ON AIR DATE
2019.10.13
BACKNUMBER
  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54


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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・

スティーブ・ジョブズとジョナサン・アイヴの夢は、永遠の環の中に完結した。iPhone 11に寄せて

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TUDOR logo

Theme is... アップルの発表会

『Travelling Without Moving』=「動かない旅」をキーワードに、
旅の話と、旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。


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---- 毎年恒例! 秋の「リンゴ」の新作発表会に足を運んで ---

前半は番組リスナーの皆さんから手紙、はがき、メールで寄せられた
旅のエピソードと、その旅に紐付いたリクエスト曲をオンエア!

後半のテーマは「アップルの発表会」。
米カリフォルニア州サンタクララのクパチーノにある
宇宙船のような新社屋「アップル・パーク」の中にある
「スティーヴ・ジョブズ・シアター」で開催された
アップルの新作発表会に出席した訓市・・・

お馴染みとなっているイベントながら、今年はいつもと何かが“違う”と
感じたこととは?
夕暮れ時の坂道を歩きながら思わず口ずさんでしまった曲とは?
訓市がアップルに魅力される理由について語ります。


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番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
「旅」に関する質問、「旅先で聴きたい曲」のリクエストでもOK!

手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
メールの方は番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからのメッセージ&リクエスト・・・ お待ちしてま〜す!!


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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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2019.10.13

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Freelance / Toro Y Moi

2

Kite / Nick Heyward

3

Love Someone / Lukas Graham

4

What Do I Do With My Heart / Eagles

5

Amazing Season / Maco Marets

6

Indian Summer / The Doors

7

My Foolish Heart / Bill Evans

8

Pink Sands / Sault

9

Lights / Clem Snide

2019.10.13

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。

Kunichi was talking …


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毎年恒例という感じですが、先日、再びアップルのキーノートへ行ってきました。ギリギリまで日程が発表されないというのも恒例なんですけど、まぁ実際は毎年9月の前半に行われるもので、世界中のメディアを呼んで大々的に新しい製品を発表する発表会です。アップルは新製品の発表っていうのを年に数度やるんですが、iPhoneの発表は必ずここで。以前は毎年違う場所でやっていたのですが、一昨年からはクパチーノにある本社、そこの「スティーブ・ジョブズ・シアター」で行われるようになりました。あのガラスで囲まれて柱が1本も無いという建物です。去年からは円形の宇宙船のような本社屋も完成して、いよいよ全てがアップルワールドの中で開催されるという感じになりました。本社のあるクパチーノというのはサンフランシスコの南にありまして、ここはもともと果樹園だった場所らしいんですけど、ほとんどの人がより近いサンノゼあたりのホテルに泊まるのですが、わがままな僕は「サンフランシスコじゃなきゃ嫌だ」とホテルを変えてもらってノースビーチの近くに泊まりました。ノースビーチには先週お話したビート文学の作家、ケルアックたちがたむろしたり、詩の朗読をしたり、本を出版した「シティ・ライツ・ブックストア」という名物書店がありますし、その斜め前にはフランシス・コッポラのやっているカフェ「ゾエトロープ」もありまして、古い雰囲気、サンフランシスコの感じが残っていて僕はとても好きです。朝着いたのでうろうろと近場を散歩して、夜はシスコの友達とちょうどライブで来ていたマッシブアタックのみんなとご飯を食べることになりました。古いもの好きの懐古主義と思われていまして、「今日の夕飯は丘の上にある古いホテルの1階にあるさらに古めかしいレストランを予約したぞ」と言われまして、調べたら自分の宿から歩いて30〜40分の場所でしたので坂道を登りながら1人そこまで歩いて行きました。まぁこういう時の景色がサンフランシスコって本当に綺麗で、道を登りながら脇道を覗くとオレンジ色に輝きながら地平へと落ちていく夕日が必ず見えます。それをワンブロック超えてまた横を見るとさっきより少し低くなって、暗くなった夕日が見える。夢中になって振り向いて歩いていくうちに丘に着く頃にはすっかり夜になっていました。この時に僕はジャーニーの「lights」という歌を思い出してヘッドホンでそれを聴きながら大声で歌って歩いていたんですけど、この歌はシスコについての歌で本当は夜明けの歌なんですけど、ツアーに出て自分の家に、街に帰りたいっていう歌なんですが、サンフランシスコにとてもよく合います。行く人がいたら是非聴いてみてほしいんです。着いたレストランはいつもは混んでいるらしいんですが、改装中とのことでひとけがあまり無くて、歳をとった白人のピアニストが寂しいジャズを演奏していて、それが逆に自分がどこにいるんだか分からないような素敵なムードを醸し出しまして、楽しく食事をしてマッシブアタックの昔の話を色々掘り出して、「あの辞めたメンバーはどうしてるんだ?」とか「最近、音は作ってるのか?」とか、「そろそろ一緒にDJパーティをやろう!」なんていう話をして、次の発表会に間に合うようにその日は自制して帰りました。



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当日の朝っていうのは車でクパチーノに向かうんですが、いつもは1時間かからないんですけど渋滞で1時間半以上もかかってしまって、わりとギリギリに会場に着きました。初めての人だったらここでパニクると思うんですが、もう慣れたもので、降りてすぐ、「ああ、カフェテリアに行けば良いんでしょ? そこで待ってれば良いんでしょ」と、もう毎年のことです。ところが何か違うなあ、何だろう。それは今年の初頭の番組でも話しましたけど、アップルで20年以上働いていてずっといろんなことをサポートしてくれたポールがいないっていうことでした。だいたい毎年、このカフェテリアでニコニコとして出迎えてくれて一緒に会場に行ったりしていたんですが、当たり前だった人がいない。けれどもいないなりに着々と進んでしまうその発表会っていうのになんだかとても悲しいというか、時間は止まらないというかどんどん思い出を置き去りにしてしまうんだなぁ〜と思いながらシアターに入りました。中に入るとアップルの役員としては今回が最後になるデザイナーのジョナサン・アイブがニコニコして立っていました。「最後の会なんだから、少しは感傷的なんじゃないの?気分はどう?」と言うと感傷的どころか「最高だよ!」と親指を立てられて返事してきました。辞めると言っても外部デザイナーとして今まで以上にデザインに取り掛かると言っていましたし、寂しいというより20年以上やってきてほっと一息というところなのかもしれません。なにしろジョブズが亡くなった後、アップルといえばジョナサン・アイブっていうプレッシャーを一身に受けていましたから、なんか久しぶりにこんな笑顔のジョナサンを見るなぁという感じでした。発表会は最初、ゲームや新しいサービスの「Apple TV+」などが発表されて、毎度のことながらロックコンサートのようなどよめきが起こります。そして「Apple Watch」。完全に健康を守るためのツールとしても認識されていて、Apple Watchのおかげで心臓発作を未然に防いで命が助かった人たちからの感謝のビデオがたくさん紹介されていました。僕は腕時計を絶対しない派で、時計など欲しいと思ったことは無いんですが、その心音を毎日記録してくれて異変があるとすぐに教えてくれる機能があるApple Watchっていうのは結構欲しいというか興味津々で全部ビデオを見てしまったんですが、と言うのもきっとそろそろそういうのが気になる歳なんだからだと思います。そして真打iPhone。今までが前座だとしたら、これこそメインアクトでして、数字の説明でもいちいち観客が「おお…」とどよめくのを見ているのは本当に面白いです。カメラが異常に綺麗になっていて、尚且つものすごく広角で撮れるのでやっぱり新しいのにしようと決心してホテルに帰りました。夜はジョナサンの慰労パーティで、LCDサウンドシステムのジェームス・マーフィーがDJとして来ていたので、これはもう本当に楽しかったですね。普段はニューヨークか、もしくは東京でしか会えないので、互いにとってアウェーの街で会うというのはすごく楽しくてですね、夕方6時からまずワインを飲んで「お気に入りのレストランがあるから牡蠣を食べに行こう」と誘われて飲み終わったのは朝5時近く。6時過ぎにはホテルを出て空港に向かいましたから、結局いつも通りのホテル代を払う意味があったのか?な旅でした。