ON AIR DATE
2026.07.26
BACKNUMBER
  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54

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当番組のPodcastは・・・
毎週日曜日の午後8時に最新版を
アップしています。

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『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。

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--- テーマはアメリカの「独立記念日」 ---

7月4日、ロサンゼルスに滞在していた訓市
かつて憧れていた場所で友達と過ごしたランチタイム
各地で花火が打ち上がる中、訓市はどんな場所で誰と何を?

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「旅」と「音楽」に関するエピソードや
思い出の“お便り”をお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!

番組サイトの「MESSAGE TO STUDIO」から
“お便り”を送信してください。

2026.07.26

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Slow Down / Why Don't We

2

Runaway / Aurora

3

Worth It. / Raye

4

Heartbeat / Alice Boman

5

バルセロナの夜 / 佐野元春

6

The Quest / Mac Miller

7

More And More And More / Sanullim

8

Tupelo Honey / Tom Waits

9

Hands To Heaven / Breathe

2026.07.26

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。

KUNICHI was talking

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7月の頭にロサンゼルスに行ってきました。その頃、ヨーロッパは熱波で毎日40度、東海岸のニューヨークも熱波で40度と聞いていたので、ロスもそんなだったらどうかとかなりビビって向かったんですけども。ロスはいつもの昼はカラッと晴れて日差しは強いですが、夜は涼しくてちょうど良い気候。やっぱりカリフォルニアっていうのは気候だけは本当に素晴らしいと思いました。気候だけというのは、やはり車にいる時間が異常に長いですし、常に渋滞ですし、夜が終わるのは早いし、1日の間でできることが限られていると言うか、のんびりし過ぎていて、僕がもしロスに住んでいたら何もしないうちに人生が終わってしまいそうな気がするからです。やっぱり忙しないけどどこにでも自分で歩けて、1日にたくさんのことができるニューヨークの方が自分には合ってるような気がします。とはいえ、天気だけが本当にロスの方が最高ですけども。初日はコロナぶりに「シャトーマーモット」で友達たちと夕飯を食べに行きました。ここはロスの老舗ホテルでたぶん唯一のヨーロッパのバロック様式の建物で、庭にはイタリアの糸杉なんかが植えられてます。1929年に建てられた当初はレジデンツの建物だったのですが、どの部屋にもキッチンが付いていて、長期滞在に向いているホテルです。とはいえ、1番小さな部屋でもとんでもなく高いので、僕もすごい恵まれた仕事の時に数回泊まっただけなんですけども。施設や設備が新しくもなく、古いヨーロッパのホテルな雰囲気ですが、昔から世界中のアーティストたちに愛されてきたホテルで、ソフィア・コッポラのサムエアっていう映画はここが舞台ですし、部屋に録音機材を持ち込んでアルバムを作る人もいたり、有名なカメラマンが部屋で撮影をしたり、そんなエピソードをたくさん聞いていたので、若い頃から僕が1番泊まってみたかったホテルでした。何しろ宿泊者のプライバシーを守るっていうのがプライオリティーのホテルで、廊下とかロビーとかで写真が撮れないんですよ。で、朝ごはんを食べていると、「隣のテーブルにショーン・ペンがいる」とか、「奥にはビョークがいる!」なんてこともありました。コメディアンで僕のヒーローだった映画「ブルース・ブラザース」で有名なジョン・ベルーシや、フォトグラファーのヘルムート・ニュートンが亡くなったのもこのホテルです。テラスに座って友達とパスタを食べながら、かつてこのホテルにいた様々なアーティスト達のことを考えると、自分がその場所にこうして来れているというのがまた不思議な気分になってきました。泊まらなくても食事をしたりバーで飲むことはできるので、古いホテルが好きな人、あとそういうカルチャー系の話が好きな人は、ぜひ「シャトーマーモット」に行ってみてください。これですごく気分が初日から良くなって、楽しい滞在だったんですけども。印象的だったのが、今回はアメリカの独立記念日7月4日にアメリカにいることになったことです。しかも建国250周年。次の節目である300周年には自分はこの世にはいないはずなので、最初で最後のビッグ記念日です。友達たちとどうしようかと話していると、その知り合いがハイランドパークの丘の上にプール付きの古い家に住んでいるから、そこに集まろうということになりました。「ドジャース球場から打ち上がる花火が見える最高のロケーションだぞ。」ということで、昼にまずハンバーガーを食べ、海パンとタオルを持ってそこへ向かいました。

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その丘の上にある家には色んな人がいました。ほとんどが初対面だったんですけど、大体がガチマッチョのタトゥーだらけのヒスパニックとか、そんな感じでしたね。あと元プロスケーターとか、その連れの奥さんとか。すでに10人以上が集まっていて、昼過ぎなのにもう大量の缶ビールが消費され、そしてメキシコ帰りの1人が持ち帰ってきたという「メスカル」のボトルがすでに出回っていました。庭の端では豪快な男飯のバーベキューが始まっていて、大量の肉が次から次へと回されてきます。「はじめまして、はじめまして」と言いながら、とにかくみんな気さくで色んなものを持ってきてくれるので、僕はさっそく庭にあったソファーに陣取って、ペチャクチャと色んな人と喋りながら、缶ビールを延々と飲み続けました。だいたいロスに行くとみんなが飲むビールは「モデロ」です。日本では多分あんまり入ってないと思うんですけど、安いメキシコビールですかね。うすいから、ロスの気候に合うんでしょうか。あっという間に飲み干して、くしゃっと潰してゴミ箱へ投げる。暑いので飲んでも飲んでも汗で出ていくので全く酔いません。ひたすらそれを繰り返す、何もしないロスの休日。やっぱりこの何もしないっていうのがロスほど合う街はないと思うんですけども。ボケっとしてると大の大人たちが「あちーあちー」と2階に登って窓からプールに飛び込んでます。やっぱり呑気でいいなと思いました。バックには永遠に19sのヒップホップ。気づくとあっという間に時間が過ぎて7時過ぎ。ようやく日が落ち始めると、街角中から花火が上がり出しました。誰かの家の庭から、交差点から、結構な規模の花火が上がります。カリフォルニアでは大きな花火は販売禁止らしいのですが、みんな合法なテキサス州とかからトラックいっぱいに買ってきて打ち上げまくってるらしいんです。あっちでドーン。こっちでドーン。これ、もしテロ事件があっても絶対分からないよねっていうぐらい、ドンドンドンドンやってます。「ここでそんなこと言ってたら、イーストロサンゼルスのメキシコ人街に行ったらもっとヤバいよ。」と前にいた酔っ払いが教えてくれました。「あの辺りはもうネクストレベルでね、煙で車が運転できないぐらい打ち上げてる。交差点のど真ん中とかで。そしてドリフト族が来るんだよ。」と独立記念日のことを話していて、もう10年以上の前のことですが、以前ニューヨークで独立記念日を過ごした時のことを思い出しました。それはすごく良く晴れた日で、その時も僕は友達の住むアパートの屋上に登って、みんなでビールを飲んでいました。傾斜のある屋根に寝転んでビールを飲んでいると、あれはハドソン側だったかイーストリバー側だったか忘れましたが、大きな大きな花火が上がり始めました。色んな屋根の上から歓声が上がる。見渡すと皆同じように寝っころがって大声を上げていました。国の建国を花火で祝う。なんだかんだ、愛国心の強い人たちというか、まあ、そもそも、あらゆる場所から何かを求めて移住してきた人たちですから、国に対する思いってのが強いんだと思います。日本にも建国記念日っていうのがありますが、祝わないよなーと思いました。建国2000年前みたいな、そんな感じですもんね。日本だって、お祭り騒ぎというか、日本が今あることを喜ぼうっていう日にしてもいいんじゃないのかな。そんなことを思いながら、僕はまた缶ビールを開けました。そして、思いました。やっぱり、ハイボールだな。