今月は、毎週、今年度アカデミー賞ノミネート作品をご紹介しています。今朝は、この映画!!

「あの夜、マイアミで」

第93回アカデミー賞のノミネーションで助演男優賞、脚色賞、歌曲賞の3部門でノミネートされている作品。Amazon Prime Videoで、配信中です。

「あの夜、マイアミで」。 この作品は、1960年代のある夜、アフリカ系アメリカ人の中で当時、注目を集めていた4人がマイアミの1室に集まって、どんな話をしたか...というもの。

その4人とは、

ボクシングの伝説の世界ヘビー級王者モハメド・アリ、作品の中では、イスラム教に改宗してモハメド・アリになる前のカシアス・クレイという名前で登場します。

アメリカンフットボールの選手、ジム・ブラウン。ミュージシャンのサム・クック。このサム・クックを演じたレスリー・オドム・ジュニアが助演男優賞に、さらに、彼が歌った『Speak Now』が歌曲賞にノミネートされています。各分野のスターたちです。

そして、アフリカ系アメリカ人 解放運動の指導者、マルコム・X。

ストーリーをご紹介しましょう。

1964年2月25日。ボクサー、カシアス・クレイは、ヘビー級の世界王者となります。その勝利を祝うため、マルコム・Xは自分の滞在するモーテルに友人たちを招待。やってきたのはチャンピオンのカシアス、サム・クック、そして、ジム・ブラウン。

でも、あれ?お祝いの席のはずなのに、お酒や食べ物はありません。3人は不思議に思い、マルコムに尋ねますが、彼は言葉を濁すだけ。

マルコムは、アフリカ系アメリカ人としての彼らの影響力、彼らにできることについて、話し合う場を設けようとしたのです。

そう、ときは、公民権運動の時代。

「君たちの影響力を、アフリカ系アメリカ人のための活動に使ってくれないか?」

マルコムXがサム・クックに問いかけます。

「甘い曲じゃなくて、もっとメッセージを込めた、魂を込めた歌を歌ってくれよ」

サム・クックは、「でも、メッセージ性を高くすると、リスナーの幅を狭くしてしまう」

この会話の行方は果たして?そして、この夜の会話の結果、何が起こるのか?

この作品、史実にインスパイアされて作られた作品なので彼らが実際にどんな会話をしたか、というのはわかっていません。つまり、この作品はフィクションなんですね。~2013年に初演された舞台作品を基に作られています。

あの夜、マイアミで、どんな会話がされたのか。今のアメリカとそのまま繋がる人種間の問題を彼らの言葉と一緒に考えてみてください。

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