Top Page   ANA SKY WEB  
ANA WORLD AIR CURRENT
LOUNGE FROM CA
HAKASE'S ROOM MESSAGE
   

隠し味は、塩より砂糖よりオモニの手。

 

| PROFILE | CITY INFO | ON AIR LIST | LINK |

PROFILE
 

 ケンタロウ - 料理家-

小林ケンタロウ。料理家、イラストレーター。1972年東京生まれ。武蔵野美術大学在学中よりイラストレーターとして活動、その後料理家としてデビュー。TVや雑誌、総菜商品の企画開発等で幅広く活躍。若者の視点で「簡単でおいしくって洒落っ気があって現実的なもの」をモットーにジャンルにこだわらないメニューを提案。イラストレーターとしては料理のカットは勿論、店舗のロゴマークや本の装丁等グラフィックデザインも手掛ける。母親は料理研究家の小林カツ代さん。


▲TOP




韓国はおしるこがビックリするくらい美味しい。(ケンタロウ)

韓国にはよく行くんですか?

年に3回ぐらい行ってますね。

それはつまりハマってますね(笑)。韓国は街全体がエネルギーに溢れてるね。日本で言うと大阪か博多かというノリで。非常にジャンキーなんだけど勢いがある。

料理も肉のイメージがあったんですよ。日本で“韓国”というと“焼き肉”と頭に定着してたから。でも野菜料理が多いじゃないですか。ちょっと頼んだら出てくる出てくる、ナムル!

店に座ったら、小皿が無条件に出てくるじゃないですか。

あの小皿があれだけで何杯も御飯が食べられるような。

そうそう(笑)。もう頼む必要ないよね。

“もう肉はいいか”みたいな。あの野菜料理の1コ1コが御飯が進むような味なんですよ。韓国料理は凄く健康的だし、首から出そうなくらいみっちり食べても次の日はお腹が空くんですよ。野菜が多いからもたれない。で、肉1つ食べるのでもサンチュとかゴマの葉っぱ、水キムチやナムルを入れて…殆ど野菜ですよね。

もうあんまり言わないでくれ。チクチョ〜(笑)!

野菜の美味しさにビックリしました。日本の野菜料理はあんなに攻撃的じゃないですよね。“御飯をコレで食ってみろ!”というよりはちょっと箸休め的に、たおやかな“ちょっと煮浸してみました”みたいな(笑)。でも韓国は“ナムル!”と主張する感じ。韓国人は御飯いっぱい食べますしね。

年に3回も行ってたらもう、色んなものを食べたんじゃないですか?

でも案外同じ所しか行かないんですよ。絶対失敗したくないんですよね。もし万一まずいモノが出てきても「それはいらないから」と次の店に行くわけにはいかないじゃないですか。まずくてもある程度食べないと。で、どんなにまずくてもお腹っていっぱいになっちゃう。それが悔しいんです。人生のうちあと何回食べられるかも分からないわけですよ。“そのうちの1回を”と思うと同じ所へ行っちゃいますね。

でもやっぱり肉を食べに行くことが多いんですか?

そうですね。肉と…あとおしるこ屋さんがあるんですよ。これがビックリするほど美味しい!

日本のおしること違うの?

あんこ自体はそんなに濃厚じゃないんですよ。わりと薄口で、でも葛でとじたみたいにドロッとしてるんです。

餅は入ってるの?

餅は普通の餅。日本で食べるような餅が入ってます。上に銀杏とかゴマとか乗ってて。僕はどちらかというとあんこというより餅派なんですよ。だけどそこのしるこはあんが美味しい。なんだったら餅なくてもいいくらい。

それは自分の足で探したんですか?

知り合いに韓国で料理家をやってる人がいて。役得ですね。それで友達になって連れてってもらったんです。

凄いなそれは。


ナムルは砂糖が決め手ですね。(ケンタロウ)
砂糖の加減で“奥深さ”とか“響き”を醸し出すんですよね。(葉加瀬)

ソウルで他にもっと面白い所は?

また食べ物なんですけど、屋台街。ミョンドンとか屋台のおやつがいいですね。嬉しいのが大人が買ってるんですよ。カルメ焼きの薄いみたいのがあるんです、カラメル煎餅みたいな。キャラメル味の煎餅なんて「こんな素敵なものがあろうか!」という味。

屋台ではトッポギをやってるじゃない。お餅をキムチのソースにからめてるやつ。

あれも旨いですよね。ジャンクな味。

あの見た感じがヤバイよね(笑)。「そんなに美味しそうなものを屋台で売るなよ」みたいな勢いがありますよね。

楊枝でせせこましく食べるんですけど、それがまたいいんですよね(笑)。ハフハフしながらね。

熱いわ、辛いわ、味濃いわだけど。

あれは屋台ならではですよね。

でも本当に韓国はバイタリティに溢れてる。その中で自分の作る料理のヒントとか…。

なりますね。特にナムル類は。

ナムルは基本的に茹でてあえたもの? 味付けは醤油とゴマ油で。

そう。で、ほうれん草の場合は塩と決まってるんですよ。醤油は入れないんです。あとはゴマ油とすりゴマ。すりゴマは1束に1パックの半分くらい入れるんです。ゴマ油はレシピに書けないくらい入れて。ポイントは砂糖。砂糖をたっぷり入れるんです。

韓国料理は砂糖の使い方が上手いですよね。

ホント上手い!! 砂糖が決め手ですね。決して甘ったるくないんですよ。

砂糖の加減で“奥深さ”とか“響き”を醸し出すんですよね。

そうなんですよ。本当に上手い。

舌の上に置いた時は砂糖を感じないんですよ。

そう。でも入れないのとは全然感じが違う。砂糖を結構たっぷり入れておろしニンニクをちょっと入れて混ぜただけなんですけどね。それで手で混ぜるんですよ。

それは大きく違いますか?

違いますね。馴染みが全然違う。手の熱で馴染んでいくし偏りがないですね。手のひらは体の中でも感覚が鋭い所じゃないですか。だから全体に混ざっていく感じが分かるんです。向こうのお母さんも手で混ぜてます。“手も道具”と言ってました。家でも韓国料理風のものを作ることは多いですね。僕は御飯が食べたいんで(笑)。

分かりやすいな(笑)。

野菜で御飯食べられるって、やっぱりいいじゃないですか。

そう考えるとキムチは本当に凄い! 色々種類もありますしね。あの水キムチは飲むものなんですよね。

大根の水キムチは消化促進なんです。そんなこと日本の漬物にはありえないでしょ。あれはなんで日本に定着しないんでしょうね。

多分だけど日本の漬物は“塩分”でしょ。向こうは梨を入れたり青林檎を入れたりフルーティだから“飲む”という発想になるんじゃない?

そうなのよ。そこが違うのよ。

でもキムチの“発酵”というのは料理において一番の文化ですよね。

知恵ですね。何処でもありますし。しかも元々は意図してないことが多いじゃないですか。“ヤギの乳を運んでたら腐っちゃった”みたいな。

でチーズになっちゃった。それがここまで残ってるんですから、凄いことですよね。




大概のことは大丈夫なんです。素材も変わってきてますから。(ケンタロウ)その気持ち良く分かるんです。(葉加瀬)

世の中は新年なので聞きたいんですけど、おせちは作るんですか?

おせちは作らないんです。おせちは実家で食べるものなんで。

正しいね。お母さんが作ってくれたものを食べる。

そう。一人暮らしですから。一人だと重箱に詰めただけ切ないじゃないですか。

僕は学生の頃一人暮らしだったけどおせち作ってましたよ(笑)。

1人おせち(笑)! でも誰か食べる人はいたんでしょ?

バンドのメンバーとかが正月に来るのを想定してちゃんと作ってましたね。

それは僕より料理家になった方がいいですよ。

小学校4年生の時から料理やってて大好きなんですよ。

それは早いですね。僕はモノの記述によると2歳くらいからです。台所で米計りから始めたらしいんですけど記憶はないですね。かなり下働きの時代が長い(笑)。だから昔はおせちを作るのを手伝ってはいました。

ケンタロウさんの実家のおせちはどんなものなんですか?

まずお煮しめがあって昆布巻、かまぼこ、たづくり、なます…。

いいラインナップだ。

ごく普通のおせちです。ただ別にローストビーフを作ったりしてたかな。

あ、そういうスタイルはわりと僕らの世代から定番ですよね。

切って餅の上に乗せたりして。

子供の頃から食に対する創意工夫のある家で育ってるわけでしょ。お母様のカツ代さんの料理は“その手があったか”“そんなことしてもいいんだ”というのを教えてくれた世界じゃないですか。

凄い主婦目線ですよね(笑)。まあでも現実味はありますよね。早く出来るし。それで育った以上あまり否定もできないですし。

僕は料理番組が好きでよく見るんですけど、ケンタロウさんはお母さんの意志をよく引き継いでますね。作る人間から見ると“わかる!”というのが多い。

そうですか。嬉しいですね。

普通だと「1時間以上は水に浸しましょう」と言うところを「1時間でも大丈夫ですから」とよく言うでしょ。

言います言います(笑)。何言われても「大丈夫」と言っちゃう。

「下味をつけたいので、3分くらいおいて…」というのも「よく揉んで頂ければこれでも大丈夫ですから」って言うでしょ。

言います(笑)。

その気持ち良く分かるんです。

でも大概のことは大丈夫なんです。素材も変わってきてますから往年のやり方が今でも通用するかというと違うんですよ。米研ぎなんて昔は擦り合わせて手のひらでジャリジャリやってたわけでしょ。

ザッ。ザッ。と。

いい音ですね。さすが音楽家。今それを男の人の力でやっちゃうとボロボロになっちゃうんですよ、精米技術が発達してるから。今は指先でシャパシャパシャパと、研ぐというより洗うくらいでいいんです。野菜の灰汁(あく)なんかもかなりなくなってきてるから。そういう意味で大概のことが大丈夫なわけですよ(笑)。よく「ポイントは?」と聞かれるんですけど無かったりしてね(笑)。

あとよく見てるとしょっちゅうニンニク入れますね。その後必ず「ニンニク入れときゃ何とかなります」と言うでしょ。

ニンニクには大変助けられてますね(笑)。本当にニンニクは万能選手ですよ。

あれは勝ちますね。

たまに臭わない腰抜けみたいなのあるけど、あれはよく分かんないですね。食べる時は臭う。臭ってナンボですから。デートの時は2人で食べる。そうですよ。


ヨーロッパでハムを食うと“肉”だよね。(葉加瀬)
鮮度が全然違うんですよ。(ケンタロウ)

年末だけは必ず休みが取れるんで“海外へ行ったろう!”と思って行きますね。去年はオランダに行きました。

渋いね。オランダ美味しいでしょ。シーフードも旨いしビックリしますよね。

ロンドンの近くとは思えないですよね(笑)。いやいやロンドンも素敵なところですよ。何食べても美味しかった。

ドイツの料理とフランスの料理が合体したような文化ですよね。

そう。だから質実剛健ドカンというのと繊細さと両方がある。だから繊細なものがドカンと出てくる嬉しさ。

そうそう。“フレンチだったらこの半分でしょ”という量ですよね。

気取らずにドーンと出てきて、ホント美味しかったですよ。

僕も何回もオランダへ行ったことありますけどいい思い出ばかりですね。何しろ豪快でいい。

僕はハムを買ったんですけど、そのハムがチーズ屋さんのちょっと高い棚の上にポンと置いてあったんですよ。結構ステーキ肉のようなハムです。切り面からポタッポタッと肉汁が垂れてて、これは買わない手はないだろうと思って買いましたよ。

しっとりしてるんだ。

もの凄く美味しかったですよ。たぶん作って2日以内ですね。

でもハムはヨーロッパで食うべきだね。特にドイツのあの文化でね。

消費量が違うので作ってもすぐなくなるんですよ。だからドンドン作る。日本だと作ってもそうは売れないですから。その鮮度の差が違う。

これはモノの本で読んだんだけど『日本のハムはヨーロッパ人が求めているハムとは違う。日本人はハムに何を求めているかというと“かまぼこ”を求めているんじゃない』と。これ言い得て妙でしょ。

確かに!

だから日本のハムメーカーはかまぼこだったり、つまり魚類の練り物のイメージであの質感を作ってる。

うん。擦り物的ですよね。

でもヨーロッパでハムを食うと“肉”だよね(笑)。

そうなんです。ホテルではパンにハムとチーズだけでとても豊か。パンも美味しいですしね。地に足ついた文化には敵わないですね。

美味しいハムとチーズとパンで完成された響きがありますもんね。三位一体ですよ。

そうなんです。ホテルではパンにハムとチーズだけでとても豊か。パンも美味しいですしね。地に足ついた文化には敵わないですね。

美味しいハムとチーズとパンで完成された響きがありますもんね。三位一体ですよ。

いいこと言った、素晴らしい!


写真撮ろうと思うんですけど殆ど残ってない皿になってたりして。(ケンタロウ)
“食べる前に撮る”と決めなきゃ(笑)。(葉加瀬)

家で“こんなのいいな”というアイデアは沸いてくるんですか?

ええ。でも好きなものは偏ってるのでかなり似てきてると思いますね。大きく分けたら本の中のレシピも偏ってるんじゃないですかね。僕は酢の物が好きじゃないんですよ。だから何千とあるレシピの中で2品くらいしかないですよ。

理由は1つ。自分が食べないから。作らないから(笑)?

だんだん歳をとって酢の物が好きになってきたら増えると思うんですけど(笑)。だから家で色々と思いついて作りますけど味の想像がつかないものは作らないですし、そういう意味では保守的な、何度も食べたくなるものを作りたいんで。家で作ってると“一昨日も作ったな”と思うこともよくありますし。男の傾向なのかもしれないけど好きなものはいくらでも大丈夫。

旅先で“このアイデアは頂き”と思ったら家で再現するんでしょ?

そうですね。でも食べてる時は意外とただの人ですからね。よく食べながらメモする人とかもいるけどそんなの面白くないじゃないですか。バーッと食べる。よく海外へ行くと写真撮ろうと思うんですけど殆ど残ってない皿になってたりして。

それはダメだよ。“食べる前に撮る”と決めなきゃ(笑)。

決めてるんですよ。テーブルの上にカメラを出しておいて友達とかにも言っておくんですよ。でも来た時のテンションですっかり忘れちゃう。「イエーイ!!」となってブワーッと分けて「いただきまーす!」と食べ始めちゃうから「ハイ戻して戻して」みたいな(笑)。

「写真忘れたー」って(笑)。

そんなもんですよ。だけどどこか印象に残ってる。素材とかも微妙に違うから“日本でどうなるかな”とか考えてたりします。“あれは意外な組み合わせだったけど美味しかったな”と思って日本の素材で作るというのはよくやりますね。

“日本の素材で”と親切にしてくれるのがいいよね。

家庭料理ですからね。本で見てても“ミントの葉1枚”とか「どこで買うねん!」みたいなのあるじゃないですか。

“この酸味はたまりんどうを…”とかね。「たまりんどうって何ぃー??」みたいな(笑)。

あれは趣味の料理ですよね(笑)。家庭で作る分にはその辺で買えるものでないと。韓国料理でもあまり売ってないゴマの葉っぱとかあるんで大葉に代えてみたりとか。風土も気候も違うので、必ずしも現地のまま作ったから日本でも美味しいとは限らないじゃないですか。

はい。

向こうで食べるインディカ米は美味しいからって日本でも細いインディカ米が美味しいかと言うと、やっぱり日本の御飯には日本のもっちりしたお米が美味しかったり。

でもね。こんなに食が豊富な時代はないわけじゃないですか。東京というか日本は特に。本当に世界各国の美味しいものが食べられる所ですよね。その中でケンタロウさんは「こんなものもあるんだよ」と紹介していく。今の時代では1番面白いことでしょ。

面白いですね。職業としても面白いです。


▲TOP



CITY INFO

 

ON AIR LIST

THIS IS ALL I NEED / GLOSS
JUXTAPOZED WITH U / SUPER FURRY ANIMALS
SPRING / LEE TZSCHE
DINNER WITH DELORES / PRINCE
VANILLA SKY / PAUL MCCARTNEY
ANGEL IN THE SKY / 葉加瀬太郎

 

LINK

THE ROCKIN'COOKIN'
ケンタロウさんの公式HP。

▲TOP

Copyright (c) 2001 FM-Japan Ltd. All rights reserved.