ON AIR DATE
2018.03.25
BACKNUMBER
  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54



☆☆☆☆☆☆☆☆

訓市がantenna*からセレクトした記事は・・・

米・マリブの絶景を独り占め。Airbnbで見つけたキャンピングカーSTAY/a>


TUDOR logo

Theme is... Malibu

『Travelling Without Moving』=「動かない旅」をキーワードに、
旅の話と、旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。


★★★★★
番組前半はリスナーの皆さんから送られた
手紙、ハガキ、メールをまとめてご紹介!
旅のエピソードと、その旅に紐づいた曲をオンエアします。

後半のテーマは「マリブ」。
先日訪れたロサンゼルスで10年以上振りに偶然出会った
旧友とのユニークなエピソードについて語る。
人っ子一人いないカリフォルニアの「マリブ・ビーチ」で
夕日を眺めた訓市は何を思ったのか?


★★★★★
番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。

手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
メールの方は番組サイトの「Message」から送信してください。

リクエスト曲がオンエアされた方には番組オリジナル図書カード、
1000円分をプレゼントします。
皆さんからのメッセージ&リクエスト


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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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2018.03.25

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Bitter Sweet Symphony / The Verve

2

I Dare You / XX

3

Alison / Slowdive

4

Tangerine / Led Zeppelin

5

Baby Once More / スーパーカー

6

No Other Heart / Mac DeMarco

7

Africa / D'Angelo

8

Into Dust / Mazzy Star

9

Thugz Mansion / 2Pac feat. NAS

2018.03.25

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。



Kunichi was talking …


★★★★★★★★

マリブ。先日久しぶりにロス、それからサンフランシスコに行ってきました。雑誌の取材で今回は西海岸にある色々なオフィスを訪ねたのですが、まあとにかく車での移動がすごく多くなりました。最近ロスに行くときはいつも友達の家に泊まっていたのでホテルに滞在するのも久しぶりで、なんだか勝手が違うので違う街にも感じました。今回もいろんな出会いとか古い知り合いとの偶然の再会がありました。最初に行った映像制作会社で突然「よう!」と言われ、ニューヨークの古い知り合いに偶然出会いました。最後に一緒に遊んでから、もう20年はとうに過ぎていました。思い出深いのは、とあるハロウィーンの夜です。当時はまだリーマン・ショックの前で、NYのダウンタウン「ローワー・イーストサイド」というあたりがまだ若いアーティストとかミュージシャンとかモデル崩れとかであふれていて、至る所でパーティーをしているとても楽しい時代でした。その日はハロウィーンだったので路上は訳の分からない人たちでいっぱいでした。そこからブルックリンで何かがある、ミートパッキングで何かがある、と地下鉄で移動したんですけどその時の電車が今でも思い出深くて、何しろ普通の人が1人もいないんですよ。ホームでも全員コスチュームで、頭から血を流しているメイクの人やコンセプト不明のニワトリのような人とか沢山いました。その電車自体がアトラクションみたいだったんですけど、その晩の始まりに今回ロスで会った友達に会ったんです。かなり本格的な全身コスチュームでバットマンの格好をしていて、「よう、お前いつからニューヨークにいたんだ?」って声をかけられても顔が見えないんで分からなくて最初「誰だお前?」ってなりました。その時彼は低い声でしっかりと話をしていたんですが、その後いろんな所に流れて行くうちに彼を見失い、明け方にどこかのロフトのパーティーに流れ着いた時に再びはぐれていたバットマンと出会いました。今度は挙動がおかしいんですよ。酒もいろんなところについていて、なんというか、ズタボロ、みたいな(笑)。しかもロフトの出口辺りを1人でふわふわさまよっている感じで「どうしたスーパーヒーロー」って言ったら「財布がない」と。要するに身分証明書も全て無くしてしまってヒーローの格好をして家にも帰れず出口でフラフラしていたわけです。僕は友達といたので持っていた現金を全て渡して「これで帰れ」と言ったんですけど、見ていたら路上に出たけど歩き方も千鳥足で怪しいですしタクシーには乗車拒否されていましたし、どうやって帰るのかなあと見ていたのが最後だったんです。それがロスではディレクターとしてバリバリ働いていて、「覚えてるか?俺は覚えてるぞ、あの時を。お前のおかげで俺は家に帰れたんだ」と、そんな話をして大笑いをしたんですけど、ずいぶんバカな2人でしたけど10何年経って少しは前を向けて歩けているのかなあという話になりました。


★★★★★★★★

ロスは3月なのにとても寒くて、朝は2〜3度しかありませんでした。実際はほぼ砂漠気候のところなので朝晩、日陰はものすごく冷えます。ただ、冷えた青い空の景色を車の窓から眺めていると、とても透き通った気分になるというか、夏に感じるロスの青空と違ってこのまま永遠に走り続けてもいいんじゃないかという気になりました。まあ、実際ぼけーっと助手席で目の前の景色を1時間、2時間と見ていると、背の高いヤシの木が、ロードサイドの看板が、点々と立つ街灯の柱が現れては後ろに消えて行く。目の前に見える景色が未来で、サイドミラーに映る景色が過去。ロスで車に乗って景色を見ていると、時間とは一方通行なんだなあと考えずにはいられませんでした。今回もロスの中を色々移動したんですが、一番良かったのはマリブに住む古い友人を訪ねた時です。マリブは海沿いの高級住宅地で、ゲートをくぐって中に入るとビーチフロントの人はプライベートビーチのように浜が広がっている、サーフポイントとしても有名な所です。そこのビーチに行ったところ、季節外れで週末ではなかったので人が誰もいないんです。高級住宅地と言ってもずっとそこに住んでいる人は少なくて、多分、半分くらいはハリウッドとかの高級住宅地に大きな家を持っていて夏の間だけこっちに来るとか、特にこの時期は週末に来るという人が多いみたいです。こんなに綺麗な浜でこんなに美しい夕日を有名なマリブで。他に誰もいないんですよ!本当に綺麗でした。ビーチの先端にある岬のはずれに太陽がちょっと引っかかるくらいだったんですけど、ちょうど長い波が寄せては返してそこに斜めの太陽が反射して波打ち際が鏡のようになってまして、空は本当に澄んだ青空で反対側の空にはちょうど満月が浮かび上がっていました。空の上の方を見るとカモメのような鳥がつがいで飛んでいまして、今もし何かあって死んだとしても後悔はないな、という瞬間でした。その日は友人の家で夕飯をご馳走になって次の日は夕飯の席にいたビースティー・ボーイズの【マイクD】の家へ行きました。彼とは去年、日本でも会ったんですけど、今回の方がゆっくり話す時間があって、彼の家も別件で取材しようかと思って行ったんですけど、マリブの近くに住んでいてすっかり健康になっていました。サーフィンにハマってヨガもして広い庭のある素晴らしいお家に住んでいて、まあこんな所、ニューヨークじゃ絶対ありえないよなあ〜という感じでした。最近、僕の周りでもニューヨークからのの移住組が多くて、やはり青い空と広い庭・・・朝まで飲んでタバコを吸ってという生活にうんざりした人たちがみんなカリフォルニアに行っているのだと思います。僕もちょっとはいいなと思うんですけど、1週間が限度ですね。午前1時にはみんな家に帰ってどんな日でも朝早く起きて、車で会社まで1時間とか。もう想像しただけで絶対無理っていうか、たまに行くからロスはいいのかなと思います。ただ【マイクD】の家で庭を眺めながらリビングでレコードを聴いたんですけど、そうは言っても、やっぱりこういう時間は羨ましいなあと思ったりもしました。何もチルな居心地のいい音楽を聴くわけではなく、彼が10代の時に買った「ブラック・フラッグ」とかパンクのレコードが無造作に置いてあってそれを聴いたりもしたんですけど、環境が良すぎて「ブラック・フラッグ」でさえチルに聞こえてしまうという(笑)。まあ、僕もそろそろ年なのかなあと。夏の間、誰か余っているビーチ沿いの家を持っている人がいたら是非ご一報ください。ターンテーブルとレコードを持って伺いたいと思