今朝は、フランスとメキシコの通信員の方に回線をつないで、お話をうかがいます。

●フランス・パリ在住のジャーナリスト 鈴木 春恵さん

メモ:累計感染者302万3,785人 死者: 7万1,792人

Q1 感染力が強いと言われる変異種の猛威が心配なヨーロッパですが、フランスの現在の感染状況について教えていただけますか?

A1 フランス政府主導で運営していて、誰でもがインストールできるアプリTousAntiCovidには、毎日、新規感染者数などのデータがアップデートされるのですが、今日発表になっている直近24時間での新規感染者数は22,848 人です。先週、政府の記者会見があった時点では、平均すると大体1日16,000人くらいで、減っている様子はありませんが、ぐんぐん増えているということもなく、感染爆発という事態には至らずに、なんとか持ちこたえているところです。イギリスからの変異種もすでに入ってきているようで、記者会見の時ですでに、毎日200から300件の新規感染者数が確認されているということでした。これは全体の1~1、5%という割合だそうです。従来のウイルスに比べると、感染力が30~70%強くて、しかも子供がかかりやすいとも言われています。変異種はイギリスのものだけではなくて、南アフリカからのものも確認されているようです。

Q3 今週からはワクチン接種キャンペーンの対象が拡大しているそうですね?

A3 フランスでは12月27日からワクチン接種がはじましました。まずは要介護高齢者施設の入居者や、医療関係者が対象でしたが、今週の月曜からは、75歳以上の一般の方々、そして感染による重症化リスクの高い疾患を持つ人も対象になりました。昨日までの段階で692.777人が接種したようです。

Q4 先週末から、フランス全土で18時以降の外出禁止令が出されたんですよね?飲食店など、大変な打撃なんじゃないでしょうか?

A4 昨年12月からフランス全土に夜間外出禁止出令が出されていて、パリは20時から禁止というものでした。それが先週土曜から18時からと、2時間早まったわけなのです。この2時間の差は結構大きくて、外出している人もみな急いで帰宅しなくてならなかったりしますが、もちろんお店もその時間には閉めなくてはなりません。(ただし薬局は例外です。)テレビなどを見ていますと、確かに、仕事が終わってから買い物をするお客さんの分の売り上げがなくなってしまうとインタビューで不満を言っている商店が結構あります。とはいえ、そもそも、カフェやレストランなどの飲食店は去年の秋からずっとクローズです。これはいわゆる政府の要請とかではなくて、例外なく休業しなくてはならないというものです。一方政府としては、営業停止させるからには、補償もできるだけするという方針を示していて、従業員の給与補償のほか、家賃などお店の固定費などについても助成金が支払われるようです。経済大臣は記者会見で様々なケースや具体的な数字をあげて説明していましたが、追加補償のために必要な連帯基金の額を拡大してゆく方針だと明言していました。

●メキシコ・アグアスカリエンテス 府川 祐子さん

メモ:累計感染者168万8,944人 死者14万4,371人

Q1 新型コロナウイルスによる1日の死者数が、アメリカに次ぐ2番目になった日もあり、大変な状況かと思いますが、メキシコ国内の状況を教えていただけますでしょうか?

A1 メキシコは一億3千万の人口の4分の一、3100万人が既に感染したといわれています。心配されるのは陽性が分かった時に入院できるのかどうかということです。呼吸器付きのベッドは大都市ではすでに満床になっている状態で、救急車で病院をたらい回しになるという状況も多くあります。

Q2 ロックダウンのような状況にはなっていないようですがメキシコの現在の対策について教えていただけますか?

A2 ・バー(レストランやホテルのバースペースを含む)やナイトクラブは閉鎖する。

・商業・サービス業は、その活動を50%から30%に削減する(カジノを除き営業時間の制限は無し)。

・公園等の公共施設は、収容人数の20%までとする。

・エステ、美容院、スパ、ジム及びスポーツクラブは、収容人数の30%の活動とし予約制とする。

・社交行事は、屋内では最大50人、屋外では最大75人までとし、ビジネス行事は、屋内では最大100人、屋外では150人までとする(いずれも健全な距離を維持)。

・学校は州の判断に任せられており、対面授業をしているところもあります。私の勤めている大学は全面オンライン授業です。

Q3 市民のみなさんの生活の様子はいかがでしょうか?

A3 日常生活で実施されていることは、店や公共施設に入店するとき、体温を確認することと、手指の消毒だけです。空港も役所も店も、それだけです。私の住んでいる町のスーパーではマスクが義務付けられ、学齢以下の子供は入店できません。大統領はマスクをしません。自分はコロナには罹らないと言っています。テレビで見る街の様子では、マスクをしていない人も多くみられます。

Q4 ワクチン接種の状況はいかがでしょうか?

A4 12月には大統領自ら数千万のワクチンが到着するという発表があり、2月から一般市民にファイザー製のワクチンが投与されるはずでしたが、1月19日に貧しい国に回すので、メキシコは2月下旬に中国とロシア製のワクチンを使用する、と発表されました。確かに第一陣のワクチンは到着しており、アグアスカリエンテスにも4875回分が到着し、(人口は120万人)知事が受け取りました。