●映画「世界で一番しあわせな食堂」 

20210212week.jpg

2018年から3年連続で世界幸福度ランキング1位を獲得している国、フィンランド。そんなフィンランドから『料理』を通して人と人がつながる温かい物語が届きました。

ストーリーをご紹介しましょう。

舞台はフィンランド北部、ラップランド地方の小さな村。そこには"シルカ"という女性が一人で切り盛りする食堂がありその村に暮らす地元の人が日常的に利用しています。特に大きな出来事もなく、みんなが毎日、平穏に過ごしています。そんなある日。お父さんと息子の2人親子がその食堂にやってきて、シルカに尋ねます。

『フォントロンを知っていますか?』

『フォントロン??』

チェンと名乗るその男性はその場にいるお客さんにも声をかけ必死にフォントロンを探しますが、その人物を知る人は一人もいません。途方に暮れるチェンと息子。2人は行くあてもなく、シルカは彼らに寝泊まりする場所を提供します。それから数日。突然、中国からの団体観光客がやってきます。彼らは「中華料理を食べたい」と言いますが、シルカは作ることができません。すると、チェンが出てきてこう言います。

『僕が料理をしましょう。』

実は、チェンは出身の中国で、中華料理を手がけるプロの料理人。彼の料理を食べて観光客は大満足!シルカも大きな売り上げを得て、チェンにあることを提案します。

『ここで料理をしてくれたら、フォントロンを探すわ。』

地元の人も訝しげにチェンが作る中華料理を見ていますが、彼らはチェンの料理を一口食べて、表情を和らげ、食べ続けることで、体調まで良くなっていきます。医食同源をという医療にも通じる食事を作るチェンは人々の体を、そして、心を癒していきます。次第に、チェンは地元の人々と心を通わせるようになりますが、ビザの期限が近づいてきます。

そんな映画 『世界で一番しあわせな食堂』。この作品を通してミカ・カウリスマキ監督はどんなことを伝えたかったのでしょうか。宣伝ご担当の伊藤可那子さんが教えてくれました。

この作品は全く異なる文化的背景を持つ人々が出会い、戸惑いながらもお互いを少しずつ知っていき、受け入れていくという様子を描いています。フィンランド出身のカウリスマキ監督は長年、海外生活をしていたグローバル人で、そんな監督の『分断ではなく協調を』というグローバル社会に対する希望へのメッセージが込められていて、監督もちゃんと見た人が未来に対する希望を感じてくれたらいいというようなコメントを言っています。

美味しく、温かく、心が込められた料理が文化の違う人々の気持ちを繋いでいく。料理が生きる希望となり、人生が変わっていく。「美味しい料理は、人を幸せにする」チェンのその言葉、ぜひ、実感してください。映画『世界で一番しあわせな食堂』は、来週、2月19日に公開されます。お出かけの際は、感染防止対策、お願いします。