アメリカ・ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、新型コロナウイルスの世界全体の感染者数は2400万人を、亡くなった方は80万人を超えています。

回復した方は1580万人ですから、いま現在、全世界で750万人近い方々が感染している、という計算になります。

毎週、新型コロナにまつわる現地の最新状況を伺っていますが、今朝は、デンマークとアメリカ・ロサンゼルスに回線をつないで、お話をうかがいます。

デンマーク・ロラン島にお住まいのニールセン北村朋子さん

Q1 デンマークではITを活用した経済対策などによって政府の支持率が86%にものぼったという報道がありましたが、どのような取り組みだったのでしょうか?

A1 デンマーク政府は「遅きに失する」ことがないよう、「早すぎるくらいの感覚」で対策をうちました。国民に支持されたポイントは3つあって、政府の姿勢、情報の一元化、迅速な経済補償がそれです。政府は必要に応じて自らの言葉で非常に誠実にかつ頻繁に記者会見を行いました。大事な決定も、与野党の枠を超えて迅速に行い、記者会見でも関係閣僚や関係機関の責任者が同席して、決断の経緯の説明も含め、すべてのジャーナリストの質問に答えていました。また、子供向けにも首相が会見を行い、子どもたちの不安を取り除いたり、共同記者会見の後は、各メディアの質問に個別に答える時間を用意するなど、正しい情報の全国民との共有にとても熱心に取り組んでいました。

Q2 デンマーク政府の対応、すばらしいですね・・・!では、現在のデンマーク国内のコロナの状況について教えてください

A2 夏休み期間中は、若干増えたところもあり、局地的に感染者が増えている場所もありますが、全体的には落ち着いています。ちなみに、昨日の全国の新規感染者は   90名。入院(集中治療)が必要な人は新規で0名です。ロラン島も、感染者は今はほとんど出ていません。

Q3 デンマークの国民のみなさんは、比較的、落ち着いて生活されている印象でしょうか?

A3 デンマークで、ロックダウンになった時、一部の人が買い占めに走ったのですが、買ったものはパンを焼くためのイーストと小麦粉とビール。お国柄だなぁと思います。そのうち、イーストも買わずに天然酵母をおこしたり、時間のかかるサワードウのパンを焼いたり、パスタを打ったり、発酵食品に挑戦したり、家庭菜園に精を出したり、普段できなかったことを家にいる子どもたちも巻き込んでやっていた人も多いです。どんな状況でも楽しむことを忘れない、デンマーク人らしさがよく出ていたと思います。でも、それも、きちんと民主主義と政治への信頼と、生活が保証されるという安心感があってこそ、とも思います。

アメリカ・ロサンゼルス / 手島 里華さん

Q1 ニューヨーク州を超え、全米最多の感染者数となったカリフォルニア州ですが、ロサンゼルスの現在の状況はいかがでしょうか?

A1 ロサンゼルスカウンティの現状は・引き続き自宅待機令が出ており、必要でなければなるべく外出しないようにという状況・レストランなどの飲食店は店内での飲食は出来ず、持ち帰りは可能。店の外での飲食は可能なため、駐車場に特設のテーブルなどを設けてサービスする店が急増。店の前の歩道にテーブルを出す店も。この状況のため市も許可を出している。

Q2 まもなく新学期の時期を迎えますが、学校はどうでしょうか?

A2 ・ロサンゼルス郡の学校は100%オンラインでスタート。事前に親に対し学校区からアンケート調査が行われた。100%オンライン方式か、登校とオンラインをミックスさせるハイブリッド方式かどちらを希望するかの調査で、私の地元パサデナは半数以上がハイブリッドを希望(夫婦共働きが多いため)。実際ほとんどの学校区で同じような結果が出ているが、ロサンゼルスカウンティは、学校スタッフと生徒の安全を保証できないとして、市の保険局の発表もまだ状況は危険だとしているため100%オンライン方式を導入。今後、保険局の発表から状況が改善しているという報告があれば(感染者数が減れば)ハイブリッド方式を導入するとしている。

Q3 8月に入って、カリフォルニア州の感染は減少傾向にあるようですが、市民のみなさんの危機感はいかがでしょうか?

A3 市民の間に危機感は増大しておらず(私も含め)、『自分で判断して行動しよう!』という感じ。ジョージ・フロイド氏の事件を受けた暴動が起きた辺りから市民の緊張感が薄らいだように感じる。ここまでやってきた『手洗い』『うがい』『消毒』『マスク』『ソーシャルディスタンシング』という基本姿勢を守れば大丈夫という考えで、現在、外での飲食を楽しんだり、友達と距離を取りながら散歩に出かけたり、6人ぐらいのグループが、公園にビーチチェアのようなものを持って来て、車座になって座っておしゃべりしたりしている。

ただこの辺りは個人差が大きく、危険を感じてまったく外に出ずに家の中にいる人たちもいる。みんながこぞって外出しているわけではない。これが民主党の勢力が強いロサンゼルスカウンティの現状。

面白いのが、共和党の勢力が強いお隣オレンジカウンティに行くと、マスクなしで街を歩く、お店で飲食する人の距離が近い、学校は100%通学を採用する学校ありと、支持政党によってこんなにもコロナ対応が変わっている。この状況が吉と出るか凶と出るかで、また11月の選挙戦にも影響が出てくるのでは。