映画 エイブのキッチンストーリー

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大好きな両親。そして、おじいちゃん、おばあちゃんたち。みんな自分を愛してくれるのに、"あること"が壁になってみんなは 会えば喧嘩ばかり。どうしたら、仲良くしてくれるんだろう、、、そうだ!料理ならきっと、みんなの気持ちを繋いでくれるはず。そんな『料理』が人をつなぐ物語です。

ブルックリンに住む12歳の少年、エイブ。

彼のルーツはちょっと複雑です。お母さんはイスラエル系、お父さんはパレスチナ系で、両親は 反対を押し切って結婚し、エイブが誕生。両親同士は仲が良くても、おじいちゃん、おばあちゃんたちが顔をあわせると、もう大変です。文化や宗教の違いからちょっとしたことがきっかけで、いつもすぐ言い合いに発展。エイブはどちらの文化にも興味があるのに、どちらかをすれば、どちらかがいい顔をしない、という心苦しい環境です。

そんなエイブの趣味は料理。

日々、何かを作ってはインスタグラムに投稿していますが、ある日、世界の料理を掛け合わせた『フュージョン料理』を作るシェフチコと出会います。エイブはチコの料理を見て思います。

『これだ!!!』

自分のルーツの料理を掛け合わせて、自分にしか作れない料理を作る。それはきっと、僕の家族を一つにしてくれるはず。エイブは希望を胸に、家族が集まる食事会を企画します。

そんな映画 『エイブのキッチンストーリー』。

この作品の監督、フェルナンド・グロスタイン・アンドラーデさんのコメントが届きました。この作品はどのようにして生まれたのでしょうか?

この物語は自分の人生にインスパイアされています。もちろん違うところもありますが。実際の私の両親はカトリック系とユダヤ系ですが、映画ではカトリック系をパレスチナ系(ムスリム)に変えています。それは、パレスチナの人々に声を届けたいと思ったからです。父も母も2度目の結婚なので、クリスマスを祝うときは、お互いが元のパートナーも連れてくるんです。それぞれの子供もみんな集まるから、いろいろ経験はしますよ。

この映画において宗教を一つのテーマにしたのは、世界的な問題だから。尊敬、調和、共感、思いやり、他のアイデンティティーを持った人と、憎しみではなく愛情を持って共に生きるということを教えてくれる、そんな物語を作りたかったのです。

様々な問題が織り込まれた作品ではありますが、エイブとチコが作る料理はどれも本当に美味しそう!!!家族みんな仲良くしてほしい。そんな純粋な想いがエイブを動かし、様々な問題を乗り越えていく。エイブの挑戦、ぜひ、劇場で見届けてください。