新型コロナウイルスの全世界の感染者数が11日、累計で2000万人を突破しました。6月下旬に1000万人を上回ってから、およそ1カ月半で倍増したということになります。

このコーナーでは、毎週、新型コロナにまつわる現地の最新状況を伺っていますが、今朝は、ロシアとタイに回線をつないで、お話を伺います。

●ロシア・モスクワ / 柴田 顕さん

Q1 ロシアといえば、先日、世界で初めて新型コロナワクチンを承認したと発表がありました。現地ではどのように報道されていますか?(国際的な臨床試験が終わっておらず、疑問視されていますが・・・)

A1 ロシアのニュースを見ていると、ほとんどがワクチンに対して肯定的な意見を出しているようです。先日もプーチン大統領の娘がワクチンを接種したところ、何も問題は起こらなかったという報道がなされました。ただ、ネットニュースなども見ているとかなり懐疑的に見ている意見も多く、また一般の人たちからは国家による大規模な人体実験だ、などという過激な意見も聞こえてきます。

Q2 ロシアでは感染者数は少しずつ落ち着いているようですが、現在の状況について教えてください。

A2 本当に少しずつですね。ピークは間違いなく過ぎたようですが、それでもいまだに一日5000人前後の感染が確認されており、死者数も1日100人前後という状況です。モスクワだけで言えば確かにかなり落ち着いたと言えるでしょうが、それでも道ゆく人のほとんどはマスクをしておりますし、お店でもマスクと手袋の着用を義務化しているところがほとんどです。以前のモスクワからは考えられない光景となっています。感染しているのは主に20代から40代で、全体の50%にもなります。逆に65歳以上の年齢層は15%程度ということから、やはり外を歩き回る働き盛りの世代に感染が蔓延していることが分かります。

Q3 PCR検査について伺いたいんですが、体調不良になった人がすぐに検査を受けられる状況でしょうか?

A3 実は私も先日ちょっとした体調不良から念のために検査を受けに行ったのですが、とても気軽に受けることができました。検査結果も翌日か翌々日にはメールで受け取ることができるので、不便さは全くありませんでした。ちなみに私は陰性でしたのでご安心ください。

Q4 それはなによりです・・・。ロシアでも8月から国内旅行キャンペーンが始まったそうですが、順調に進んでいるのでしょうか?

A3 8月から国内旅行に行く人には金額に応じてキャッシュバックが行われる、というキャンペーンですね。実際に行っているようですが、本当に後からお金が返ってくるのかちょっと怖いです。ただ、恐らくそのキャンペーンがなくとも、国内旅行の需要は上がっていっただろうと思います。長い自宅待機が続き、今もリモートワークをしている人が多い中、やはり夏になれば海にも行きたいという人がとても多いです。一応海外もトルコやイギリスに対し国境を開いたとは言え、今のところは国内のソチやカリーニングラード、ウラジオストクなどに行く人が多いように思います。

●タイ・バンコク / 木下麻衣子さん

Q1 帰国者と入国者を除く市中感染は2か月以上ゼロと感染防止に成功しているタイですが、どのような対策が行われてきたのでしょうか?

A1 食材や生活必需品を売るスーパー以外の商業施設が容赦なく一斉に閉鎖となり、夜間~早朝にかけての外出禁止令が出されました。また、マスクやアルコール消毒液の高額転売等を禁止する法令が早々に出され、誰もが通常通りの値段で手に入れる環境が守られていました。日本では見た目が美しくない、滑稽だなどの声もありますがプラスチック製のフェイスシールドを着けて行動する人の姿も多く見られました。ソーシャルディスタンスを保つ為に道端に数メートル毎にテープが貼られていたりエレベーターは1基に4人まで(大きさにもよる)、各々が四角に向かって立つように床に足形のシールが貼られているなど、他人とどの程度距離を保てばよいのかを目視することで徐々に意識も芽生えました。様々な面において総じて感じるのは、タイの人は皆ちゃんとコロナを怖がってるなということです。

Q2 感染者ゼロが続いているのに、非常事態宣言が繰り返し延長されているそうです、その理由というのは?

A2 非常事態宣言については、まだまだ何が起こるか分からないこの状況下においてある程度の強制力を保っておく必要があるのかな?と解釈しています。(例えばまた突然全ての飲食店営業停止!や、明日から○日間お酒の販売提供ともに禁止!など )

Q3 観光資源の多いタイ、観光業や経済の状況はどうなっていますか?

A3 国外からの観光客が一切いないため、かなり厳しい状況だと思います。接客業のお店が気付いたら宅配弁当屋に姿を変えていたり、大手ホテルからは在住者向けのお得なプランがたくさん出ており、次の週末を市内のどのホテルで過ごすかで話題が尽きません。スパやマッサージ店などではお買い得なバウチャー(2,000バーツ分が500バーツで買える!など)を発行するなどして現金回収に試行錯誤している様子が伺えます。在住者としましては、自粛生活で貯まった小銭をどんどんつかっていこうという心づもりです。

Q4 そのほか、タイならではの光景があれば教えてください。

A4 どこへ行くにも入口でQRを読み取ってチェックイン、出る時にはチェックアウトの記録を残します。思わず舌打ちしてしまうほど面倒くさいのですが、万が一のことを考えてしっかり記録しています。本当に面倒くさいので、特に用もなくちょっとこのお店覗いて行こう~といった無駄な行動をしなくなりした。お店や駅など、あらゆる場所のエントランスで検温があり入店が許可されるとシールが一枚貼られるので、行き交う人々は其々身体に色々なシールをつけて歩いています。シール屋さん、売り上げどれだけ上がったのかなーと密かに気になっております。