ON AIR DATE
2022.05.22
BACKNUMBER
  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54

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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・

日本の農業に革命をもたらしたミニ耕運機「こまめ」を使ってみた

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TUDOR logo

『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。


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#399 --- とても後ろ向きな“畑しごと”---


前半はリスナーの皆さんからお寄せいただいた
“お便り”の中からご紹介!
選曲のオーダーにもお応えします。

後半のテーマは、「畑」。
先日、自分の意思ではなく訪れた
軽井沢の畑に行って感じたこと...

空が晴れ渡り、緑が美しい今の軽井沢。
でも、絶望感しか無かった理由とは?

激しい痛みを伴う作業を終え、
改めて感じたこと、気づいたことを語る。


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「旅」と「音楽」に関するエピソードや思い出の
メッセージをお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!

手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからの“お便り”をお待ちしています!


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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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2022.05.22

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Nothing From Nothing / Billy Preston

2

Human Heart / Coldplay × We Are King × Jacob Collier

3

Just When I Needed You Most / Dolly Parton

4

Green Dog / Ry Cooder

5

横顔 / 矢野顕子

6

Lots Of Lovin' / Pete Rock & C.L. Smooth

7

The Man In Me / Bob Dylan

8

Here They All Come / Bryce Dessner & Aaron Dessner

9

Dunno (Spotify Sessions) / Mac Miller

2022.05.22

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。

Kunichi was talking …

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すっかりと簡単に遠出をするということをしなくなってしまい、最近では家の近所をちょろちょろと動いてはあっちで1杯、こっちで1杯やって帰るのが癖になってしまいました。やっと季節も良くなってきましたし、しかもどこに行っても愛飲している葡萄でできたウォッカというのをみんな置いてくれるようになったので、麦を気にすることなくお酒が飲めるって最高だな〜とアルコールの素晴らしさを噛み締める毎日です。そしてイヤホンを付けて好きな音楽を聞いて、歩いて帰ったり。でもそんな酒と散歩だけではやっぱりいけないなということで…と言うわけじゃないんですが、先日軽井沢の畑に行ってきました。健康のためとか流行りとか、そういうわけじゃなくてですね、自ら望んでやったわけでもなんでもありません。行った理由っていうのは自分の親父が仕事を引退して突然始めた畑仕事のせいです。「動物を飼いたい」「あれをやりたい」と言っても衝撃的なまでの飽き性で、金魚でも3日で死なせてしまうような甲斐性のない人ですけども、何があったのか? もしかしたら雷にでも打たれたのかもしれませんけども畑仕事にどハマりして、大きな畑の一角を農家さんに借りて様々な野菜を育てるようになってもう15年くらいでしょうか。春になって寒さが和らぐと軽井沢にほぼ秋まで移住して、ひたすら朝から夕方まで畑仕事をしてます。土を作るのが楽しいのか、収穫が嬉しいのか、とても1人では食べきれない量ですから、それを姉がやっているレストランに卸して使っているようです。ズッキーニやたくさんの種類違いの芋、トマト、とうもろこし、少量ずつたくさんの種類を作っています。種や苗植えも収穫時期もそれぞれ違うので、春から秋まで延々に畑仕事が終わることはありません。それらの野菜というのはやっぱりとても美味しくて甘味も強いですし、歯ごたえもシャキシャキしてて良かったり、ものすごく薄い味だと思っていたものが味が濃かったり。なんでそんなのかって言うと、きっと商売じゃなくて趣味だから手間暇をかけることが出来るのが理由なのかと思いますけども、その畑仕事に僕も性を出しているのかと言えばそんなことは全くないです。たまにお裾分けしてもらったものを「うんうん、美味しいなズッキーニ」「ワインにすごく合うな」という感じだったのですが、去年に父親がちょっとした手術をしたり、今年は骨を折ったりして、人手が足りないというと駆り出されてしまうことになりました。積極的ではない、非常に後ろ向きな畑仕事。「いやー土をいじると最高だね。仕事終わりの酒が本当に美味いよ」っていうことは全くなくてですね。普段使わない筋肉を酷使することにより、ワクチンの副反応よりひどい筋肉痛を伴う、できれば絶対に避けたい作業です。


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今回やってくれと頼まれたのは苗を優しく植えるとか、たわわに実った実を収穫して途中で味見して「美味しい?」というような美味しい作業ではありません。畑に積んである1袋20キロの堆肥を運んで畑に均等に撒いてくれとか、そのあと耕運機で耕してくれとかです。終わったと思うと今度はその耕したところに均等に石灰をスコップで撒いたり・・・。堆肥が何十袋も積んであったり、石灰を撒くスコップの小ささを見ると、どんなに空が晴れ渡っていても、緑が美しくても、そこに絶望しかありません。去年、生まれて初めてギックリ腰になったとラジオで話したことがありますが、振り返ってみればですね、あれもその1週間前に耕運機を使って耕しまくったのが原因に違いありません。なので先日畑に行った時に、また肥料かと憂鬱な気分だったのですが、今回は雑草抜きでした。今回から畑の場所が変わったので全く勘違いしていて、「あ〜綺麗だなー」と思っていたらそれは雑草で、全部抜いてほしいと。手で。しかも抜いた根にくっ付いてくる肥料たっぷりの土を落としながら。あいにくその日も天気予報に反して晴天。浅間山の山頂の雪まではっきり見えて、鳥の楽しげな囀りが近くの林から聞こえてくる。むせ返るような深い土と新緑の匂い。目を閉じたら、昔いたスペインやフランスの片田舎にある農場と錯覚してしまいそうでした。あそこで食べたトマトは美味しかったなぁ。常に裸足だったあのヒッピーたちは今元気だろうか? うっとりしたのも束の間、目を開けてみればびっしり生えた雑草達がほら抜いてみろ!とばかりに挑戦的に風にたなびいていました。意を決して手前の雑草から引っこ抜くと、柔らかい畑の土に生えた雑草っていうのはすごく綺麗に抜けるんですが、ものすごく気合を入れてまるで北斗の拳ばりに高速で抜きまくりました。ケンシロウのように奇声を上げていたかもしれません。もういいだろうと思ってどのくらい雑草が抜けたかなと思ったら、まだ1平方メートルにもなっていない。密度が本当にありえないくらい濃く生えていまして、結局半日かけて全部抜きましたけども、そこに達成感はなく、筋肉痛が翌日酷かったら嫌だな〜とビクビクしていたのですが、筋肉痛というよりは打撲。筋肉じゃなくて腱を痛めていた気がします。家庭菜園、ガーデニング、聞こえはいいですけども、ちょっと本気で手をだすと畑は本当に大変です。自給自足って良いですけどもね、僕はやっぱりそれより今まで以上にお百姓さんに感謝をして、自分は食べる側専門の人間でいたいなと再確認しました。