ON AIR DATE
2019.01.20
BACKNUMBER
  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54

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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・

ヴィンテージデニムの市場価格はいま、どうなっているのか?

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Theme is... 古着

『Travelling Without Moving』=「動かない旅」をキーワードに、
旅の話と、旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。


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番組前半はリスナーの皆さんから手紙、ハガキ、メールで寄せられた
旅のエピソードと、その旅にまつわる思い出の曲をオンエア!

後半のテーマは「古着」。

以前、リスナーの方からリクエストがあったお題、
「古着」について訓市が語ります。
お宝のデニムを求めてアメリカの各地を彷徨うバイヤー、
ふと目についた倉庫で巡り合った宝の山、
一攫千金を狙った究極は、炭鉱? 金鉱?
訓市の親しい友人が実際に体験した面白エピソードについても語ります。



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番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
「旅」に関する質問、「旅先で聴きたい曲」のリクエストでもOK!

手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
メールの方は番組サイトの「Message」から送信してください。

リクエスト曲がオンエアされた方には番組オリジナル図書カード、
1000円分をプレゼントします。
皆さんからのメッセージ&リクエスト・・・ お待ちしてます!


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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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2019.01.20

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Today / The Smashing Pumpkins

2

Agape / Bear's Den

3

Almost Here / Alice Ivy

4

Wont Preteeeed!!!! / 9th Wonder

5

1000のバイオリン / The Blue Herats

6

Mornign Shadows / Cass McCombs

7

Magnolia / J.J. Cale

8

Walk Away / Ben Harper

9

Life Fades Away / Roy Orbison

2019.01.20

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。


Kunichi was talking …


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僕は何かを買いに行くことを目的に旅をすることはないんですが、逆に、買い付けをしたり、旅の目的が“物を買うこと”という友達はたくさんいます。特に、古着を探してさすらう古着ハンターやデッドストックだけを探す人たちの話というのは本当に面白くて、かなりいろいろ聞いてきました。
古着や昔の服が新品のままずっとストックになっていた、いわゆる“デッドストック”を探すのは本当に根気のいる仕事で、その行為自体を好きじゃないとやってられないらしいです。でも、なぜそれを続けるかというと、見つけたときの喜びが半端ないから。というのも、もう完全に海賊がお宝を見つけるみたいな宝探しに近いようなことらしく、僕の友達が昔やっていたのは、アメリカなら古い街を地図を片手にしらみつぶしに回っていく。目抜き通りにもお店がほとんどないような小さな町というのはアメリカにはたくさんあるんですけど、そういうところのビルに残っている昔のサインや看板を探しながら、上を見て歩くそうです。そうすると今は何か別の店になっていたり、空き家になっているところに、当時、雑貨屋だったサインや看板があったりする。そして、すぐさまその近所に声をかけてオーナーを探すと、「もう30年前に潰れた雑貨屋だけど、裏の部屋に当時の在庫が残ってるわよ」なんていうことがありまして、見るとリーバイスの新品がそのまま束になっている。実際は興奮で声が震えそうになるようですが、そこは演技で、「まぁ、こんなもんですか。せっかくなので引き取りますよ。処分するのも面倒でしょうし」と言ってお金を渡して、しばらく車を運転して離れてから大声で叫んだりするぐらい興奮するみたいです。さすがにアメリカではこういう場所は掘り尽くされてしまっているようすが、アジアのアメリカ軍基地があった周辺の町の雑貨屋跡とかではまだこういうことがあるみたいです。僕がアメリカによく行きだした90年代というのは、アメリカの古着屋に行くと日本で売ったら何倍もの値段がするリーバイスが、数10ドルで売られていることも、まだ結構ありました。もちろんそういうのを見つけたときは買いましたが、「これ、お店の人は気づいてんのかな?」とか、そっちの方が心配になりまして、チラチラ見ながら興奮しないように、他の安い服とあわせたりしながらさりげなく買ったりしました。どういう感じかというと、小学生の時にちょっといやらしい雑誌とかプレイボーイを週刊少年ジャンプとかの間に挟んで買うというのに近いでしょうか。とても甘ずっぱい記憶ですね。今アメリカの古着屋さんに行ってももうこういうお宝のようなものに出会う機会というのは一切なくて、だいたいが廃品を集めて売るようなお店とかヤードセールしかありません。アメリカでは要らなくなったものや亡くなった人の遺品を遺族の方が全部まとめて庭先で売るのをヤードセールというんですが、そういうところにとんでもないお宝が出てきたりします。それも古着だけじゃなくてレコードとか家具とかいろいろで、現地の新聞に「今週、ヤードセールがある」っていうのを見て飛びつく友達も、僕にはたくさんいます。


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古着ハンターの人たちから聞いた話のなかでとても印象深いものがあります。アメリカ東海岸の電車に乗っている時に窓から倉庫が見えたらしいですが、その倉庫の窓からちらっと一瞬、ナイキの靴箱が積み上がってるのが見えたっていうんです。急いで次の駅で飛び降りて車を借りて、だいたいこの辺りだったというところまで戻って聞き込みをしまくったところ、なんとその倉庫はナイキの名作スニーカーの『エア・ジョーダン』、しかもファーストの在庫を貯めておくフットロッカーみたいな量販店の倉庫だったらしいです。あれが発売された当時、実はそんなに人気がなくて在庫が結構残ったそうですが、それを「全部売ってくれ!」と、買って持って帰ったそうで、それでいくら稼いだのかという話を聞いたときは、「現代にこんな話があるのか!」っていうぐらい興奮しました。あとは地道に儲けた人の話。ニューヨークの北部でアディダスの靴の在庫を見つけて、箱なしだったのかな?一足ほぼ1ドルぐらいのディールを取り付けて、それをハンドキャリー、自分の手荷物で持って帰れる量に追加料金を払って持ち込めるだけ持ち込むっていうのを繰り返して、そのアディダスの靴だけで会社を作ってしまった人の話とか、確かに金鉱を探すという話よりこちらの方がはるかに現実的で、そしてロマンがあるなと思います。今は物が古着になる前にリミテッドであれば右から左にリセールすればすぐ高いお金になってしまうし、なんだかなぁっていうか、そこにロマンがないなと。昔は全く無価値だと思われていたものに誰かが価値を見いだして、急にそれを掘り出してものすごい価値になったりすることがありました。それは服全体の価値だけじゃなくてそのストーリー自体にとてもロマンがあったから、さらなる価値を産んだんじゃないのかなって思うところがあります。そんな中で、一番ロマンのある古着探しっていうのは廃坑になった元炭鉱跡とかに潜る人たちだと思います。炭鉱に潜るというのはなかなか意味が分からないと思うんですけど、例えばデニムというのは元々がワークウェアで、石炭でも金鉱を掘る人たちの作業着として着られていて、廃坑になったそういった金鉱や炭鉱跡にはそこで働いていた人たちが暑いからといって脱いでそのまま捨てたものとか、たたんで置いといたそのデニムの上着やパンツがたまにそのまま出てきたりするわけです。知り合いに実際にこれをやっている人がアメリカにもいるんですけど、こうなってくると、もはや服好きじゃなくてただのトレジャーハンター、宝探し野郎です。これでデニムなんか見つけてしまうともう博物館級のもので、値段も1本見つけたら何年も何もしないで暮らせるぐらいの値段がつくそうです。この炭鉱の話というのが一番特殊なんですが、普通の古着というのは大抵、シカゴだったかデトロイトに全て集まるらしいです。貨物列車に届いた一杯の古着があって、それを最初に全部見ていいのがいわゆる1級の一流バイヤーと言われる人たち。彼らがまず「これ、これ、これ」と、見ただけでどんどんいいものを抜いていって、その次が2級の人、3級の人、という感じでどんどん繰り返していく。そして、小さくなった束をまた積み上げて一つにして、それをさらに誰かが見るっていうのを繰り返していきます。そして最後に誰も選ばなかったものがまとめて中国とかに送られて裁断され、また再生の生地になったりするそうです。僕の友達は「早くその一番最初に見られるバイヤーになりたい」と言ってました。そんな中、ぜひ皆さんにやってみていただきたいことがあります。僕も2回くらい経験があるんですが、海外では革ジャンとかデニムジャケットの内ポケットをよく触ってみると、へそくりなのか、何か悪いことをしていた人の上着なのか分からないんですけど、ドル札が輪ゴムで丸められてポンと入ってたりするんです。古着のバイヤーに聞いたところ、「あるある、たまにあるよ。ものすごい金額が内ポケットに入ってて、そういうときは程度が悪くても何食わぬ顔して買うよ!」と言ってましたが、時々そんなラッキーなこともあります。ぜひ皆さんも試してみてください。