『セント・エルモス・ファイアー』や『ブレックファースト・クラブ』など数々の映画に出演してきた俳優、エミリオ・エステベスが主演。そして、演じるだけでなく、エミリオ自身が制作・監督・脚本も務めています。『パブリック 図書館の奇跡』。

この作品は、エミリオ・エステベス自身がロサンゼルス・タイムズで見たエッセイにインスピレーションを得て作られたもので、完成までになんと、11年の歳月が費やされています。

ストーリーをご紹介しましょう。

舞台はアメリカ・オハイオ州のシンシナティにある公共図書館。そこには、本を借りに来る人はもちろん、冬の寒さをしのぐため、ホームレスの人たちもやってきます。図書館で働くスチュアート(エミリオ・エステベスが演じています)はそんなホームレスの人たちと冗談を言い合いながら日々コミュニケーションをとりつつ、彼らのことを気にしていました。

そして、その年一番の寒さを記録した次の日。いつものように図書館の閉館時間が迫りスチュアートは館内にいる利用者たちに、帰るよう声をかけていきます。

しかし、、、

ホームレスの常連グループのひとり、ジャクソンがスチュアートに言います。

『このままでは凍死してしまう。今日はここに泊めてくれ。』

あまりの寒さに路上で夜を明かすホームレスたちは命の危険を感じていますが、市の緊急シェルターはどこもいっぱい。ホームレスたちは、自分たちの声を届けるために 図書館を占拠します。スチュアートも館長に図書館の開放を訴えますが取り合ってもらえず、ホームレスと一緒に図書館に立てこもることを決意します。

そんな映画 『パブリック 図書館の奇跡』。 

宣伝ご担当、ロングライドの村中梨衣さんが、この作品のテーマを教えてくれました。

大きく2つありまして、1つ目は『公共とは何か、というのを考えること』。2つ目は『声を上げることの大切さ』です。日本でも最近ですと、検察庁法改正案を阻止するために、700万人越えの人がTwitterのデモに参加して、実際に声を上げて世論が政治政策を動かした、という実例がありますが、そういった日本の問題とこの作品は直接つながる点が多くあって、公共のあり方を問い、そして声を上げることの希望を示してくれる本作はこれから豊かな社会を目指していくためのヒントとなる映画となっています。

アメリカの格差問題や社会問題をテーマにした作品ではありますが日本で暮らす私たちにとっても身近なテーマが描かれているんです。 公共とは何か??...とはいえ!決して難しい映画ではなく、笑いもあって、楽しい作品となっています。声を上げた彼らが選んだ、立てこもりの結末をぜひ見届けてください。 

映画『パブリック 図書館の奇跡』は、T・ジョイPRINCE品川ほかで、今日から公開されます。