まず、東京都現代美術館は、どういった美術館なんでしょうか?

名前のとおり現代美術を収集、展示している美術館です。おもに戦後の1945年以降の美術作品を研究・収集・管理・展示をしています。都立の美術館なので、 都民のみなさんに国内外の現代美術の流れを見せていくのはもちろん、東京から日本や世界に向けて発信していくという目的もあります。

なるほど。最先端だけでなく、モダンアートの歴史を感じることもできるし、日本の作品も世界の作品も体験できるんですね。具体的には、どういう展示になっていますか?

大きく分けて、企画展と常設展というのがあります。企画展は現代美術を中心に、幅広いテーマやジャンルを扱った多彩な展覧会を開催しています。それとは別に常設展があって、美術館が収蔵している作品を中心に、紹介しています。
また、現代美術といってもいろいろなジャンルが含まれていまして、今はアニメーション関係の展覧会もやっていますし、時には建築だったりデザインだったりいろいろなジャンルのものをとりこんだ展覧会をやっているので、いろいろな領域のアートを紹介するという目的もありますね。

さっそくいってきま〜す!

エントランスでは「Future Beauty」展の特別展示が

これまではどういった展覧会を開催されてきたのでしょうか。

毎年夏の時期は家族連れを対象に、アニメーション関連の展覧会をここ数年開催しています。スタジオジブリの「となりのトトロ」などの背景画を描かれた男鹿和雄さんの作品を紹介する展覧会ですとか、「ディズニー・アート展」なども開催したことがあります。そのほか、ピカソの展覧会や草間彌生さんの個展を開催したこともありますし、ファッションでは三宅一生さんの個展を開催したこともあります。

アート、カルチャー、アニメ、ファッションなど現代美術館で扱うカテゴリーは幅広いんですね〜。
今は「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」を開催中ですが、これも楽しみです。
特撮好きはたまらないでしょうね。エキシビションによって来館されるお客さんも全然違いますか?


展覧会によって違いますね。今は庵野さんのお名前を掲げていますので、エヴァンゲリオンや庵野作品のファンの方もたくさんいらっしゃいます。男性のお客様がすごく多いですね。いつもに比べて、今回は男性のお友達同士が多く見受けられます。あとファッションの展覧会では、いかにもファッション関係の方だなっていうお客さまが多いです。夏のアニメーション関連の展覧会の時期は家族連れが圧倒的に多かったですね。

こちらは1995年開館ということですが、この清澄白河に現代美術館が建てられたのはどうしてでしょうか。

展覧会をご覧になるとといろいろな作品があるのにお気づきになると思うのですが、現代美術の作品は、大きなサイズがどんどん増えてきてるんですね。幸いこの場所は隣が木場公園で、広い場所があり、緑も多く環境がよかったことが理由のひとつとしてあげられるようです。あとは都心からそれほど離れていないなどの理由もあるようです。

なるほど!広さとアクセスの良さ、両方を兼ね備えた立地ということですね。

都心からわりとすぐなのですが、はるばる来たってみなさん思われるようです(笑)。

そうですか?大江戸線でも半蔵門線でもアクセスしやすいですけどね。
みなさんは、この美術館に来たあとどの辺を歩かれるのでしょうか?

中も広いんです!ゆったりとした時間を過ごすせます。

現在「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」開催中です。

近隣にはギャラリーやユニークな商店街もありますが、せっかくなら一日美術館の中でゆっくりすごしていただきたいと思っています。 例えば館内のカフェとレストランが少し前にリニューアルしたんですけど、居心地がよくてゆっくりお食事を楽しめるようになりました。またエントランスに座り心地のよいカラフルなソファをいくつも置いているのですが、美術館を歩きまわって足が疲れて休憩したいなというかたもいらっしゃるので、広々として気持ちよいエントランスで、ゆっくり休憩することもできます。あとは、美術図書室で読書をするのも良いですね。

美術館でのんびり過ごす1日。素敵ですね〜。あこがれます(笑)。
では、今日はゆっくり展示を楽しませていただきます。よろしくお願いします。


よろしくお願いします。では、ここからは、学芸員の岡本純子がハリーさんをご案内させていただきます。では、常設展からご案内します。

岡本さん、よろしくお願いします。

まず、エントランスホール展示されているのが、韓国人のアーティスト、スゥ・ドーホーの「リフレクション」という作品で、ブルーの布で覆われたこのスペース全体がひとつ作品になっています。これは何をモチーフにしているかわかりますか?

l'arc de triomphe?

凱旋門ですか?そうです、凱旋門ではないんですが、門なんです。韓国の家では、正面にひとつひとつ門があって、これは、スゥ・ドーホーさんのお家の門を型取ったとされています。後で階段上っていただくとわかるんですけど、一階から見た風景と、上から見る風景が対照になっているんですね。

これは、本当にスケールの大きい作品ですね!湖に映った門って感じですね。

「湖に映った門みたいですね。」ハリーさん思わず見入ってしまいます。

一階から見た風景と、上から見る風景が対照になっているのです。

続いて、最初の展示にご案内します。今回の常設展は3つのテーマがあって、1階は新収蔵品展になっています。このお部屋は右手と正面に丸い模様を中心とした作品がありますが、これは丸をぬりつぶした作品で知られるオノサト・トシノブという作家さんの作品です。これが昨年度収蔵した作品になります。ずっと丸い作品が続いてます。

戦前の日本にも抽象画家はいたんですね。

多くはなかったんですが、抽象画を描く画家はいましたね。

どういう影響を受けて抽象画を描いていたんですか。

抽象画自体がロシアのカンディンスキーのように、1910年代から制作されていたので、そういうヨーロッパの作品に刺激を受けた日本の作家さんは戦前から描き始めていたんですね。

インターネットもなければテレビもない時代ですよね?

はい。非常に情報は少なかったですが、画集を見たり、留学して実際に作品に触れる機会もあったと思うので、そういうことから学んでいったんだと思います。

これもMODERN ARTのカテゴリーに入るのでしょうか。

もちろん入ります。この美術館で扱っているのはおもに戦後の美術ですが、それに到るまでは、近代から現代にいたる過程で少しずつ美術が変化していったということだと思うんですね。

最初の展示は昨年度収蔵した作品。

「えっ!これ、全部手書きなんですか?!」
あまりの緻密な作品に驚きのハリーさん。

続いての展示スペースは?

こちらは奈良美智さんです。少女とか犬とかをモチーフにした作品でよく知られています。奈良さんは現代アートの日本人の作家のなかではとても有名な方です。これは奈良さんが2001年に横浜美術館で初めて大規模な個展を開いたのですが、それ以前の初期のころの作品群です。

絵はかわいらしいけど、表情が無表情で寂しげですね。奈良さんの作品は目つきが印象的ですね。
タイトルも「Slash with a Knife」ってすごいですね。


そうですね。今、奈良さんの作品はほとんど海外にあったり個人のコレクターの方がお持ちなので、まとまって見られるのは貴重だと思います。

次は?

こちらは櫃田伸也さん。奈良さんが学生時代に教わった先生の作品ですね。奈良さんの素朴な作品につながるような、素朴な風景画でも具象じゃなくて、抽象的な風景画を描く作家さんです。

流れで見られるのはすごくいいですね。
奈良さんのバックグラウンドにはこういう先生の教えがあったということですね。


その隣の小瀬村真美さんという映像作家も櫃田先生の教え子なんです。もともと油絵を描かれていたんですが、絵画と写真を組み合わせて映像化するという作品を作られる作家さんです。これもバロック絵画のスルバランという画家の静物画をモチーフに実写で撮ったものです。実際の果物が腐っていく過程をどんどん撮っていってるんですね。4か月かかったそうです。

奈良さんの作品がまとまって見られる貴重な空間

絵画と写真を組み合わせて映像化するという小瀬村さんの作品。

次は、3階ですね。

3階は「作品の名前」というタイトルで、作品と題名について4章にわたって展示しています。第1章は描かれたモチーフがそのままタイトルにつけられたものを展示しています。これはアンディ・ウォーホルの「マリリン・モンロー」ですね。まさにマリリン・モンローが描かれています。ロイ・リキテンスタインの「ヘア・リボンの少女」もそのままのタイトルですね。

あの天井からぶら下がってるのはなんですか。

これはクレス・オーデンバーグの作品で、「スリーウェイプラグ スケールB ソフト」、3つの口のあるプラグですね。プラグってもともと金属やプラスチックでできてますが、それを柔らかい布で、それも大きい形で再現している作品です。そうすると普段何気ない日常にあるものが違った見方で、目の前で現れるという、そういうアート作品です。 2章は「無題」です。題名に意味を持たせない、イメージを与えないで、最終的には作品にタイトルをつけないという作家さんも現れてきます。

ひとつずつのアートワークの意味とか歴史的背景とか知りたくなってしまうものですが、
敢えて無題ということなんですね。


そうですよね。でも作品そのものをまっすぐに見てほしいという思いがこの章の作家さんたちにはあるんですよね。

あっ!びっくり。僕のゴッドファーザーの作品があそこにあります。クリストって僕の名付け親なんです。あの「アンブレラ」のディレクターを僕の父がやっていて、カリフォルニアと茨城の方に僕も見に行きました。僕の父親が亡くなったら、クリストが父のかわりになってくれることになってるんです。

3階は「作品の名前」というタイトルで、作品と題名について
4章にわたって展示しています。
あら、そうなんですか。奇遇ですね!

この写真の中に、僕が写りこんでる作品もあるんです。ここに展示されているものにはないですけど。

このプロジェクトに関する分厚い2冊の本があるんですが多分そこに載ってますね。おいくつくらいだったんですか。

4歳くらいでした。これは茨城ですね。ここに青いアンブレラを無数に建てたんですよね。いろいろ大変だったんですよ・・・。まるで僕がプロジェクトのディレクターみたいなこと言っちゃってますが(笑)。
クリストってとりあえずなんでもラッピングしちゃうんですよ。ベルリンの国会議事堂とか、
パリのポンヌフ橋とか。


そうですね、私もクリストが大好きなんです。卒論でとりあげたくらいですから。

ええっ!それは嬉しいですね!それにしてもびっくりしましたね。
僕のゴッドファーザー(名付け親、後見人)の作品に出会えるとは。


いや、こちらもびっくりました(笑)。

クリストをよろしくお願いします。岡本さん、解説ありがとうございました。

なんと、ハリーさんのゴッドファーザー(名付け親、後見人)の作品が展示されていました!

4歳のハリーさんが実際に見に行った作品。ゴッドファーザーの作品にここで出会えるとは! ハリーさんもびっくり。

アート、美術、中でも現代美術というと、どうしても現実から乖離したもの、ちょっと難しそう、というイメージがあるかもしれませんが、一方、アートは日常からしか生まれないものです。アートを一歩引いて観るのではなく、日常に取り入れていく。そうすることで、毎日の生活がちょっと豊かになりそうです。

今回お話を伺った学芸員の岡本純子さん(左)と
広報・野口玲子さん。(右)
東京都現代美術館は、ミュージアム・ショップもとても充実していますので、アートなグッズを身の回りに置くなんていうのも、いいかもしれません。また、「現代美術についてもっと知りたい!」という人には、毎日14時からガイドスタッフによる常設展示の作品解説ツアーも行っているそうです。ぜひ、清澄白河でモダンアートを身近に感じてみてください。

information

東京現代美術館
住所:〒135-0022 東京都江東区三好4丁目1-1
開館時間:開館時間などのスケジュールはこちら
電話番号: 03-5245-4111
http://www.mot-art-museum.jp