新型コロナウイルスの世界の感染者数は900万人をこえています。 各国で、経済活動が再開する中、新たな感染者を増やさないための対策が必須となっています。 テレワーク、時差通勤、オンライン授業、マスクの着用、手洗いうがい、ソーシャルディスタンスなど、ウィズコロナ時代のニューノーマルが世界中で広がっています。この時間は、フランスと中国に回線をつないで現地の状況をうかがいます。

●フランス・パリの郊外でレストランを営む、柳瀬充さん

Q1 先日、マクロン大統領が「第一段階の勝利」と発言されましたが、規制の緩和などの状況はいかがでしょうか?

A1 先日6月14日の日曜日に、急遽テレビ中継によりマクロン大統領からの宣言により予定より早く外出制限の解除を宣言されました。同時に国民のコロナ危機対応への称賛と今後の課題について話されました。生活は時徐々に普段通りに戻ってきており、公園などで賑わう姿は見て取れますが、他人との距離感や外出への警戒感は感じます。殆どの業態は再開していますが、大企業などは人数を絞って出勤させるなど、各社なりの対応が伺えます。大きなイベント事は中止延期になっていますが、先日の音楽祭はかなり規模を縮小して行われていたようです。

Q2 レストランを営んでいらっしゃる柳瀬さん、ご自身のお店や、ほかのパリの飲食業の状況はいかがでしょうか??

A2 レストラン業は最後の解禁になり、再開する事はできたのですが、店内で食事をする人が極端に減っており、テラスを広げて対応するお店が増えています。レストランの営業再開に際しては、国から衛生上の細かい指示がありました。客席の間隔を1メートル以上取ることやひとテーブルmax10人までということ、あと従業員マスクの着用はもちろんのこと、お客さんの店内移動時のマスク着用、各種アルコール消毒や直に触れるものを極力減らすことなどが義務付けられています。自店を含め、まだまだ以前通りのの営業には及ばないですが、徐々に客足が増えることを願っています。店によってはバカンス明けから再開するというところもあるようです。

Q3 コロナ以前と生活様式が変わったことは?

A3 挨拶の仕方ですね。フランスらしいビズやハグすることがなくなり、少しよそよそしさが感じられます。あとは、日本では普通ですが、外出後に手洗い、うがいをする人が増えているようです。

Q4 経済や観光など、フランス国内での今後の見通しは?

A4 他国同様、第二波の予測もあり各業種で先の見通しは付けにくい状況ですが、レストラン業を営む身としては、お客さんが安心してお店に来られるようになることを願うところです。

●中国・北京 / 鈴木 晶子さん

Q1北京では再び感染者が急増しているとのことですが、現在はどのような警戒をしている状況でしょうか?

A1 今月11日に感染確認されてから、二桁レベルで増加が続き、感染者があっという間に200人を突破。ただ、14日の36人をピークに現在は感染者の数も1桁まで減少している状態で、第2派のピークは過ぎたと見られています。北京は4月16日以降、56日間感染が確認されず、実は、6月6日に緊急対応レベルを2級から3級に緩和されたばかりだったんです。それまでは、マンションや各施設に入るには、住人カードを見せたり、健康であることを証明する「健康宝(健康カード)」を見せたりしなければならなかったのですが、3級に緩和され、検温だけで通過できるようになり、学校も高学年から徐々に通学できるようになりつつあったので、16日にレベル2に引き上げられた時は、やはりがっかりしました。その後の北京市の対応は非常に迅速で、レベル2に引き上げられた途端、16日深夜に学校から保護者に通学の取りやめの連絡があり、17日より、自宅でのオンライン学習へと戻りました。

Q2 北京のみなさんの様子、また報道などではどのようなことが報じられていますか?

A2 第一次のピークの時は、旧正月時期と重なっていたこともあり、「町から人が消えた」という状態だったのですが、今回は、人出は特に減ったと感じるほどではありません。ただ、レストランや娯楽施設など、最近やっと客足が戻りつつあったのが、またパタリと利用者が減り、かなり苦戦を強いられています。 また、緩和しつつあった国内移動が厳しくなり、PCR検査の需要が一気に伸びて、現在、7月頭まで予約が取れない状況になっています。

Q3 日本でも「新しい生活様式」「ニューノーマル」などが推進されていますが、中国のみなさんの生活スタイルに変化はありますか??

A3 一番変わったのは、マスク着用です。それまで、マスクをしていると「日本人」というイメージだったのですが、現在、北京でマスクを着用していない人はほとんどいません。また、オンライン授業を代表する、オンラインシステムが一気に充実しました。感染が拡大した途端に、オンライン授業やオンラインミーティングのAPPが一気に充実、その対応の速さは目を見張るものがありました。また、携帯の通信システムを利用した「健康管理」もすごいスピードで構築されました。現在、各施設入館時にQRコードをスキャンするだけで、北京に14日以上滞在しているか、感染拡大エリアに近づいていないかが証明されます。