緊急事態宣言を受けて、新作映画の公開は 続々延期となっています。今日ご紹介する映画も、公開延期、ということですが、公開される日を待ちながら、どんな作品なのかご紹介したいと思います。 注目するのは、この映画。

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『WAVES 』

フランク・オーシャン、ケンドリック・ラマー、カニエ・ウェスト、レディオヘッド、エイミー・ワインハウス、テーム・インパラ、アニマル・コレクティブ、チャンス・ザ・ラッパーなどなど。素晴らしいアーティストの音楽が全編にわたり映画を彩る映画です。その音楽が、この作品の"主人公"とも言える、プレイリスト・ムービー。

「ムーンライト」「レディ・バード」「ミッドサマー」をはじめ、話題作を次々と発表している映画制作会社『A24』が放つ、希望の物語です。

ストーリーをご紹介しましょう。

主人公は、高校生のテイラー。レスリング部のエース、勉強も成績優秀、そして愛する恋人のアレクシスもいてテイラーの日常は順風満帆。

テイラーは、肩に少し痛みを感じながらも、毎日、体を鍛えレスリングの大会に向け練習に励んでいます。

しかし、ある日、肩が限界を迎え、病院に行くとこんなことを告げられてしまいます。

『今すぐ、手術が必要です。』

今は大切なレスリングのシーズン中なのに、試合に出られない。そんな矢先、恋人アレクシスの妊娠が発覚します。自分ではどうすることもできないことばかりで事態を把握しきれないタイラーは少しずつ自分を見失っていき、とんでもない悲劇を起こしてしまいます。

そして それは、テイラーだけではなく、彼を一番近くで見ていた妹のエミリーの心をも 砕いてしまったのです。

そんな映画 『WAVES 』。 

監督と脚本のトレイ・エドワード・シュルツのコメントが届きました!

大切に育んできた話を大切な人々と語ることができました。これ以上の喜びはありません。人生の喜びや悲しみを全て、この作品で追及したいと思っていました。映像と音楽を通して 登場人物の心情を身近に感じてほしいです。兄のテイラーは、完璧だと思っていた人生が、突然、崩れ始め、事態を把握する余裕がなく、突き進んでいった結果、大惨事を招いてしまう。 そこに妹のエミリーが登場し、再生と希望の道へと導いてくれるのです。

この作品は事前に監督が本編に使用する楽曲のプレイリストを作り、そのプレイリストからこの作品のアイディアが湧いたそうです。

1曲1曲がそのシーンに寄り添うように、登場人物の気持ちを代弁するかのように、作品を彩っています。ちなみに、キャストたちに渡された脚本には、サントラに使われた楽曲のリンクが貼ってあり、曲を聴くとその登場人物がどんな体験をしているのかわかるようになっていたとか。音楽を愛してやまない監督が放つ、プレイリスト・ムービー。

映画『WAVES 』、公開が決まりましたら また番組でお伝えします。