ON AIR DATE
2020.11.08
BACKNUMBER
  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54

★★★★★★★★★★

訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・

<ahref="https://antenna.jp/articles/9136867">魅力たっぷりな地中海リゾートの歴史と世界遺産<心ときめく楽園イビザに恋して1>


★★★★★★★★★★

TUDOR logo

Theme is... Cafe Del Mar


『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。


★★★★★★★★★★

番組前半はリスナーの皆さんから手紙、ハガキ、メールで
お寄せいただいた旅のエピソードと、
その旅に紐付いたリクエスト曲をオンエア!
選曲のオーダーや悩み相談にもお答えします。

後半のテーマは「カフェ・デル・マー」。
地中海に浮かぶ楽園イビザ島にある伝説のカフェ・・・
憧れ続けて初めて訪れるまでのエピソード。
レジェンダリーDJのホセ・パディーヤの訃報を受け、
訓市が彼から学んだこと、対面した時のエピソードについて語る。



★★★★★★★★★★

番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
「旅」に関する質問、「旅先で聴きたい曲」のリクエストでもOK!

手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
メールの方は番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからのメッセージ&リクエスト・・・ お待ちしてます!!


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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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2020.11.08

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Black Friday / Steely Dan

2

Put Your Arms Around Me (Autumn Breeze Mix) / Texas

3

Can't Say Good-Bye To Yesterday / Carla White

4

Walk On By / Bobby Caldwell

5

何もきかないで / 荒井由実

6

Sueno Latino / Sueno Latino

7

Moment Scale (Remix) / Silent Poets

8

Estelle / A Man Called Adam

9

La Mar / Jose Padilla

2020.11.08

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。


Kunichi was talking …


★★★★★★★★★★

静かな音楽とかをアンビエントと呼んでいますけど、そういった音をまったりと聴くという行為を“チルアウトする”と呼ぶようになったのはいつからでしょうか? チルアウトするっていう言葉がすごく一般化しましたけど、チルするための音楽とはカテゴリー分けなど出来なくて、ヒップホップがかかろうがクラシックやオペラがかかろうがなんでもいいというものです。そういうチルアウトという行為を教えてくれたのがKLFの名盤「CHILL OUT」とホセ・バディーヤがミックスしていた『Café Del Mar』というコンピレーションCDでした。KLFの曲は番組で以前放送したことがあるんですけど、色んな場所で録音された電車の音とかラジオといったものが無許可でサンプリングされたエルヴィス・プレスリーやヴァン・ヘイレンの音とごっちゃまぜにミックスしていて、すごくチルなのですが絶対に寝れない音楽ジャーニーという感じの音源だったんですけど、それに対してホセのはイビサってこんなにオシャレというかロマンチックな音楽を聴きながらサンセットを眺めるのかと、そんな印象でした。とにかく気持ちの良い音で、こんな音楽が流れながら日が沈む地中海のカフェにいつか行きたいと思ったものです。ヨーロッパを旅している時に最初にイビサに行った時、その島に住んでいたヒッピーの友達が住んでいた山奥の古いコートハウスと言うらしいんですけど、玄関の木製ドアが2〜3メートルあるような古い建物で、そこから移動するには山道を延々と歩いてどこかでヒッチハイクでもしないとどこにも行けない感じの場所でした。「カフェ・デル・マーに行ってみたい、連れて行ってくれ」と言うと、その地元の友達たちは皆「あそこはもう観光客だらけでダメだ。あんなコマーシャルな場所より、島の裏側のビーチでみんなで一緒にサンセットを見よう」その一点張りでだれも連れて行ってはくれません。まぁそんなものなのかなとそのうち諦めてしまいました。イビサ島というのは玄関口であるイビサタウンとサンアントニオというのが2つある大きな街で、そこに色んなクラブがあったりレストランがあって観光客でごった返すんですけど、昔から住んでいるアーティストやヒッピーのような人たちは大体島の中央部の山に住んでいたりして、なるべく街に近寄らないようにしていたのです。シークレットスポットの崖から見る夕日や洞窟で暮らしたりと、普通の観光だったら行けないようなところにたくさん連れて行ってもらい本当に愉快な時間を過ごしたんですけど、どんなに否定されてもカフェ・デル・マーに行ってみたいな、そしてそこでホセのプレイを聴いてみたいとずーっと願っていたんですが、とうとう最初に行った時は叶いませんでした。


★★★★★★★★★★

ホセのミックスというのは本当にノンジャンルで、チルアウトというのに決まりやルールというものが無いということでした。若い頃は結構ジャンルにとらわれがちでした。それは音楽だけじゃなくて、あらゆることにおいてそうだったと思いますが、音楽でも例えばパンクを好きといったらひたすらパンクばかり聴きますし、自分でミックス・テープを作るとしてもそこに他の要素は足したりしませんでした。DJのミックスCDを買うにしてもそれはテクノだったらテクノというように、どこかちゃんとジャンル分けされていました。それがホセの『Café Del Mar』シリーズのCDにはそういうものがありませんでした。なんならば先ほどのSueno Latinoのようなテクノとボサノヴァのような音が重なり合って収録されている。気持ちよければなんでもいいというのは実はとても衝撃的なことでした。初めてイビサに行ってから翌年、今度は違う友達ができてその人を訪ねてイビサに行きました。フリーマーケットで物を売っていたのでボロい小さなトラックに乗っていて、ある日「ちょっと用があるから付き合えよ」と、そのトラックの荷台に乗って出掛けました。確か白い小さな家だったと思いますが、そこに行くとちょっとおでこの広くなった味付け濃い目のおじさんが1人で住んでいました。中に入れと言われて家の中に入ると、カフェ・デル・マーのゴールドディスクだったかな? なにかちょっとしたグッズのようなものがあって、それを見ていると友達が「そうそう、ホセはそこのDJだったんだよ」と。僕はカフェ・デル・マーのお店に行く前にホセの家に来てしまったわけです。短い間でしたがとてもいい人で、僕はそのあと念願叶ってカフェ・デル・マーに行きました。確かに似たようなカフェが隣に立ち並び観光客だらけでしたが、本当に良いサンセットを見ることが出来ました。みんなカフェ前の岩場に座って水平線の方を眺めています。DJはその頃はもうホセではなかったのですが、それでも空と海の青が綺麗過ぎて、ぶっちゃけ何がかかっても良く聴こえました。その後、知り合いの日本のオーガナイザーがホセを東京に呼び会った時に、「実は僕、ホセに会うのは初めてじゃなくて、家に行ったことがあるよ」と言うと彼はとてもびっくりしていました。それから何度も会いましたし、良い音楽をたくさん聴かせてもらいましたが、先日ガンで亡くなってしまいました。色んな環境で彼の音楽を聴きましたが、景色の良い場所で気持ちの良い音楽を聴くならどんなジャンルの音楽でも、どんな並びでも良いと教えてくれたのがホセだったような気がします。本当は大きなボリュームで聴ければ最高ですけど、ヘッドホンでも、海沿いの駐車場に車を停めて夕日を見ながら好きな音楽を聴くのでも構いません。僕もどこか近場の海に車で出掛けてホセの音楽をそこで聴いて追悼したいなと思っています。なんですかね、この番組ってなるだけゆるい音楽を、なるべく色んな年代の色んなジャンルのものをリスナーの皆さんに届けて旅気分っていうのをテーマにずっとやっていますけど、そういう考えが浮かんだ1つっていうのも多分ホセの音楽を知ったからだと思うんですよね。たくさんコンピレーションが出ていますし、オリジナルの音源もありますので、ぜひ皆さん聴いてみてください。