アメリカ・ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、新型コロナウイルスの世界全体の感染者数(感染が確認された数)はおよそ2600万人、亡くなった方はおよそ86万人。回復した方はおよそ1730万人となっています。

さて、このコーナーでは、毎週、新型コロナにまつわる現地の最新状況を伺っていますが、今朝は、ドイツとニュージーランドに回線をつないで、お話をうかがいます。

●ドイツ・フライブルク在住のジャーナリスト、村上 敦さん

Q1 ドイツ国内の状況について教えていただけますでしょうか?

A1 ・7月中盤からバカンスに伴う国内、EU内での人の移動が活発になると、再び感染動向が活発に。8月中盤までに1500人/日のレベルまで上昇するが、100万件/週の規模まで拡張されたPCR検査の拡充で早期発見→自宅隔離によってなんとか持ちこたえている状況。

・直近では1000人/日を下回っており、減少傾向が続いている。
・夏休み明けの学校がはじまっており、
今後、秋に向かってどうなってゆくのかは不安視する声も当然あり。

Q2 経済への影響や対策についても伺えますか?

A2 ・IT、建設業、不動産業は堅調。製造業は落ち込みから改善の兆し。サービス業は今年は壊滅的

・6/3には経済活動の活性化のための16兆円規模の第二次補正予算が決議
・大規模な公的インフラプロジェクトと助成措置によるもの
・キーワードは気候保護/エネルギーシフト(再エネ、EV、蓄電池、水素)とIT・デジタル化(とりわけ医療・教育・公的機関のIT化促進)でEUのグリーンリカバリープランとも整合

Q3 ドイツのみなさん、市民生活での変化などはありますか?

A3 ・自宅勤務・遠隔での教育・IT化などはドンドンと進行中(日本以上に→自宅が広いケースが多いのも理由か?)
・国内・近隣で休暇を過ごす人が急増(例:バルト海沿岸地区、黒い森などの国内の保養地)

・DIYが活性化(ホームセンター、イケアなどの家具系列店では突出した売上が期待? 人の出もすごい!)
・ロックダウン時は、DIYによるケガ人が多発(受け入れの病院も悲鳴→このコロナ禍で大変な時に、何やってるんだ!)
・2020年内は、雇用調整金、生活保護制度の拡充によって、生活困窮者が爆発的に増える事態にはなっていないし、ならないだろう
・しかし、若者には不満がたまる一方(コロナパーティなど頻繁に行われている)

Q4 最後に・・・コンサートで感染実験が行われたという話題がありましたね。

A4 クラッシックコンサート、映画、美術館、バカンスでの旅行先(マジョルカ島)などの、人が集中する場所でも、各種の社会実験は行われており、その中の1つという位置づけで特別なものではない。

・これ一つの結果で何かなるような性格のものではない
・日本メディアやドイツのスポーツ紙、 タブロイド紙における埋め草記事であり、それほど注目する必要はないかと

●ニュージーランド・クライストチャーチ / 晝間 尚子さん

Q1 ニュージーランドは100日以上市中感染がゼロでしたが、改めて、どのような対策が功を奏したか、教えていただけますでしょうか?

A1 「ニュージーランドは早く、厳しく対策して抑え込む」方針。最初の感染者が見つかってから1カ月足らずで国家非常事態宣言、3月25日からニュージーランド全国で厳しいロックダウン。ロックダウンを決めた時、まだ感染者は100人位だった感染が広がっているからロックダウンするのではなく、「感染予防のために」都市封鎖しようということだった生活は不便でも、政府の素早い対応に安心感を持った。学校もオンライン授業にすぐに切り替わって学生も勉強を続けられた政府は毎日シンプルで分かりやすい言葉で情報を発信してくれてみんな信頼しているように感じる。首相が夜に自宅からカジュアルな服装でフェイスブックライブでみんなの質問に連日答えたりして、国が一つのチームになって一刻も早く乗り越えようという感覚があったロックダウンの効果が出て、市中の感染が完全に無くなった。

Q2 (感染が抑えられている国の対応は誠実ですね。)オークランドで集団感染があり再びロックダウンされたとのことですが・・・

A2 8月に、感染経路不明の感染者が4人(全員同じ家族)オークランドで出たのをきっかけに、再びオークランドを即ロックダウン。オークランドはNZ最大の都市で、日本でいう東京をすぐロックダウンしたような状態。オークランドのクラスターは今150人まで大きくなっているから、たった4人見つかっただけで封鎖って大げさに感じるけど、もしその時学校や職場が閉まっていなかったら、150人どころじゃないことになっていたはず。そのオークランドのロックダウンも先週末までで、今週からは全国的に気を付けた上でまた普通に近い生活が出来ている。

Q3 ニュージーランドの今後の課題は?

A3 これからの課題は、国境をどうやってあけていくか。今ニュージーランドは鎖国状態で、基本的に自国民しか入れない。
帰国してくるニュージーランド人も、全員政府管理の隔離ホテルに2週間滞在して、コロナ検査を2回受けるという徹底ぶり。国境で新規感染者のくいとめに成功している。
英語圏で先進国で安全なのでニュージーランド留学も人気。でも今は新しい留学生が入国することが出来ない。普段NZで働いていて、一時帰国していた人も、国境が閉まって戻れなくなってしまい、NZで家賃も払い続けて荷物も仕事もそのまま、入国できなくてとても困っている人もたくさんいる。今帰国者を受け入れている政府管理のホテルは、戻ってくるNZ人だけで完全にキャパシティーオーバー。同じシステムを留学生や観光客などに適応させることはできないから、どうなるのかが気になるところ総選挙が10月にあり、新しい政権が決定して動き出すまで、政府は国境を開けることについて新しい発表はないのではないかとみられている。私は現地留学会社を運営しているので、国境が開かないのはすごく困ります。2週間隔離のシステムがきちんとしていれば、今感染者を隔離ホテルで食い止められているから、大丈夫だと思うのですが・・・