きのうの東京都の新型コロナウイルスの感染者は221人。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客らも含めた、日本国内の感染者が累計で10万人を超えました。

世界の累計感染者は4440万人、亡くなった方は117万人を超えています。

さて、このコーナーでは毎週、新型コロナウイルスにまつわる、各国の最新状況を伺っていますが、今朝は、フィンランドとタイの通信員の方に回線をつないで、お話をうかがいます。

●フィンランド・エスポー / 遠藤 悦郎さん

メモ:累計感染者15,378人 死者354

Q1 フィンランドの現在の感染状況について教えてください

A1 今はいわゆる「第二波」が来ていて、感染者数や発症者数が8月末ごろからじわじわと上がっていたところです。しかし対策が少し進んでちょっとだけ減少に転じている、というのが現状。それでも過去14日間での感染判明者 2711人、春の一番多かった時期で14日間で1932人だったので、 数字の上では春の波は超えてしまっています。実際には春の時点では検査される人はまだ少なかった(明らかな症状があっても症状が軽いうちは検査せず自宅で待機)ため、実際の感染者数はもっと多かったと考えられますが、 明らかな増加傾向はあります。ただし残念ながら亡くなられた方の数(死亡者数)は直近2週間で6名と、最悪時で2週間に142名なくなっていた春の時期に比べれば圧倒的に少ないです。ヨーロッパの各国と比較すると非常に少ない方です。

Q2 フィンランドのみなさんの生活の状況はいかがでしょうか?

A2 基本は落ち着いています。レストランやバーには地域によって若干違うものの、感染拡大を受けて制限がかかっています。23時で営業終了、酒類提供は22時まで。店内には本来許可された収容人数の最大50%まで。感染者への接触が判明した学校のクラスは自治体の判断で遠隔授業にすることが可能。(基本は対面授業を行っている) 福祉/医療系の施設では、面会は可能なら屋外、共用部分での面会禁止など地域によりますが、感染者数の多い地域では、現在 公共交通、公共施設、イベント、商業施設、高校専門学校以上の学校・大学はマスクの使用が強く推奨されています。一般の会社も可能な限りのリモートワークを推奨。実際多くの感染者が出た地域ではかなりマスクの着用率が高くなりました。

Q3 ところで、エスポーからもほど近い、ヘルシンキの空港で犬の嗅覚による新型コロナ感染者検知が始まったというニュースを耳にしましたが、現地ではどのように報道されていますか?

A3 もともと「がん」を嗅ぎ分ける訓練をしていた犬たちがいて、そのノウハウの応用でもしかしたらコロナウィルス感染者を嗅ぎ分けられるのではと訓練が始まり実際に9月から実際に「サンプルを嗅ぐ」方法で実戦配備されています。直接旅客を嗅ぐのは、現在の法律ではできず法改正が必要とのこと。発見率の高さ(9割以上)と、コロナ時代で緊張した空港検疫スタッフに良い気分も与える犬たちの存在は、世界的にも先駆例で、注目を浴びています。現在任務についている4匹のコロナ犬は、ヒーロー犬」として特別表彰されました。フィンランドケンネルクラブ(連盟)が毎年人命救助に貢献した犬を表彰する制度の特別賞とのこと。

●タイ・バンコク / 木下麻衣子さんです。

メモ:累計感染者3,763人 死者: 59人

Q1 タイでは、ほぼ感染が広がっていない状況ですが、緊急事態宣言が延長されているようですね?(これは反政府デモ対策という認識でよろしいのでしょうか?)

A1 デモ策としての緊急事態宣言は先日解除されましたが、コロナ対策としては解除されていません。 表向きは反政府デモ対策では無いのですが、その意味合いも兼ねているではないかとの意見もあります。

Q2 反政府デモの現在の状況について教えていただけますか?

A2 反対派の要求としては、議会制度改革、改憲手続きの簡素化、王室制度改革の3つと、更に首相の辞任を要求しておりましたが、辞任しないまま指定期日を超えた為に抗議活動が活発化してきています。王室擁護派はデモに参加することで日当が発生していたり、食事が振る舞われるなど、王室から何かしらの恩恵を受けている人物が大半だと聞きます。一方反政府派は母国の今後を思って立ち上がった学生が多くを占めています。 平たく言ってしまうと、金持ちvs庶民といったところでしょうか。落とし所が全く見えない現状なので、長期化するのではないかとの見方が強いです。 また、コロナ感染については現在国内感染者ゼロと政府から発表されており、さほど心配されている様子は有りませんし、デモ中にソーシャルディスタンスも何もないですよね。

Q3 デモが続くバンコク市内、市民のみなさんの生活の安全は確保できていますか?

A3 今の所、初期段階で起きた警察との衝突以外はこれといって大きなトラブルは無く、平和的抗議の方向で進んでいます。日常生活には何ら支障がないレベルですが、デモの影響で電車やバスの運行停止、道路の封鎖等がされるので一部影響が出ています。

Q4 緊急事態宣言の一方で、一部の国からの観光客の受け入れは再開しているようですが、観光地・観光業の状況はいかがでしょう?

A4 極々一部で再開したのみで、まだ政府のパフォーマンス的意味合いが強い様に思われます。タイ国内でも日本のGo Toトラベルの様な政策は始まっていますが、思った程の効果がないようで、観光地・観光業共に依然として苦しい状態が続いています。

Q5 そのほか、バンコク周辺で気になる動きはありますか?

A5 デモ活動場所は毎回直前にSNSにて知らされるのですが、これは儲かると考えた移動式屋台主は毎回独自の情報収集にて場所を特定し、デモ隊や警察より早く駆けつけ場所取りをしています。その手際の良さからネット上ではCIAというニックネームをつけられ、"本日のCIA" 情報も出回っています。