今朝は、イギリスとベトナムの通信員の方に回線をつないで、お話をうかがいます。

●イギリス・ロンドン / 内山 昇さん

メモ:累計感染者424万7,879人 死者:12万5,222人

Q1 現在のイギリスのコロナ感染状況について教えてください。新規感染者が徐々に減ってきているようですね?

A1 (政府発表の最新データによると)今週水曜日の新規感染者数は5,926人、死亡者数は1日190人、入院患者数は9,435名となっています。特に新規感染者数は1月上旬の1日6万人から10分の1へ大幅に減少、死亡者数も当時の1日約1,000人から大幅に減少しています。このように新規感染者数の減少により、医療崩壊が懸念されていた病院のキャパも、厳しい状況はまだ続いていますが、何とかコントールできる水準まで改善していると思います

Q2 ワクチンの接種が進んでいることが減少につながっていると考えてよろしいのでしょうか?

A2 12月上旬から英国全土でのワクチン接種が開始され、今週水曜日時点で約2,300万人(人口の約35%)が1回目のワクチンを接種。2回目の接種人数も20万人を超えました。政府は6月までにすべての大人に接種を完了する計画を発表しています。接種率ではイスラエル、アラブ首長国連邦に続き世界で3番目に高い水準で進行しています。また、ワクチン接種の効果については、科学的データの分析・検証が続いているのでコメントできないのですが、最初にワクチン接種を行った医療関係者間の新規発生率は70-80%減少する効果がでていると言われ、重症化しやすい高齢者や疾患を持つ人から優先的にワクチンを接種しているので、このような大幅な減少につながっていると思います。

Q3 新規感染者の減少にともない、段階的なロックダウン解除が発表されたそうですね?

A3 ボリス・ジョンソン首相は2月22日に、「ロックダウン段階的緩和」のロードマップを発表しました。今週月曜日(3月8日)からは、全土で学校が再開。但し、不要不急の外出は控えるは継続。3月29日からプライベートの庭を含む屋外で、6人または2世帯までと合えるようになり、テニスやサッカーなどの屋外スポーツが再開。第二段階として、4月12日から、美容院やデパート、図書館などが再開。レストラン・パブも屋外の席に限り再開。第三段階として5月17日から、屋内のレストラン、映画館などが再開。サッカーなどの屋外スポーツの観戦も制限はありますが再開。6月21日に最終ステージとして、大型イベントなども制限を解除し、ロックダウンを完全解除となります。このロードマップ発表は、12万人を超える欧州最大の死亡者数を出している英国が、コロナとの戦い向けた具体的な出口戦略を示したという点で重要な意味合いを持ちます。

Q4 このロックダウン解除の発表を受けて、旅行の予約が激増したとか?

A4 政府は、全ての段階における判断は「日付ではなくデータ」に基づいて決定していくと警告していますが、発表の翌日には、サマーホリデーの予約が300%以上アップ。観光客減少により大打撃を受けているギリシャなどでは、ワクチン接種パスポートを持つ英国人の旅行を歓迎するとコメントしたり、人々の中には明るいムードが漂っています。航空会社が無料で日程変更・キャンセルできるとキャンペーンをしているので、行けるかわかりませんが、私自身、間もなくワクチン接種の番も回ってくるのかと思い、夏と冬のホリデーを早速予約しました。 日々のニュースでもハリー王子とメーガン妃が人種差別問題に関連して、王室に戻ることはないだろうとコメントして論議を醸し出したり、コロナ以外のゴシップネタも聞かれるようになったのも、いい意味で大きな変化だと思います。

●ベトナム・ホーチミン / 迫田 陽子さん

メモ:累計感染者2,529人 死者35

Q1 ベトナムの現在のコロナ感染状況について教えてください。

A1 現在、感染拡大は抑えられています。新規感染者の覚知は、検疫や、感染のおそれのある地域や対象者に行われるスクリーニング検査で明らかになったものです。3月1日に、バーやカラオケ、スポーツジムなどの営業再開が通達されましたが、まだ様子見のところが多いようです。

Q2 ベトナム航空の客室乗務員が自宅隔離中に外出し、市中感染を引き起こしたという事件があったそうですね?とんでもない罰金だったとか...

A2 VN航空のCAが市中感染は、去年11月末に判明したものでした。その後、警察の捜査を経て「危険な感染症を他人に感染させた容疑」で書類送検、起訴されました。刑が確定すれば、罰金の最高額は90万円ほどで禁錮で最高10年におよぶそうです。彼に関連した感染は確か、友人1人であとは濃厚接触者などへの拡大はしていなかったと思われます。ただ、服務規程違反や、ベトナム航空が社会的制裁?を受けたことの損害は大きかったようです。

Q3 ワクチン接種の状況はいかがですか?

A3 2月末、ワクチン第一便(アストラゼネカ)がベトナムに到着しました。3月8日から医療関係者などへの先行接種が始まり、500人ほどが接種を終えたとのこと。今月、来月にもワクチンの到着が予定されています。また、今月中に、第二弾の国内開発ワクチンの治験が始まるそうです。昨年末に治験がはじまった第一弾の「ナノコバックス」は現在、第二段階の治験に入ったとのこと。

Q4 そのほか、ベトナム国内のポジティブな話題はありますか?

A4 各国政府が食糧の備蓄を強化していることで、ベトナム産コメの輸出価格がコロナ以前と比べて+15%上昇しています。また、国際通貨基金(IMF)は、2021年のベトナム経済が力強く回復すると指摘しています。