アート展「六本木クロッシング 2019 つないでみる」

六本木ヒルズ53階にある森美術館で開催中、現代美術からファッション、AIまで、さまざまな表現の "つながり"に注目した展覧会、「六本木クロッシング 2019 つないでみる」。この中から、きょう、2月22日 猫の日にご紹介するのは、展覧会で出会える猫。まず、会場入り口に どーん!と、展示室からはみ出しそうな高さ5.5メートルのピンクの猫の顔の作品があります。飯川雄大さんによる《デコレータークラブ - ピンクの猫の小林さん》。

 ~デコレータークラブとは、カニのこと。周辺にある様々なものを体中に貼りつけて カムフラージュするカニで本来の姿はなかなか見られないんだとか。 で、この作品は、撮影しようとしても、全体像を写真に収めることができないようになっています。「情報があふれる社会において、真実や全体を捉えることの難しさ」これをメッセージとして込めています。

もうひとつ。《猫オリンピック》という作品。

これは、1300以上の猫のオブジェが 競技場を埋め尽くし、周りの壁には 猫の主張が書かれたプラカードが展示されている、という作品。2020年に向けて沸く日本と、その背景にある政治問題への批評性が込められた作品です。ミュージアムショップでは、「ピンクの猫の小林さん」のグッズも販売されています。 

「六本木クロッシング2019 つないでみる」は、森美術館で開催中。

映画 『ビール・ストリートの恋人たち』   きょう 公開     

おととしのアカデミー賞で作品賞を受賞した映画『ムーンライト』。その作品を手がけたバリー・ジェンキンス監督の最新作です。『ビール・ストリートの恋人たち』。ちなみに、この作品も今年のアカデミー賞で脚色賞・助演女優賞・作曲賞の3部門でノミネートされています!

舞台は1970年代のニューヨーク。19歳の女の子、ティッシュと 22歳の男性、ファニーは幼馴染であり、深い信頼関係で結ばれた 恋人同士です。お互いを見つめ、思いやり、大切にし合っている二人。そんな幸せな日々を送るティッシュとファニーの暮らしにある日、暗い影が落ちてきます。ファニーが 無実の罪で 捕まってしまったのです。『早くここから出たい。』 『早く無実を証明して出してあげたい。』やりきれない思いに 深く沈んでいく二人の心。しかし、一筋の光が射します。『ファニー、私、赤ちゃんができたの』ティッシュはファニーとの子どもを妊娠していたのです。この知らせにティッシュの家族は大喜び。この子のためにも、二人の愛を守るためにも一刻も早くファニーが無実であることを証明して留置所から出さなければ。それぞれの家族は力をつくし 証人になってくれそうな人に協力を求めますが、その努力もむなしく なかなか思うようにいきません。そんななか、日に日に迫るティッシュの出産。ティッシュとファニーの愛はどこへ向かうのか。そんな映画『ビール・ストリートの恋人たち』。バリー・ジェンキンス監督からコメントが届きました!この作品を通してどんなことを感じてほしいのか、教えてくれました。

愛と希望を感じ、楽観的でいてほしいと願うよ。登場人物たちが人生を導いてくれるよう望んでいる。愛や家族は 苦難を乗り越える助けになるし、現在、世界中の多くの社会が僕たちを結びつける何かや結束する場所を求めている。 家族と愛の力が嵐を乗り切るのを助けてくれる。そう感じてくれるといいね。

フィクションで、70年代を題材にした物語ですが、いまも根強く残る問題や現実が映し出されています。ぜひ、劇場でティッシュとファニーの物語の行方を見届けてください。