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2015.02.08
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    EVERY SUNDAY 20:00-20:54

theme is CLIFF

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Theme is... CLIFF

テーマは「崖」

リスナーの方から頂いたメールをもとに
世界各地の「崖」に注目!
野村訓市が訪れた「崖」の体験談、
そして、最先端の地で聴いた音楽を
お届けします。



2月8日・日曜日の夜8時から・・・
check it!!!

★★★★★
番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージを
お待ちしています。

番組サイトの「Message」から
送信してください。
また、ハガキ、手紙も大募集!

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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
Antenna TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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スタッフ一同、お待ちしてます!!!

2015.02.08

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

At The River / Groove Armada

イギリスのエレクトロニカ・デュオ、グルーヴ・アルマダが1997年にリリースした曲で、アメリカの女性ポップ・シンガー、パティ・ペイジの曲「Old Cape Code」をサンプリングしています。「Cape Cod」とは米マサチューセッツ州の東端にある「半島」の名称です。

2

The Lady In Red / Chris De Burgh

クリス・デ・バーはアルゼンチン生まれで、国籍はイギリス、そして、アイルランドをベースに活躍するシンガーソングライター。1986年にリリースされた この曲は彼にとって最大のヒットを記録しています。

3

(They Long To Be) Close To You / The Cranberries

アイルランドの4人組ロック・バンド、ザ・クランベリーズ。この曲は1994年にリリースされたカーペンターズへのトリビュート・アルバム『If I Were A Carpenter』に収録されています。なお、バンドは2003年に解散しています。

4

Alone Again (Naturally) / Gilbeer O'Sullivan

アイルランド出身のシンガーソングライター、ギルバート・オサリバンの代表曲で、リリースは1972年・・・全米を始め世界で大ヒットを記録しました。

5

Katy Song / Red Hot Painters

米サンフランシスコで1989年に結成された4人組のオルタナティヴ・ロック・バンド、レッド・ホット・ペインターズ。日本での知名度は余り高くありませんが、アメリカではカレッジ・ラジオを中心に人気を得ていました。

6

Luz De Hielo / Elena H.

訓市が「イビザ」や園周辺の島にいた頃、現地で流行っていた曲で、彼はこの曲を聴くと今でも「イビザに逃げたい〜」という気持ちになるそうです。

7

Room With A View / Henri Salvador

フランスのシンガーで、ボサノヴァ、ジャズ、ポップス、ロックなど様々なジャンルの作品をリリースした国民的アーティスト、アンリ・サルヴァドール。80歳代にレコーディングされたアルバムのタイトル・トラックで、アンリは「英語」で歌っています。訓市曰く、「崖沿いの景色のいい部屋から外を見るっていう雰囲気が感じられる曲だと思います」とのこと。

8

One On One / Hall & Oates

ダリル・ホールとジョン・オーツの2人によるデュオで、「ブルー・アイド・ソウル」と呼ばれる白人によるソウル・ミュージックが魅力!1972年にデビューし、1980年代前半は全世界的に人気を博し、ヒット曲を連発しました。「One On One」は彼らが絶頂期にあった1983年の作品です。

2015.02.08

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。

Kunichi was talking...

★★★★★★★
崖。日本は島国ですから海沿いに崖もありますし、山にも崖があるんですけど、ここで小さい崖について話してもしようがないので、大きい崖について話してみたいと思います。僕が見た崖で1番大きいのはやっぱり「グランドキャニオン」ですかね。最初に見たのは20年近く前になります。サンフランシスコにいて、新聞広告で見たフォルクスワーゲンの古い、屋根が白で、横が水色のバンがあるんですけど、よくヒッピーが乗ってたクルマですね。どうせ旅をするなら形から入るタイプなので、フォルクスワーゲンじゃないとダメだと思って探したところ、450ドルで見つかりまして、それを150ドルくらいかけて改造して、旅に出たことがあります。アメリカって大きいので来る日も来る日も景色が本当に変わらないので、最初のうちは喜んでたんですけども、この無限地獄から出してくれ?みたいなね。どこへ行っても荒れ地ばかりみたいなところを通り抜けて、「グランドキャニオン」についた時には本当に嬉しかったですね。何日かかったのかなあ。スピードが出ないバンだったので、大変でしたけどね。カーステレオも付いてなくて、音楽が聴きたかったらウォークマンで聴くか、ギターを弾いてクルマの中でみんなで大声で歌ったりして、旅をしました。
「グランドキャニオン」ですが、朝日の時間が1番綺麗でして、朝日が崖に当たって、それから谷間に落ちると陰影が全部浮かび上がってくるんですよね。それが本当に綺麗で、その上を鷲か禿鷹かわかりませんが、大きく飛んでいます。時間が経つのも忘れて眺めるというのはこういう時のことを言うのだと思います。あんまり綺麗なので物足りなくて、次の日、野宿をしました。友達と二人で寝袋を持って、本当に崖の近くまで行って、そこにマットを敷いて。寝返りを打ったら落ちちゃうみたいなところで一晩過ごしたんですけれども。絶対夜明け前に起きなきゃと思って寝てたんですけど。夜明けの本当に寸前で、最初の光が地平線から出る寸前に急に目が覚めて、上をパッと見たら光って動く点があるんですよ。寝ぼけていたので何だか全然わかんなくて・・・しばらく見てたんですけど、ようやく頭が動いてきて「あ!UFO!」みたいな。もうびっくりしまして。隣で寝ていたアルゼンチン人の友達に蹴りを入れて起こして上を見ろ!って。彼も同じリアクションでしばらくボケーッとしてて、何秒かしてから「あ!UUUFO!」みたいな。誰も気が利いたことが言えないんですね。そういう時って何もできないんですけど、慌ててその頃の写ルンですかなんかで写真を撮りました。キャンプに戻って地元のレンジャーに声をかけて「俺UFO見たよ!すごいでしょ!」って言ったら、「まあ、あの辺よく出るよ」って。全然リアクションをくれなくて悔しかったんですけど。僕はまだその写真を大事に持っています。
何の仕事だったかな。矢追純一さんていうUFOで有名な人に会って、得意げに「僕はUFO見ました」って言ったんですけど。当然その答えっていうのは「まあ多いですからね?」みたいな。UFO好きな人っていうのはあんまりそれでは喜んでくれないんだなっていうことをその時に学びました。

★★★★★★★
世界の崖。僕もアイルランドの「モハーの崖」に行ったことがあります。これは雑誌の仕事でアイルランドをほぼ半周したのかな。観光局の人たちも手伝ってくれまして、クルマで移動しながら全部見たんですけど、モハーの崖というのは自然のままある崖でして、一番高いところで200mくらいあるのが左右どのくらいあるんでしょうね。ちょっと想像つかないくらいもう何キロもある崖でして、自然のまま残そうというのがあるらしいので、一番の観光スポットの一つなんですけど手つかずなんですよね。なので手すりとかも何にもなくて淵まで歩いて行けます。海まで眺めることができるんですけど本当に綺麗で、もしアイルランドに行く人がいたら是非行ってみてもらいたいんですけど。ただ、高所恐怖症の方は絶対に行けないですね。もう本当におっかないですよ。いろんな観光客が崖の方に行って「イエーイ!」みたいに撮ってるんですけど、見てるこっちがびくびくするようなとこでした。風が強いので面白い写真は撮れます。風速何メートルくらいあるんでしょうかね。僕もカメラマンの人と一緒にいたので、前傾姿勢で「Smooth criminal」のマイケル・ジャクソンみたいな写真をナチュラルに撮りましたね。斜め45度みたいな。もしくはスキーのジャンプの「俺は船木だ!」みたいな写真もばっちり撮れました。
アイルランド。人もなんだかいいですね。やっぱり日本人と少し似ているところがあるというか、日本は東の果てで、アイルランドは西の果てです。どちらもすごい古い国で神話もあるし、四季もあります。なので行間を読んでくれるというかとっても温かい人たちで。何度かパブにも行ったんですけど、酔い方がいいですね。新橋のおじさん達みたいな。肩組んで一緒に歌うっていうか。住んでみてもいいのかなってちょっと、思いました。

★★★★★★★
崖。考えてみたら僕もすごい崖フェチだったっていうことに気がついたんですけど。住んでたイギリスにもいい崖がありました。有名なところだとドーバー海峡の「ドーバー」があります。ここは真っ白い崖が続いてとても美しいんですけど、ここの場合は崖を眺めに行ったわけではなくて、イギリスの友達とその崖の上でフリーパーティーをやりまして。景色が見える頃にはへべれけになっていてあんまり覚えていないんですけど。その後に見に行った時に「ああ、なんて綺麗な場所だったんだ」って気付きました。水平線をバックに音楽と踊るっていうのはすごく楽しくて、青春の思い出です。帰れるものなら帰りたいですね。
崖といえばポルトガルに有名な「ロカ岬」があります。ここも崖なんですけど。なんで行ったのかなあ。ユーラシア大陸の最西端の岬であることで詩人のカモンイスが読んだ詩の一節、「ここに地終わり海始まる」というのがすごく素敵な気がしてどうしても行きたくて行きました。最果ての地って言われるとものすごく弱いんですよね。端に行ってみたいというか。これ以上先がないっていうところに行くとすごく「もう端に来たから俺は安心だ」というか。これ以上この方向に行かなくていいんだっていう。海の向こうはアメリカなんだって感慨に耽ってたんですけど。アメリカを思うなら行けばいいのにと今は思いますけど。今でも好きですね。
あと、ノルウェーのフィヨルドなんかも行きましたけ。船に乗って両脇崖で。すごくきれいですね。船の周りの人たちがリタイアした観光客とかで「Wonderful!!!」みたいな感じで崖を激写しまくってて。その時は「なんだよ」って引いてたんですけど、後で考えてみたらすごい綺麗だったなあとか。それからイビザ島。聞いたことある人だとパーティーアイランドで、ヨーロッパ人の若い子たちがしっちゃかめっちゃかやってるって思うと思うんですけど。そういう場所は確かにありますが島のごく一部でして。島の反対側に行けば昔ながらの古い地中海の島の小さな漁村みたいなのがあります。西側かな、全部崖なんですけど、有名な洞窟もあってサンセットポイントがあります。僕はよくそこに行ってましたね。
フランス人のモネだかマネだか忘れましたけど、彼の子孫がイビザの崖一体の山を持ってまして。そこで出会ったドイツ人の建築家っていうのが山を一つ買って崖に本当に家を建ててたんですよ。家の壁が崖の岩で、あとは180度全部ガラス張りで外が見えるっていう。そこでワインなんか飲みながら「訓、夕日を眺めたまえ」みたいな。素晴らしい光景でしたけど、僕は本当に服とかもボロッボロで100%風景に合ってませんでした。そのとき見た夕日は今も忘れられません。みなさんも崖って、なかなか崖だけに行くってことはないと思うんですけど、崖の淵に立って地平線とか水平線を見るとすごく心が落ち着くというか、切り替えになると思います。最近、大変だなあとか、悩みがある人はぜひ崖に行ってみてください。眺めるだけで足りない人たちはぜひ、周りを確認してから大声を出してみるのもいいと思いますよ。カラオケ効果でスッキリしますね。