Top Page   ANA SKY WEB  
ANA WORLD AIR CURRENT
LOUNGE FROM CA
HAKASE'S ROOM MESSAGE
   

旅が終わる切なさを感じるのは、その国にドップリと浸ったから。

| PROFILE | CITY INFO | ON AIR LIST | LINK |

PROFILE
 
 
 星野知子 - 女優 -
新潟県出身。法政大学社会学科卒業。NHK連続テレビ小説「なっちゃんの写真館」で主演デビュー。女優業の他、「ミュージック・フェア」の司会や「ニュース・シャトル」のキャスターなども務める。ドキュメンタリー番組への出演も多く、アマゾンやペルー、シベリアといった秘境も含め、世界40カ国以上を歴訪している。98年日本アカデミー賞助演女優賞優秀賞を受賞。主な著書に「トイレのない旅」「旅の写真館」「フェルメールとオランダの旅」「パリと七つの美術館」などがある。

▲TOP



ラ・パレットというカフェには汚いパレットがいっぱい飾ってあるの。(星野)
サン・ジェルマン・デ・プレは“芸術の都・パリ”を味わうのに最適。(葉加瀬)

去年は、ずっとパリにいらっしゃったんですか?

去年いたのは2週間弱くらいなんですけど。それは“自分でパリの美術館の本(昨年出版された『パリと7つの美術館』)を書く”というので、取材に行ったんですよ。一人で。まぁ遊びで行ったりもしますけど、テレビの仕事の時はスタッフと一緒でスケジュールが決められていますから。楽しいようでも結構縛られているでしょ。それでも合間合間に遊ぶんだけど…。自分一人で自分でスケジュールを組んで、取材をするという事が初めてだったんで。

なるほど。

凄く嬉しくて。パリの美術館をいくつも巡るという目的があって、なおかつ自分で「今日は、何をしよう? 明日は何をしよう?」って決められるっていうのが面白かった!

それは全然違いますよね(笑)。

キッチン付きのアパートを借りて。

ホテルじゃなくですか? それはグッと生活感が出てきますよね。

そうなんです。自分で買い物を市場でして。

お料理もされて。

スーパーで全部買ってきて、御飯を炊いて(笑)。だから和食中心にしたりしてね。それで一人で生活してたんです。

それは場所的にどの辺ですか?

私はサン・ジャルマン・デ・プレにしたんです。セーヌ河のすぐ側の所で、まず美術館がいっぱいあるという所と、それから学生街なんですね。

そうですね。

日本の芸大と同じような“ポン・デ・ザール”という所もあります。サン・ジャルマン・デ・プレは割と庶民的なんだけど、学生街でいて、ちょっとハイソサエティーな感じもあるという街で。パリに住んでいる人が“住むんだったらサン・ジャルマン・デ・プレに住みたい!”という人気の街なんです。ちっちゃくて。

そうですよね。物件を探したことがあるんですけど、やっぱり高いよねー。

高いんです! 高いんです!! かといって日本人が群がるような、ブランド品の大きなお店が立ち並んでいるワケでもないんですね。現在(ブランド店が)1〜2軒出来ててヒンシュクを買っているらしいんですけどね。

ハハハ(笑)。

でもそういった昔ながらの商店街がありながら、アカ抜けた感じの所で。だから「絶対そこ!」と思って部屋を借りて。毎日市場で買い物をして。近くの美術館を巡ったり。それから画廊が多いんですよ。小さな画廊を観て歩いたりとか。だから自分の取材以外にも、生活自体が楽しかった2週間でしたね。

なるほど。サン・ジェルマン・デ・プレには有名なカフェあるじゃないですか。それこそ昔の芸術家が、ずっとそこにいたと言われるようなね。

そうなんですよ。いろいろあります。私が好きなのは“ラ・パレット”という所でして。その芸大の学生達が、お金払えないからといって、自分で使ったパレットを置いていったりとか。将来売れるようになってから、自分の絵を持ってきたりとか。そういうのがいっぱい飾ってあって、現在も学生達がたむろしている所。汚いパレットとかいっぱい飾ってあるの。楽しいですよね。

本当、昔の“芸術の都・パリ”というのをずっと引きずってて。その雰囲気を味わうには、あの辺も歩いているると凄くありますもんね。

あるんですよー。



モローの美術館に行くと、彼がまだそこにいる感じがする。(星野)
一人の作家の絵をずっと見ることは、その人と対峙することになる。(葉加瀬)

一口に“パリの美術館”と言っても、たくさんあり過ぎて。

あるんですよね。大きいのはルーヴル美術館やオルセー美術館とか、誰もが知っている所で。でも幾つ位あるんでしょうね?

本当に膨大な数だと思います。その中で7つ選ばれた?

そうです。『パリと7つの美術館』という題名なんです。この7つに絞るのが大変でした(笑)。

それぞれに個性がねありますからね。中でも星野さんが“一番好きだな”という美術館はどこですか? “甲乙つけ難し!”というのは分かります(笑)。

そうなんですよね(笑)。行かなきゃダメだったというのは、ギュスターブ・モローという人の美術館なんですね。

ギュスターブ・モロー…僕も絵はかなり好きですが、まだちょっと耳慣れない名前ですね。どういった作風の?

世紀末の人なんですけど。自分が籠って、殆ど家から出ずに描いた絵なんですけど。これがちょっと見は少女漫画の絵みたいなんですよ。でも近くで見ると、もの凄く絵の具を塗り込めてあって、不思議な怪しい絵です。

一見すると少女漫画のようなメルヘンな世界なんだけど…。

そこがとても深くて。

なるほど。

モローという人は自分の絵をほとんど売らなかったんですね。もちろん売った絵もあるんですが、自分が本当に好きな物というのは、自分の為に描いて自分の家に全部残しておいたんですよ。生きている時から、その家を美術館にして自分の作品を残そうと思っいたんですよ。というかまだ売れる前から思っていたという、不思議な人なんです。

へぇ〜。

ちょっとオタクですよね。絶対にね。

うん、そうだね。じゃ、その美術館というのは彼が生きていた時代からある?

もちろんずっーと結婚もせずに(笑)、独りで描いて。

ハハハ(笑)。

母親がいたので二人で暮らしながら。でも母親が亡くなって後もそこにずっと暮らして、そこで彼も亡くなって、そこを美術館にしたんですよ。ですからまず美術館に行くと、絵とかそのものよりも彼がまだそこにいるの。何か魂があるんですよ。

エナジーが残っているんだろうね。そりゃそうでしょう(笑)。

もちろんキッチンとかいろんな部屋があるんですけど、リビングとか寝室とかは、壁じゅう絵なんです。普通は美術館って、個人の邸宅に絵を飾るにしても、ある程度感覚をとったりするでしょ。

はい、あります。

そうじゃないんです。床から天井まで、まわり360度全部絵を張ったように。モザイクを並べたように、自分の絵を脈絡無く。いや脈絡あるんでしょうけど(笑)、無いように見えるくらい全部絵なんですよ。

ハハハ(笑)。

それが見慣れない絵ですから。風景がとか肖像画ではなくて、ちょっと一種、神のものとか幻想的なものが多いので。ちょっと薄気味悪いような並べ方に見えちゃって。これは好きな人と嫌いな人にハッキリ別れちゃいますね。

なるほど。でも行く価値はありますね。そんなにこだわったというか、そこにしかいなかった絵が、そこから一歩も出てないわけですからね。おそらく何か凄いエナジーを持っているのは確かでしょね。

凄いですねー。ありますよ。そういう想いが籠っている家で、その人の絵だけをとにかく見続けるという事は…。

多分その人と対峙する事になりますからね。真っ正面から。

ちょっと苦しい位の重苦しさがありながら、「これはでも、ここに来なければやっぱり味わえなかったな」と思って。凄い人ですね。


コンサートホールで聴く演奏と違う響きなんですよ。教会って。(星野)
バッハの曲は、教会で聴くと「なるほど」とわかるんですよ。(葉加瀬)

街をブラブラするのは、みんな好きでしょ?

好きだね(笑)。

だいたいパリの街って教会が街の真ん中にあったりするでしょ。サン・ジェルマン・デ・プレというのは、パリで一番古い教会“サン・ジェルマン・デ・プレ教会”っていうのが現在も残っているんですよ。スッゴク古いんです。

古いですよね。

大きくて古ぼけてて。中も広いし、暗くてね。大体どこの街に行っても教会をまず観に行くでしょ。中のステンド・グラスとかマリア様とかを観たりいろいろすると、必ずチラシとかがいっぱいあるんですよ。

置いてありますね。

フランス語が読めなくても、何となく見ると「あ、コンサートをやっている」とか分かったりするんですよね。それがパイプオルガンのコンサートだったり、クラシックのコンサートだったり。あるいはアカペラをやったりとかしてるんですよ。割と仰々しくなく。

うん。

たまたまそのチラシを見て、自分が滞在している時だったらフラッと出掛けると、思いもかけぬ良いものに出会ったりするの。私が去年行った時も、夜に行ってみたんですよ。そうしたらたいして高くなくて1000円くらいかな。パイプイスみたいなのが並べてあって、祭壇の前に小さなステージがね。ステージと言っても、30センチくらいのちょっと高くなった所に、合唱団と…最小限なんでしょうけども、ちゃんと弦楽器の人達がいて。

えぇ。

でも私、曲が分からないから何をやっているか分かんないんだけど(笑)。とにかくコンサートホールで聴く演奏と違う響きなんですよ。教会って。

そうなんですよね。

もちろん音としてはモアモアと籠もっちゃって、アーティストとしてはやりづらいかもしれない。でも聴く方としては、気楽に入って教会の冷たい石の中で、気軽なんだけどもちょっと厳かな感じを体験する…。そしてコーラスを聴いて、それから演奏を聴いて。何の説明もなく始まって、終わるんですよ。それが凄く素敵だなと思ったんですね。

やっぱり音楽でも、特にバッハとかバロックの音楽とかって多分教会の為に作られているものが、たくさんあるでしょ。

そうですね。

それをそういう所で聴くと、おそらく本当に「あ〜こういう事なのか」っていう発見が絶対あるんですよね。コンサートホールでは絶対分からない様な事がね。天井に吹き抜ける響きがあって、上の方で音がぶつかり合っているとかね。ああいうのはやっぱり一度体験するといいですよね。

そうですね。でもね街の小さな教会でも、それぞれいろんな事をやっているんで、フラッと立寄ってそのチラシを見てみるとね、旅がもの凄く楽しくなるかもしれない。

そうでしょうね。

特にパイプオルガンがいいですよね! 小さな教会のパイプオルガン。ちょっとよく聴くと音程も「ウ〜ン?」みたいな感じなの(笑)。

ひなびてね(笑)。

そう! でもだからこそ“人が生きてきた営み”と“信仰”と“パイプオルガンの響き”が一緒になった感じがして。やっぱり昔からこれを聴いて教会に来てたら「神はいるな」って気持ちになりますよね(笑)!

なりますねー。あの響きはそうなりますね。

だから小さい教会ほど、面白いかもしれない。

そういうのをチェックしないとね。」


地球の裂け目があって、その真ん中に立ってみたんです。(星野)

テレビの仕事とかでは、御自分で「こういう所行きませんか」という取材の企画を立てることもあるんですか?

ありますね。

実際アイスランドは、星野さんの企画から始まったそうですが。

行きましたね、アイスランド。それも「冬に行ったら面白そうだな」と思って。

どんな所でしたか?

面白かったですね。夏に行ってもアイスランドって火山国の溶岩大地なので、樹が1本も生えてないんです。殆どゴツゴツの岩山なんですよ。だから作物は採れないし、緑は全く無いし、何にも無いんですけど…温泉があったりするんですよね(笑)。

温泉ですか!?

ポッと掘るとどこでも温泉が出ちゃうんですよ。“燃えてる国”ですから。“アイスランド”なんですけど、中は…(笑)。

燃えているんですね(笑)!!

中は火山国で燃えているんです(笑)。それでブルー・ラグーンといって、青いお湯の露天風呂があったりして。そこに入ったりして。

アイスランドの人達は、日本人のように温泉をよく楽しんだりするんですか?

よくは楽しまないんですけど、一応楽しみます。ちゃんと水着を着て入ってますよ。あとは、やっぱり過酷なんですよ。寒いしゴツゴツだし。でもだからこそ何かあると感動するんですよ。

ハハハ(笑)。条件が悪ければ悪いほど細やかな事に感動出来る!

そう。あとゲイシールという間欠泉があるんですよ。100℃の温泉が100メートル位、ブワーッと地表から飛び出すんです!

ホー!

3分に1回くらいずつ(笑)。

別府の“地獄巡り”みたいなんですね。

そう! それのもっとスケールが大きいヤツ! それをみんなでジーッと待って(笑)。「今かなー、今かなー」と思うと、ボコボコ、ボコボコって一応湧いているんですね。それでプクーッて大きなお湯の塊が来て、またスーッ引くんです。ブクブク、スーッと引く。それが段々大きくなると、ある時シュパー!!っと出るんです。

オー! みんな見るんですか?

みんな「オォー!!」って(笑)。

ハハハ(笑)。温泉が出るだけでも感動出来る。

はい。それは見た目の一瞬の感動なんですけど。…ジワッと感動することもありますよ。アイスランドというのは“地球の裂け目”がある所です。地球というのは中からマントルが出てくるワケですよね。地球も動いているワケですよ。中からグワーッと地面がちょっとずつ動いている。それが地表に出ているという所がアイスランドとアフリカと2ヶ所しかないんですよ。

ホー。

その“地球の裂け目”というのがあって。ちょうど私たちが映画で、よく地震で地面に亀裂が入って割れたりするのがありますでしょ。ああいう感じの場所なんです。それでその地表は1日に1.5センチぐらいずつ、両側に広がっているんですよ!

スゴい!!

スゴいでしょ!

毎日1.5センチずつって言ったら…。

だから両側で3センチずつ!

大変ですね。

そこの割れ目があるんで、私は割れているちょうど真ん中に降りて。ジッとして見ると不思議な感じですよね。“ここから地球が動いているんだ!”って思うと不思議な気持ちになる。

本当だ。なんかミカンに指を入れて、グッとね…。

そうそう(笑)!

その感覚ですね。まさに“そこ”に降り立てるワケですね。

降り立てるんです。でもやはり空気違いますよ。なんか厳かな感じがしました(笑)。

それはそうでしょうね。それはアイスランドか、アフリカの1ヶ所に行かなければ無いんだ。地球上にそこにしかない!

はい!

これはいい話を聞きましたね。


アイスランドでは、家庭料理も召し上がったようですけど。どんなモノを?

家庭料理は苔のスープと…。

何ですか(笑)?

“苔のスープ”(笑)。ある1種類のコケを夏の間に全部採っておくんですね。それを乾燥させて冬に食べるんです。水で戻してパンの中に練りこんだりして。

ヘェ〜。

ポタージュのようなスープに入れて食べるんですよ。

僕達が認識している“苔”と似ているんですか?

“苔”ですよ、もう! 見た目は“苔”!

味は?

味が無いんですよ。スープにゴミが入っているようなんですよ(笑)。

ハハハ(笑)。

もう口当たりが悪いの! だから「コレが無ければ美味しいスープなのにな」って思うんですよ。

まぁ栄養分だから、しょうがないんだ。

でも一緒に食べたお宅の人は、お爺さんとお婆さんなんですけど、やっぱりこれが入ってないと何か食べた気がしないという感じみたいなんです。パンも、それ自体は美味しいんだけど、最後まで口の中に残って飲み込めないっていう違和感があるんです。でもそれが“アイスランドのパンの美味しさだ”という感じになって。

なるほどね。でもかなり独特のものなんですね。

そうですね。だから味が何とかって言うんじゃなくて、やはり栄養の為なんですよね。

ハハハ(笑)。でも“獲れたてのシシャモ”も食べたそうですが、これは美味しかったでしょ?

生の獲れたそのままのを、ちょうど工場で出荷する時に行って食べたんですけど。アイスランドの人はシシャモ食べないんですよ。

何故だ!?

飼料にしたりするんですって。

アラ〜…。

こんなものは魚の中に入んないって感じなんですよ。こんなチビのものは。

そうか。もっと大きな魚を食べているだもんね。

でも私も食べてみたんですけど凄く美味しくって。お醤油をかけたシシャモをアイスランドの人に勧めたら、正直に「美味しい!」って言ってくれたんですよ。

文化が変わるかもしれませんね。

味つけなんですよねー。

ハハハ(笑)。ところで今後行ってみたい所って何処ですか? “狙ってます”みたいな所は?

まずアフリカはあまり行ってないんですよ。いわゆる、私が子供の頃から想っていたアフリカ。

ケニアとか(笑)。

ケニア! みたいな感じの所に行った事がないので。3週間くらい行ってテント生活をしたりしてみたいですね。

もうどんな旅でも出来ますね(笑)。

割と順応性があるみたいですね(笑)。

あるんですよね(笑)! 今日お話を伺っていると、本当に何処でも行っちゃいそうで(笑)。

行きたいですねー。

まぁ旅は尽きませんもんね。

そうですね。

星野さんにとって、旅ってどんなものですか?

“旅をしている自分”が凄く好きなんです。旅に出ている自分は、とても素直な感じがしません?

そうですね。でも僕は割と寂しがり屋でもありますんでね。旅は大好きなんですよ! でも旅が終わるのも寂しいんですよね。終わっちゃうじゃないですか、絶対(笑)。終わるから次がまたあるんですけど。「ウワー、またこれで…」って。別に帰るのがイヤというわけじゃないんですよ。楽しいのが終わっちゃうというか、お祭りが終わっちゃうみたいな感じが辛いんですよね。

でもいい旅をしているからだと思いますよ。「あぁ、もう日本に帰りたいな」とか「思った所と全然違っちゃた」「ガッカリしちゃった」っていう様な事を思いながら旅をしちゃうことも、稀にありますでしょ。

はいはい。

そういう時は、そんな風に切ない気持ちにはならなくて。やっぱりその国に、自分がドップリ浸かったからこそ、そういう寂しさとか、切なさみたいなものが心に芽生えてくるわけだから。いい旅なんですよ!

そうですね。いい旅をしましょうね。

したいですね。


▲TOP



CITY INFO

ON AIR LIST
LA JAVANAISE / LAURENCE SALTIEL
DILUTION / DOMINIQUE CHAGNON
WATASHI / 葉加瀬太郎
FAIRE FI DE TOUT / LILICUB
() / SIGUR ROS
ON YOUR WAY / EAST MOUNTAIN SOUTH

 

LINK

▲TOP

Copyright (c) 2003 FM-Japan Ltd. All rights reserved.