ON AIR DATE
2021.08.15
BACKNUMBER
  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54


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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・

【2021 東京】手持ち花火OK!花火ができる都内(23区)の公園10選

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TUDOR logo



『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。


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#359 --- ぼんやりと、夏の夜空を眺められる日々 ---

■番宣
前半はリスナーの皆さんからお寄せいただいたお便りをご紹介。
リクエスト曲や選曲のオーダーにもお答えします。

後半のテーマは「花火」。
ふと、訓市が考えた“夏らしいこと”。
海、プール、ビアガーデン・・・そして、花火。
訓市の記憶に残っている最も思い出深い
打ち上げ花火はいつ、どこで眺めたのか?

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「旅」と「音楽」に関するエピソードや思い出の
メッセージをお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!

手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからのメッセージ&リクエストをお待ちしています!!


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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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2021.08.15

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Well I Wonder / The Smiths

2

Summer Of 69 (MTV Unplugged Version) / Bryan Adams

3

This Must Be The Place / The Lumineers

4

Late For The Sky / Jackson Browne

5

サマージャム '95 / スチャダラパー

6

Give It Up, Turn It Loose / En Vogue

7

You Can't Hurry Love / Marco De Falco

8

Young Americans / Durand Jones and The Indications

9

Groovin' (Poolside Extended Remix) / The Young Rascals

2021.08.15

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。



Kunichi was talking …


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もう8月も15日ということで、残り2週間。夏があと2週間しかないということなんですが、去年に続き夏らしいことをしていないなぁと感じまして、そのうちに夏らしいことって何なのかを考え出しました。海に海水浴に行って、海の家で焼きそばを食べてかき氷を食べたりしてゴロゴロ過ごす。汗でくっついた砂を取るために海に入り、上がってきて横になるとまた砂がくっつくのを取りに海に飛び込むという無限ループを繰り返したり。それからプール。大きい浮き輪に乗っかってひたすらプカプカしながら、「暑いなぁ〜」と呟いたりする。それからサンベッドに横たわって読書でもするかと思いながら、1ページ目で挫折するのも夏だなぁと思います。それとビアガーデン。飲んだ先から汗でビールが出ていくような暑い夜にはビアガーデンで飲むジョッキのビールと枝豆が最高だったなぁと思います。それからビーサンに短パン姿で夜の街をうろうろ歩きながら、知り合いに偶然会ったりして、そこから馴染みのバーなんかへ移動するうちに人数がどんどん膨れ上がってきて、夜明けまで何の意味もなく飲むというのも実に夏らしいですし、そこから千鳥足で家路につきながら途中で見かけるベンチがとても魅力的に見えて、あぁちょっと寝っ転がりたいなぁ、今なら季節は寒くないから死なないしなぁ…なんて思うのも実に夏らしい。野外のライブで汗をかきながら飛んだり跳ねたりしながら大声で歌うのもザ・夏ですし、そういうことを思い出すと、普通の夏としてこういうことが出来たのはもう2年前のこと。今年もこの先無理でしょうから、上手くいっても来年までそんな夏は来ないわけです。もうまるで4年おきのワールドカップのように空いてしまった夏。短い幼少期や青春時代を今過ごす子供達のことを考えると本当に可哀想だなと胸が痛みます。小さい頃の夏の思い出、修学旅行だったり家族で行く海水浴だったり、友達たちと虫取り網片手にカブトムシを探し回ったような思い出が作れないというのは本当に残念なことですし、僕にとってはそういうのが一生の思い出ですからなんとかしてあげたいなと思うんですけど、ただ、この夏がないっていうのはなにも子供たちだけではなくて、あらゆる年代の人にとって残念なことです。特に僕ら40代後半組にとっては残り少ない、まだ体がバリバリ動く貴重な夏が失われてしまいました。来年になったら老眼がさらに進んでレコードのラベルがいよいよ読めないかもしれない、色んな古傷も以前より確実に痛むようになってきていますし、そんな中で貴重な夏を無駄にするっていうのは本当に切ないことです。



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そうやって考えていると花火をずいぶんと見ていないなということに気付きました。夏といえば花火じゃないでしょうか?僕が若い頃は二子玉川で行われる花火大会といえば若い子たちがこぞって繰り出し、その後の夏休みを薔薇色に過ごせるかどうかを必死に試す夜だった気がします。あとはもちろん神宮の花火大会で、普段見ることのない浴衣姿の彼女をみて惚れ直す男の子たちの姿が原宿から青山までたくさん見かけられました。青山墓地の中を走る細い道を手繋いで歩く若いカップルや、小さい子供を肩車して歩く家族の姿。見上げた夜空に開く花火というのはその年、そしてその年の夏を記憶に刻む大切なものでした。それがもうずっと無いっていうのが残念だなと思うんですが、花火っていうのは日本だけではなく海外でも夏になるとたくさん上がります。随分と色んなところで見ましたが、なぜだか1番よく覚えているのがもう10年くらい前になりますがニューヨークで見た花火です。あれはうだるように暑い7月の独立記念日の日でした。雲ひとつ無く、風さえ吹いていない暑い暑い夏の日。撮影の仕事が終わり、スタッフのみんなと、そしてニューヨークの友達を集めて早い時間から夕飯を食べました。ネグローニやフローズンマルガリータなんぞを日が暮れる前から飲み出してちょうどいい感じに酔っ払った時に友達が、「今日は独立記念日だから花火が上がるぞ。俺の家はでかい屋上があって登れるから、みんなで花火を見よう」と。そして僕らは各々酒屋へ行ってシックスパック、もちろん腹筋じゃありませんよ、6本入りのビールのことをシックスパックと言うんですが、それを買ってソーホーのど真ん中にある友達のアパートの屋上へ上がりました。熱い日差しに1日中照らされて、屋上は日が落ちてもまだその熱を含んでいました。それぞれが好きな場所を見つけて寝転がり、そのポカポカと暖かい屋根の上でビールを飲みながらニューヨークの夜空を眺めて騒ぎました。すると花火が1つ、2つと遠くの空に上がり始めました。すっかり酔っ払って大声で話していた誰もが最初は歓声を上げましたが、やがて黙ってずっとその光景を無言で眺めていました。きっとこれからの夏に想いを馳せていた者もいたと思います。仕事がひと段落したなぁ、次はなにしようと考える人も。僕は過ぎ去った昔の夏を思い出していた気がします。そしてこんな友達と過ごす、なんでもないような夏の日の夜がずっと続いたらいいなぁと。まさか絶対大丈夫だろうと思ったそんな日が出来なくなるとは全く思いもよりませんでしたが、来年の夏こそはそんな日が再びやってくることを願いましょう。ただビールを飲んで騒いだり、ぼんやりと夏の夜空を眺められる日々を。