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世界共通のスピリットを探して、音楽の旅は果てしなく続く。

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PROFILE
 
 
 姫神(星吉昭) - シンセサイザー奏者 -
「姫神」=星吉昭のソロユニット。1946年宮城県出身。71年ビクター電子音楽コンクールでグランプリを受賞。その後、東北の伝統芸能、民謡などに触発されながら創作活動を続ける。80年、岩手の姫神山にちなんでシンセサイザーグループ「姫神せんせいしょん」を結成。翌年「奥の細道」でデビュー。84年から星吉昭のソロユニット「姫神」に改名し、20枚上のアルバムを発表している。現在は岩手県を活動拠点にしながら、野外を中心にしたライブ活動や海外でのコンサートを精力的に行い、高い評価を得ている。今年1月29日にニューアルバム「青い花」をリリース。

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ピラミッドの前でのライブなんて究極のセットですよね。(葉加瀬)月面とか火星でやってるような感じでしたね。(星)

2000年にエジプトのピラミッドの前でコンサートをしたそうですが、あのスフィンクスがいる所ですか?

そうです。客席から見てステージの右後ろにスフィンクス、クフ王の大きなピラミッドがその300メートルぐらい後ろにあるというシチュエーションだったんですけどね。

それは見てる方も凄い。究極のセットですもんね(笑)。

曲の間にフッと後ろを振り向いたら、照明の具合もあったんですけど、月面とか火星でやってるような感じでしたね(笑)。

なるほど。現実感のない、地球上とは考えられない感じですかね。やっぱり前で演奏しててピラミッドのパワーは感じました?

それはありましたね。何かやっぱり通常とは随分違いますよ。

おそらく違うんだろうな、と思うんです。

上手く言葉では言い表せませんが何かに憑かれるというか、そういう感じがしましたね。

経験してみたいな(笑)。僕の野外の音楽祭みたいなもので、ちょっとした高原みたいな所でやっただけでも随分気持ちが違いますもんね。特に空が見えるとね。

星空がね。

僕は毎年、野外の音楽堂でコンサートしてるんですけど、劇場の中だと完結するものが飛んでいくような感じというか…演奏しててもどんどん音が空に逃げていきますよね。その空は全てに繋がってるんだという意識が生まれてくるんですよね。「飛んでいけ! 世界中に飛んでいけ!」って。

自分の音色がそこに四方八方、十六方、三十二方に拡がってね。そうなるでしょうね。

砂と巨大なピラミッドがあって、そして舞台の上にもセットとしてピラミッドを作ったんですよね?

そうなんです。それも角度があるんですよ。

45度じゃないんですか?

じゃないんです。確かちょっとズレてるんですよ。細かい事は忘れてしまいましたけど(笑)。それをスタッフが調べて直したんですよ。映像で見ると「なんとなくクフ王のピラミッドの角度と手前の僕のピラミッドが合ってるかな(笑)」という感じです。

それは凄いですね。お客さんは世界各国から集まった人達でしょうが、エジプトの人達も姫神の音楽を聴きに来てるんですか?

そうですね。半分以上はエジプトの方だと思います。エジプトは日本で言うと平安時代、1,000年ぐらい前から世界の観光地だったんですよ(笑)。ヨーロッパの人達とかギリシャの人達とか。それで今でも観光地なんですよ。

究極の観光地だ(笑)。

凄いですよね(笑)。


3,000〜4,000年昔の石碑が普通に道端に転がってるんだ。(葉加瀬)
多すぎて国が管理できないほど(笑)。(星)

エジプトに1週間滞在されて、一言で言うとどんな国どんな街でしたか?

街自体は1,000万人ぐらいの所で。緑が少ないのはしょうがないですよね。でも砂漠が控えてますから埃っぽい感じがするんですけど全体的に結構アクティブですね。そしてヨーロッパの資本が入って観光地のホテルがたくさんありますから不夜城ですね(笑)。カジノも盛んだったりして。だけど4,000年も5,000年も昔の建造物が静かに同居してる。そして砂漠の多いエジプトが「何で成立している国なのかなぁ」と思うと、意外とビックリすることに農業なんですよ。

砂漠にも拘らず!

日本の技術者も行っていて、ナイル川の水を引いて日本の米を作ったりするんですよ。あと果物が美味しい国で。

なかなかイメージ沸きませんね。

ちょっとビックリするでしょう。結構いろんな果物があってね。トマトとか美味しいですしね。ただ水がちょっと日本人は合わないんで気を付けましょう。あと生野菜とかは食べられない。パンは美味しいですけどね。全体から見るとパンと果物はかなり美味しかったですね。1,000万の人口がアクティブに動いてるんですけど伝統の歴史を振り返ってる感じがしますね。

きっとアクセクしないのも、昔の時代の流れみたいなものがあるんでしょうね。

きっとね。国立の資料館が考古学の遺跡を管理してるんですけど、まだ地下に何千点もあって、国が管理出来ないほど色んなものが眠ってるんだそうですね。それ以外にピラミッドの傍に3,000〜4,000年昔の石碑がゴロゴロ落ちてるんです。「持って帰ろうかな」とか思ったんですけど(笑)。捕まっちゃって罰せられるんで持ち出せませんが。

普通に道端に転がってるんだ(笑)。

日本だと800年前の物が転がってたら大騒ぎですよね。そうじゃなくて3,000〜4,000年前の物がゴロゴロしてるんですからね。国自体が収納出来てないくらい遺跡物がたくさんあり過ぎて。

街全体が博物館だと思えばいいわけですね(笑)。圧倒されるでしょうね。



世界の子守歌は共通して聴けると思うんですよね。(星)
1つのものを深く追えばボーダレスになれるってことですね。(葉加瀬)

「日本人である」という意識は持ってますか? 姫神には世界中のリスナーがいますよね。そこに発信する為に日本の民謡を使うようなイメージは持ったりしてるんですか? 日本を背負ってる感覚と言うか。

この頃“考えがまとまってきた”と言うと変なんですけど、民族音楽はきっと今僕が使ってるシンセサイザーとかより前の音楽なんですよね。その時代には世界共通的なスピリットがある気がするんです。

はい。

インドネシアのカリマンタン島に行った時にジャングルの奥地に入って行ったんですよ。そしたらダヤク族、昔の首狩り族と言われていた人達が焼畑農業をやってましてね。その時、僕は子守り歌を取材したんですよ。

うん。

きっと熱帯雨林地帯だから暑くなっちゃいそうな子守歌なのかと思って聴いたら、眠れそうな子守歌なんですよ。だから世界の子守歌は共通して聴けると思うんですよね。そういう意味で民族音楽に共通した物を感じるんです。でもちょっと風土によって異質な所もあるんですけど。

根本は同じですか?

そう感じるんですよ。じゃあ僕自身がその世界のスピリットに精通していけば、世界の物に共通していくじゃないかいかと思ったんですよ。

なるほど。

あまりあちこち通うよりも1つの所をきちんと掘り下げて、ふと顔を上げると“一緒だな”という感じがしてね。

逆に1つのものを深く追えばボーダレスになれるってことですね。それは深い言葉だな。僕は初歩的に世界中からサンプルを集めて曲作りをすることも多いんですよ。

素晴らしいですね。

いや、楽しいんですけど。それは自分の楽しみでやるのは自分自身では納得出来るんですが、逆に世界に発信する立場になった時に果たしてそれでいいのか。こういう作業は今はテクノロジーがあるから、出来る人は多いと思うんです。「アフリカのものやブラジルの何かを持ってきて、アイルランドの民謡を乗せてやれ」と作ったら面白いものが出来るけれど、でも「う〜ん、僕が作ってる意味は何処にあるんだ?」と思っちゃいますよね。いつも自問自答するんですよ。

僕は葉加瀬さんのヴァイオリンの演奏を聴いていつも思うんですけど、本音の演奏をしてるって気がするんですよ。そう伝わってくるんです。民族音楽は本音の音楽の気がするんですよね。

そうですね。

だからそういう“本音”の所で自分が感じる葉加瀬さんのスピリットがあれば、それは普遍的なものだから通じていくと思うんですよ。だから変なこと言いますけど、あんまりレコード会社の人の言うこととか僕はあまり聞かないんです(笑)。「俺はこれを作りたい!」と思ったものを作る。

それは大体基本です(笑)。

あはは(笑)。


沖縄は赤い花、東北は『青い花』だと思ったんです。(星)

先月、最新アルバム『青い花』が出ましたね。通算21枚目、凄いですね! どんなテーマでどんな素材を集めて?

今回は“姫神ボイス”という地声の合唱を使ってるので、それを前面に出して。今まではインストゥルメンタルが中心だったんですけど今回は歌を。

やっぱり“歌の力には”・・・ってことですか?

そうですね(笑)。

ですね、悔しいけどね(笑)。

悔しいんだぁ、コレが(笑)。こんなこと言ったの初めてです(笑)。

でも声って音楽の原点ですからね。

ただただ頭が下がる思いです。

ですよね。その声の持つパワーがふんだんに取り入れられてるんですね?

パワーがあったかどうかは別にして、1つの世界観は何とか出来たような気がするんですけど、まだ時間が経ってみないと分からない(笑)。やっぱり作り終わった後ですから、ミックス・ダウンとマスタリング終わるまでにはかなり聴いてますから、もう聴き飽きてる状態です(笑)。

何千回ですもんね。

もう分かんない! って感じですけどね。

僕も大体リリースされてから、2カ月くらいは聴きませんね(笑)。丁度リリースされた頃に次のことを考えるようになりますよね。それで暫くした頃に「おー懐かしいな」と思って、また「あーこうすれば良かったぁ」って思うんですね(笑)。

思いますね(笑)。

それの連続ですよね(笑)。「今度こそは、今度こそは」って僕はいつも思ってることです。でも今回は沖縄の民謡を入れたりモンゴルの楽器を使ったりしてるんですね。

そうですね、沖縄音階を使わせて頂いたんですよ。憧れの音階だったので。

ドミファソシドですね。僕も家に三線持ってて昼寝しながらつま弾くんですけど、すぐ“沖縄”になりますもんね。あれは不思議ですね(笑)。

あれは強い音階ですよね。それを“姫神ボイス”で作りたかったんで、沖縄の音階を拝借しまして。そして東北の花はどんな色が1番似合うかなと思ったんです。沖縄は赤い花でしょ、九州・四国も明るいですね。じゃあ東京〜東北と来ると「青かな」と思ったので『青い花』。

なるほど。

しかも宮沢賢治が“青い”という言葉を凄く好きな人で作品にたくさん出てくるんですね。それがインプットされてて『青い花』になったんです。それで“♪青い花を探しましょう”と。“青い鳥を探しましょう”じゃないですけど(笑)。そういう部分で作ってみたんです。


感動しなきゃマズい。感動しに旅に出るんです。(星)
音楽家にとって旅は仕事の一部だとの思いますよ。(葉加瀬)

星さんにとっての“旅”“創作”というのは、どういう位置関係にありますか?

若い時は物事に会ったり人に会ったりしてただ感動することが多くて、凄くエネルギーになったんです。でもだんだん歳をとってくると感動の度合が浅くなると言うか…だから「マズいな」と思うんですよね。感動しなきゃマズい。

そりゃそうですよ(笑)。

だから、感動しに旅をする。

分かる!

自分を奮い立たせる意味でね。やっぱり外に出て行って物事に出会ったり、色んな事に巡り合って「あ、そうなの!?」とビックリしたりするということ、それが旅では重要ですね。だから旅するんですけどね。

ワクワクしてドキドキして感動したものを、自分にフィードバックして音楽にしていく。それはずっと続きますね。歳をとればとるほど旅が多くなるってことですね?

そうですね。これから増えるのかな。でもそれも仕事のうちだと思います(笑)。

それは絶対そうですよ(笑)。音楽家にとって旅は仕事の一部だとの思いますよ。そこで何かを得てきてね。だって物事を知らないと出来ないじゃないですか。

やっぱ心が動かないとね。物を作ろうという気力にもなりませんからね。やっぱり感動することは大事ですね。

旅先でイマジネーションを得て音楽を作るのは憧れますね。絶対に違うものが出来ると思うもん。

そうですね。

前にTVで星さんの岩手のご自宅のスタジオを拝見したんですけど、それからというもののあの情景が頭から離れないんですよ。僕はいつも都内の狭いスタジオで作ってて。頭の中はファンタジックに宇宙まで広がってるんですんですけど(笑)。現実的にかなり狭い所でやってますからジェラシーを感じてます(笑)。きっと毎日の作業が凄く気持ちのいいものでしょう。あの家にいれば毎日スタジオからなかなか出られないんじゃないですか?

でもやっぱり体が反応して「早くスタジオ出たい」と無意識のうちに思いますよ。あそこに入ると“何かを生み出さなきゃいけない”というのがあるらしくて。でも今の僕は午前中が勝負ですね。

というと?

夏場でしたら朝6時くらいからスタジオに入って12時くらいまで。長い長い6時間ですね(笑)。朝の6時から9時10時までの3〜4時間はとても集中出来るんですよ。そして午後1〜2時にくたびれてくるからちょっとした作業をやって3時くらいにはもう終わって、4時くらいには家に帰ってその辺の草を刈ったりして汗をかいて、シャワー浴びて1杯飲んで。そしたら7〜8時頃に眠くなりますよね。そしたら寝ちゃう。

うん。

だからもう5〜6時にはどうしても起きちゃう。

理想だな。僕もミュージシャンにしては朝が結構早くて、大体7時とかには起きるんですね。

それは素晴らしいですね。

朝に仕事を終わらせてしまいたいんですよね。

朝起きて1番疲れが抜けた時の清々しさ。水を1杯飲んで血液の流れがピューッと良くなる時に仕事をするのはいいですよね。

えぇ、絶対そう思いますね。


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STORY / DJAM AND FAM
CENTER OF THE SUN / RHYS FULBER
あの遠くのはるかな声 / 姫神
青い花 / 姫神
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