今朝は、10月末から二度目のロックダウンが始まったフランスとロシアの通信員の方に回線をつないで、お話を伺います。

●フランス・パリ / 柳瀬充さん

メモ:累計感染者159万1,152人(世界5番目) 死者38,728人 (世界7番目)

Q1 新型コロナウイルスの新規感染が1日5万人を超えたフランスですが、この第2波では、どのような感染が増えているのでしょうか?

A1 今回の第二波は夏のバカンスで、地方に移動したひとがさらに感染を拡大したと思われます。あと家族間での拡がりが多いということで、家の中でもマスクをつけるように政府から促されています。

Q2 10月30日から、フランス全土で2度目のロックダウンが始まりましたが、規制の内容について教えていただけますか?

A2 規則の内容については、前回の時と同じで、基本的に外出は禁止されており、外に出る時は証明書が必要で、持っていなければ罰金という形です。今回のロックダウンで大きく違うことは、学校と職場には通常通り行けることです。仕事では在宅勤務を強く勧めていますが、必要最低限の出勤は認められています。

Q3 ロックダウン前には買い溜めや、パリから地方への大移動があったとか?

A3 買い溜めはやはりありましたね。前回の経験を生かして今回はないと思ったんですが、、今回のロックダウンは2日前から予告されていたので、パリから地方に移動した人も多かったようです。電車も車も混み合っていました。

Q4 現在のパリの街の状況はどうですか?

A4 街は普段より静かですが、日中は通勤通学があるので、そこまで閑散とはしていません。飲食店はテイクアウト・配達は許されていますが、それ以外は閉じています。なお、政府からの経済補償は前回よりも多く出されるようなので、その点は少し安心です。

Q5 ロックダウンに反対するデモもあったようですね。特に、公立病院で働く看護師たちによるデモと、離職が相次いでいるとか?

A5 そうですね。医療現場はさらに逼迫していて、看護師の数も随分減っているようです。医療関係のデモもそうですが、ロックダウンを前に若者などを中心としたデモ活動もありました。中々先が見えないですが、今年中に回復に向かうことを願っています。

●ロシア・モスクワ / 柴田 顕さん

メモ:累計感染者168万0,579人 (世界4番目) 死者: 28,996人 (世界13番目)

Q1 ロシアでも、春を超える規模で感染が拡大していますが、現在の状況について教えてください

A1 昨日今日でも新規感染者数は1万8000人を超え、遠からず2万人を越すこととなるでしょう。都市ごとの感染状況で言えば、モスクワは突出していて全体の3割を占めます。ですが他の多くの小都市でも200人300人と感染者を出していますので、感染はロシア全土に広がっていると考えられるでしょう。ちなみに集団感染というのは私が知る限りほとんど起こっていないものと思います。というのもモスクワはもうずっと在宅ワークの義務化を続けており、ほとんどの人がオフィスに出社せずにいますし、コンサートや芝居なども余程感染症対策を施していなければ開催もできないため、積極的に人が集まらないようにしています。

Q2 第2波への対策はどうなっていますか?

A2 本当に基本的なことでマスクと手袋の着用義務の強化です。公共交通機関やデパートなどでは着用しているか厳重にチェックしており、未着用では利用させてもらえません。実際今地下鉄に乗れば乗客の9割、ともすれば10割がマスク姿という去年までのモスクワなら考えられない光景が見られますよ。再度ロックダウンすることは考えられません。むしろ経済を早急に復活させる方向で動いています。実際10月中旬にミシュースチン首相により日本を含む3カ国への国境規制緩和が唐突に発表され、11月1日からすでに週2便東京モスクワ間で飛行機が飛んでおります。恐らく今後どれほど感染者数が増えようとも、もう国境を再度封鎖するようなことはないでしょう。との見方が強いです。

Q3 ロシアでは世界に先駆けてコロナワクチンを承認し、今月から希望者への接種を開始すると発表していますよね?

A3 ロックダウンの必要がない、という根拠とも言えるのがワクチンの存在ですね。今後ロシア製のワクチンを使うことで感染者数を抑え込めるという目論見があるんだと思います。ただ、ロシア国民からすれば、臨床試験も不十分なワクチンに身の安全を委ねるのは中々度胸がいるものらしく、私の周りでは積極的に受けに行こうという人はまだ見ません。今後どのように政府主導でワクチン摂取していくか、注視していくべきでしょう。