映画「ノマドランド」 

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第93回アカデミー賞のノミネーションで作品賞を含む6部門でノミネートされた大注目の作品!

中国出身、クロエ・ジャオが監督。主演は、映画『ファーゴ』、そして、『スリー・ビルボード』でアカデミー賞 主演女優賞を受賞したフランシス・マクドーマンド。今回の『ノマドランド』でも主演女優賞にノミネート、さらに、彼女は この作品のプロデューサーでもあります。

ストーリーをご紹介しましょう。

かつて 石膏の採掘会社でうるおっていたアメリカ・ネバダ州のエンパイア。2011年、不況のあおりを受けて、企業が撤退。町そのものが閉鎖されます。全ての住民が立ち退くことになりました。フランシス・マクドーマンド演じる女性、ファーンは、家財道具を倉庫に預け、亡くなった夫との思い出のお皿など、わずかなものをキャンピングカーに積んで旅立ちます。 

車で移動しながら、ホリデーシーズンには、巨大物流企業の配送センターで配送品の仕分けの仕事をしたり、観光客向けのカフェで働いたり、国立公園のキャンプ指導員をしたり。仕事を求め、放浪する日々。どこにでも行くことができる ファーンのような人のことを人々は こう呼びます。

『放浪の民、ノマド。』

ファーンは路上での生活を続けるうちに同じように ノマドとして暮らす人々と出会います。

戦争のPTSDで人混みがダメ、キャンピングカーで暮らし始めて心が穏やかになったという元兵士。余命を宣告されながら旅を続ける人。彼らが語る身の上話は様々ですが、その対話の中でファーンは何を感じ、そして、どこへ向かうのか??   

そんな映画 『ノマドランド』この作品のテーマはどんなことなのでしょうか?宣伝ご担当、メゾンの野下はるみさんは、こう感じています。

もちろん路上生活となった理由っていうのはいろいろあって、主に経済的なことが理由の一つであったと思うんですが、そこにノマドの人たちのコミュニティがあって、たくさんの出会いとか、それから自然と共に生きる中で、むしろ健康を得ていく人たちもいたりするので、必ずしもこの生活は過酷なことばかりではないですよね。だから、またそこで出会った人と人がずっと永遠に関係を結んでいくっていうのは、この映画の中でもよくわかるんですけれども、会った人同士が「さよなら」を言わなくて、「またここで会おう。また道で会おう。」って話すんだ、というのが映画の中でも印象的なセリフとして出てくるんです。だから一つのコミュニティを作って皆さん助け合いながら生きているというノマドの人たちの生き方みたいなものは、過酷でありながらもどこか羨ましいといいますか、そんなふうに見てくださっている方たちもたくさんいるなぁと思いました。

この作品に登場するノマドの方達、実はほとんどが、役者さんではなく、実際に路上で生活されているノマドの方なのです。移動し続けながら生きることを選んだファーン。彼女が路上で見たものとは。そして、ファーンが選んだ『生き方』とは。映画『ノマドランド』は、今日から公開です。