クライ・マッチョ

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『許されざる者』、『ミリオンダラー・ベイビー』で監督として2度もアカデミー賞に輝き、俳優としても絶大な存在感を誇るクリント・イーストウッド、監督作品。

監督デビューから50年、40作目となる節目の作品はクリント・イーストウッド自身が監督・主演を務める作品となりました。なんと、40年前から検討されていたという原作の映画化。イーストウッド自身も並並ならぬ思い入れのある作品となっているのではないでしょうか???

ストーリーをご紹介しましょう。

舞台はアメリカ・テキサスからスタートです。ロデオ界で一世を風靡したスター、マイク。(クリント・イーストウッドが演じています。)しかし、落馬で怪我をしてからは、華やかな世界から一変、1人で孤独を抱えながら暮らしてきました。

ある日、そんな彼に雇い主からこんなことを言われます。『別れた妻と暮らしている息子、ラフォが危険な目にあっているんだ。俺の元に連れ戻してくれないか??』

話を聞くと、ラフォはメキシコで母と暮らしているらしい。

『いや、俺を犯罪者にするつもりか??』

そう、それは犯罪になってもおかしくないような、いや、まさに誘拐です。でも、雇い主に恩義があるマイクは車に乗ってメキシコに向かいます。ラフォの家に着くと、そこは大豪邸。しかし、ラフォはそこにいません。彼は男遊びにうつつを抜かす母親に愛想を尽かし、ストリートで闘鶏用のニワトリ・マッチョと暮らしています。

『父親がお前のことを呼んでいる。アメリカにいる父親と暮らさないか?』

ラフォは父に会うため、マイクと一緒に旅を始めます。しかし、、、

『息子は絶対渡さない!!』

母親が差し向けた追手や、メキシコ警察に追われるマイクとラフォ。そんな2人はアメリカに向かう途中に手を差し出してくれる人、自分たちを必要としてくれる人たちと出会います。強さに憧れるラフォはマイクに言います。

『昔は強かったんだろ??』昔はそうだった。でも、、、マイクはラフォに、何を語るのか。2人が旅の中で見つけるものとは。

そんな映画、『クライ・マッチョ』。もう一度、イーストウッド監督デビュー50周年で40作目。タフガイやアウトローを演じ続け、また、監督として追い求めてきたテーマは復讐と償いではないでしょうか?手がけてきた映画を突き詰めると、自分ではどうにもならない理不尽な環境に抗い、あるべき自分を取り戻す。その戦い。まさにそのストーリーがこの作品でも展開します。世代間の決定的ズレから次第にほのかな理解から信頼へとラフォとマイクは絆を作ります。その先には何があるのか?齢九十を超え、40年越しの作品化。恐れながら言います~イーストウッド作品を見るチャンスはそう無いと思います。偉大な俳優と監督、その思いの丈を、良い意味で好き放題に作り上げた作品。ぜひご覧ください!

映画『クライ・マッチョ』は、T・ジョイPRINCE品川ほかで、公開中です。お出かけの際は、感染防止対策、お願いします。