ON AIR DATE
2019.12.01
BACKNUMBER
  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54


★★★★★★★★★★

訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・

日本のシティ・ポップは、なぜ世界中のリスナーを虜にしているのか?

★★★★★★★★★★

TUDOR logo

Theme is... 山下達郎

『Travelling Without Moving』=「動かない旅」をキーワードに、
旅の話と、旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。


★★★★★★★★★★

番組前半はリスナーの皆さんから手紙、はがき、メールで寄せられた
旅のエピソードと、その旅に紐付いたリクエスト曲をオンエア!
さらに、お悩み相談や選曲のオーダーにもお答えします。
訓市の“質問返し”にもご期待を!

後半のテーマは「山下達郎」。
訓市が10歳の頃にレコードで買った初めての日本人アーティストで、
それ以来、ブランクはあったものの今に至るまで聴き続けている
唯一無二の存在である山下達郎・・・
先日、久しぶりでライブに足を運び、そのパフォーマンスを見て聴く中で
かつての様々なシーンが頭に浮かんで時間旅行した体験を語ります。


★★★★★★★★★★

--- 冬のメタル・バラード again!---

日頃はあまりセレクトする機会がない「メタル」・・・
その「バラード曲」限定で皆さんのリクエストを募集します。
リクエスト曲と、その曲にまつわるエピソードや思い出を書いて
番組宛てに送ってください。

前回の「冬のメタル・バラード」特集は
2017年1月8日にオンエアしました。
下の【BACK NUMBER】をチェックしてダブリ無しでお願いします。

なお、番組オリジナル図書カードのプレゼントは終了しました。
現在、次のプレゼントを製作中です。そちらもご期待下さい!
完成次第、番組でお知らせします。


★★★★★★★★★★

番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
「旅」に関する質問、「旅先で聴きたい曲」のリクエストでもOK!

手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
メールの方は番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからのメッセージ&リクエスト・・・ お待ちしてま〜す!!


_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


2019.12.01

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Bad Sneakers / Steely Dan

2

The King Of Wishful Thinking / Go West

3

The Same Love / The Jets

4

Skywriter / Art Garfunkel

5

世界の果てまで / 山下達郎

6

Sunny / James Brown feat. Marva Whitney

7

Day Dreaming / Aretha Franklin

8

(At Your Best) You're Love / The Isley Brothers

9

I Will Take Care Of You / William Bell

2019.12.01

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。



Kunichi was talking …


★★★★★★★★★★

年の瀬にふさわしいっていう感じだったんですけど、先日、山下達郎のライブを観に行ってきました。2008年にツアーが復活してから結構足を運びまして、今回で多分6回目だったと思うんですけど、毎回毎回、チケットの抽選が厳しくなっています。何しろ達郎さんは大きい箱でやりませんからね。去年と一昨年はもう諦めて応募すらしなかったんですけど、今回は僕の友達の中の有数の達郎フリークが風邪でキャンセルになった中野サンプラザの回のチケットを持っていた人でして、今回の渋谷公会堂公演っていうのはそれの振り替えだったものですから絶対当たるだろうと踏み、「ペア券のペアを俺にしてくれ」と頼んだところ見事に当たりました。まぁ最近はシティポップ流行りということで若い人にもとても人気ということでチケットがプラチナ化しているわけですが、キャリア40年以上の人が若いお客さんをまた新たに獲得して人気があるっていうのは素晴らしいことだと思います。とにかく素晴らしい楽曲に素晴らしい腕を持ったミュージシャン達の演奏。そして、しつこくも面白い達郎さんのMC。僕はレコードで買った初めての邦楽のアルバムは山下達郎さんの『Pocket Music』というアルバムです。従兄弟の車にあったカセットテープやスキーの合宿でリーダーが聴いていた『Big Wave』。なんて大人な音、そしてなんてアメリカンなジャケットと感動してハマったのが小学校のハナタレ時代です。それからあっという間にスケートボードやBMXにハマるアメリカのサブカルかぶれ少年になると逆に邦楽の商業ロックだと言われまして、隠れて聴いていたものですが、以来、何でしょうねぇもう35年ぐらい聴いているんでしょうか? もちろん途中聴いていなかった時期も長くありましたけれど、それでも長い付き合いです。達郎さんのライブというのは3時間半ぐらいあるんですけど、とにかくMCが面白い人で、今回何が面白かったかというと、新装オープンした渋谷公会堂に対しての文句を曲が終わってMCが始まるごとに言ってまして、それが本当に素晴らしかったですね。あそこは区の持ち物らしくて終演時刻が21時と決まって絶対押せないらしいんですよ。それに対しての文句なんですね。「こんなに素晴らしいのにダメって言うお役所は頭が硬い」とか「音は思ったより良くて、これからどんどん鳴る素晴らしい箱になると思うけど、いかんせん終演が早いからダメだ」とか。「是非またやりたいけど、僕は中野サンプラザに帰る。なぜなら21時に終わんなくていいからだ」っていうのを話していました。なんとなく自分の文句の言い方に近いものがあるんじゃないかと途中で気づきまして、ものすごくシンパシーを感じたんですけど、絶対にやるだろうなぁと思っていたのは21時前にぴったりと終わったと思ったら、勝ち誇った顔で一人で出てきてアンコールを続けまして、結局3時間半びっちりとヒット曲満載の素晴らしいライブを演ってくれました。


★★★★★★★★★★

達郎さんの渋谷公会堂ライブ、3時間半。今回の印象っていうのは本当に時間旅行のようだったということです。ヒット曲をたくさん演ってくれたっていうのがあるんですけど、それがいろんな時代の曲をやってくれまして、例えば、1番最初に買ったアルバム『Pocket Music』に入っていた「土曜日の恋人」。これはバブル直前の頃の「俺たちひょうきん族」というテレビ番組のテーマソングです。まだ週休2日の前、土曜日が祝日ではなくって学生は土曜日に学校があって、大人は会社に行っていた。「花金」なんていう言葉が出る前の頃です。バブル時代ということもあって土曜の夜の活気というのは物凄いものがありました。その日に遊んで日曜休んで、もしくはゴルフに行って月曜から働くあの頃のサラリーマンの人たちのバイタリティっていうのは凄いと思うんですけど、子どもの目にもそれが強烈でして、僕はこの曲を聴いてから友達の家に泊まりに東横線の渋谷駅なんかを通っていたもので、その時の情景が鮮やかに蘇りましたし、その後に「ドーナツ」という曲を演奏してくれたんですけど、それはまだ渋谷の公園通りにミスタードーナツがあった時の歌です。あぁ、友達と行ったなぁとか、あそこで会った女の子の名前は誰だっけとか、そんなことも思い出しました。そして定番の「クリスマス・イブ」。クリスマスはカップルのものだと世間が狂乱していた僕が10代〜20代前半のことを思い出しました。この曲はJR東海のクリスマスエキスプレスという新幹線の広告で脚光を浴びた曲ですけど、まぁ出てる女の子がみんな可愛くてですね、特に牧瀬里穂。「クリスマス・イブ」をバックにホームを走る牧瀬里穂を見た高校の友達は彼女を神様だと信じていまして、その後一度、渋谷で歩いていると1日署長をして制服を着て車のパレードをする牧瀬里穂を見かけたことがあるんですが、友達は「そのまま道に飛び出して轢かれて彼女に僕は逮捕してもらうんだ」と。何を言ってるんだって感じでしたけど、そんなことも思い出しましたし、奥様の竹内まりやが歌った「プラスチック・ラブ」。今では外国の人たちにも日本の70年代、80年代の高度な演奏、そして確かな録音技術の音楽は「シティポップ」と呼ばれて凄く人気なんですけど、達郎さんも「長生きしてみるもんだ」と言っていましたが、この「プラスチック・ラブ」はYouTubeでは2500万回も再生されてるらしいんですよ。これを聴きながら、10年前ですが僕のレコードバックの中にあるレコードだけでドイツから来た友達がDJをバーで始めたんですけど、その時のことを思い出しました。ヘッドホンで音出しをしていた彼が「これは誰なんだ!この素晴らしいレコードは何だ?!」って言って興奮してジャケットを見せてきたのが、カバンに入っていたのも忘れていた『Pocket Music』でした。良い音楽には国境も無ければ時間も超えてしまう。そしてその良いライブというのは、それを聴いていた頃の自分の感情とか記憶を一瞬で呼び戻してくれるタイムマシーンなんだなということを本当に実感するライブでした。箱が小さいので特に都内のライブは中々当たらないんですけど、好きな人は地方の公演にも応募して、その為に会社や学校を休んだりするらしいんですけど、そのぐらい価値のあるライブだと思います。是非皆さん応募してみてください。