アメリカ、ジョンズ・ホプキンス大学の集計によりますと、日本時間の、きのう午後の時点で、新型コロナウイルスの世界全体の感染者数はおよそ1523万人、亡くなった方は62万人にのぼります。

感染者数に対する死亡者数、つまり「死亡率」は、世界平均でおよそ4.2%、日本はおよそ3.9%と、 世界平均とほぼ変わらない、数字となっています。

さて、このコーナーは世界各地の通信員に新型コロナにまつわる最新状況を伺っていますが、きょうは、死亡率がともに2%台のトルコと韓国に回線をつないでお話をうかがいます。

韓国・ソウル / ヤン・ジョンミさん

Q1 一時は落ち着いていた韓国ですが、再び感染者が増えていますよね?今の状況を教えていただけますでしょうか?

A1 現在、韓国の新型コロナ新規感染者数は50人前後を記録しており、このうち地域社会への感染が半分程度で、海外からの入国による感染が半分を占めている。政府はコロナの長期戦に備え対策作りに突入している。医療や防疫システム、持続的なワクチン開発はもちろん、休暇もできるだけ家で過ごすことを勧めている。

Q2 感染の再拡大を受けて、韓国ではどのような対策が取られていますか?

A2 大手大学病院などハイリスク施設でない所でも身元確認のためのQRコードが導入されている。もともとカラオケボックスやクラブなどで2次3次感染が発生してQRコードを導入したわけだが、今はソウル大学校病院でも義務化するなど、万が一の感染に備えた個人情報提供で感染者の動線を具体的に把握できるようにQRコードが活用されている。

Q3 コロナ禍で生活スタイルが変化したことはありますか?

A3 化粧品売り場は売り上げが減り、廃業も増えたのに、整形やクリニックは好況だ。マスクの着用で化粧品は口紅より目元の上の部分と関連するアイテムが人気。周りでもこの機会にクリニックで普段は出勤でなかなかできなかったプチ整形や施術を受ける人もいる。予想よりコロナ事態が長引くにつれ、夏休みシーズンにいわゆる「リベンジ消費」熱風が再び拡散している。休暇費を節約してブランド品を買うなどカバンや時計、ファッションまで拡散する傾向。もちろん、オフライン売場で対面ショッピングをするよりも、オンラインモールで非対面のアンタクト方式でショッピングする人が多い。この間、各免税店で行った免税品の在庫販売もインターネットにアクセスできないほど大人気。

Q4 日本では(東京以外が)観光刺激策「Go Toキャンペーン」の真っ最中ですが、韓国の観光はどうでしょうか?

A4 韓国は少し前まで消費を活性化させるため、災害支援金を政府、自治体などが支援し、在来市場をはじめ地域社会の消費を活性化させたが、依然として大都市を中心に集団感染が続いているため、旅行などは奨励していない。それにもかかわらず、済州島や自然が美しい海辺など休養地には多くの人が訪れて予約できないほどだ。

トルコ・イスタンブール / 加瀬 由美子さん

Q1 トルコの新型コロナ対策は20歳以下と65歳以上に限定して外出制限を設けるなど、世界でも珍しい対応だったと思いますが、この対応は一定の効果はあったと考えられますか?

A1 子供や高齢者は、感染率が高い、外部との接触を避ける意味で当然の措置と考え、国民の間に今までよりなお一層、弱者へのいたわりが大事だということを深く認識させるよい機会となったと思われます。

Q2 経済を止めないという考え方のもとでの対策だったと思いますが、トルコの経済状況はいかがでしょうか?

A2 トルコ経済は残念ながら前年度比からしても大きく落ち込んで、3ヵ月から4ヵ月も休業せざるを得なかった空白状態が原因で、政府の希望的観測に反して、いまだに景気回復の見通しが立っていないと言われています。

Q3 観光国でもあるトルコ、観光シーズンに向けては、どのような対応をしているのでしょうか?

A3 トルコではヨーロッパからも近い、エーゲ海沿いのムーラ県のボドルムとマルマリス、東地中海でトルコのリビエラと言われるアンタルヤなどを、今年も強力にアピールしています。トルコはすでに外国人観光客の受け入れを始めていて、新型コロナに特化した旅行保険なども販売されています。ホテルや輸送機関などはセーフ・ツーリズム認証という、文化観光省を中心に実施している、国の衛生基準の審査を受け、認証されないと営業出来ない仕組みになっています。

Q4 そんな中、世界遺産でもあるイスタンブールの博物館「アヤソフィア」をモスクとして運用する方針が発表され、波紋を呼んでいるようですね?

A4 アヤソフィアのモスク再転用は、野党や文化人たちなど国内にも多くの批判がありましたが、現大統領もこの建物の重要さと、文化施設として世界に誇るトルコの宝物をイスラム教徒だけに独占させようというのではなく、博物館としての機能もそっくり残し、世界中の文化を愛する人々とシェアするつもりで、政治上の最高裁判所である、国家総評議会が先月だした、博物館として残す、という決定を覆させても、モスクに転用の政令を出したと思います。今朝のテレビ生中継を見ていますが、各局のレポーターたちの報告では、昨日までに聖堂内の絨毯をすべて敷き終わり、外では地方からやってきて、公園内の芝生で野宿してまでも、この世紀の金曜ナマズ(金曜日の祈り)に参加したい人々も数多いるとのことです。