今週月曜日、「緊急事態宣言」が全面解除となりました。テレワークが終了し、火曜日からオフィスに出勤している、という方も多いのではないでしょうか?とはいえ、まだまだ油断は禁物です。ソーシャルディスタンスを保ちながら、安全第一でお願いします。

さて、世界でも新型コロナウイルスを取りまく状況はさまざまです。この時間は、ニュージーランドと香港に回線をつないで現地の最新の状況をうかがいます。

現在、香港は「国家安全法」に対するデモで360人以上の逮捕者が出る騒ぎとなっていますが、ここでは、コロナの話題に絞ってお届けします。

●ニュージーランド第二の都市・クライストチャーチ 晝間 尚子ん

Q1 早い段階から厳格なロックダウンを行ってきたニュージーランドですが、改めて、これまでの経緯を教えていただけますか?

A1 ・感染者が28人の時点で全世界からの入国禁止(3月19日)その一週間後に、まだ死者も出ていない段階でロックダウン(3月26日からロックダウン)と対応がとても早かった。4段階の警戒レベルを作って、一番厳しいのがレベル4=ロックダウン。警戒レベルがあるから、分かりやすい一緒に住んでいる人をシャボン玉の中に入っているようなイメージでバブルといって、他のバブルと混じらないように、バブルの中で行動しようと政府が呼び掛けた。ロックダウンしたことで、みんなの意識が急激に高まり、感染しないように最大限気を付けたり、他の人に近づかない、距離を保つことが新しい当たり前、常識になった。

Q2 休業補償についてはどうだったのでしょうか?

A2 NZ政府がコロナで影響を受けた会社の給料を支援をロックダウン前から発表。1人週4万円ほどで、3カ月分まとめて雇用主に振り込まれる雇用主がオンラインで簡単申請、3日ほどで政府から振り込まれた

Q3 3日ですか!それは早いですね。では、いま現在のニュージーランドの状況について教えていただけますか?

A3 今ニュージーランドではほとんど毎日新規感染者は0人。たまに1人出ることもあるけど、市内で感染する可能性は低いとされている約2カ月お店もほとんど全部閉まっていて、ようやく先週、警戒レベル2へ。ほとんどの店が開き、職場に復帰、今週から学校が再開。日常が戻ってきたのではなく、新しい日常が始まったと感じる。どの店でも入る前に名前、住所、電話番号、e-mailアドレスなどの個人情報を登録してから入店、テーブルの間隔は広く、必ず除菌ジェルを使ってから入店するなど最大限に感染に気を付けている。

Q4 緊急事態宣言が解除になった日本も、参考にできることがたくさんありそうですね。では、ニュージーランドで、今後心配なことはありますか?

A4 今心配なのは第二波が来ること。でもロックダウンで国民の意識がぐっと高まったのと、感染者が出たらすぐ連絡して隔離できるようにどこでも個人情報をとっているから抑えられるのではないかと思う私自身現地留学会社を経営していて、国境がいつあくか分からない以上、留学生が新しく来れない状況にある。海外からの観光も一大産業なのでまだ時間がかかりそうで心配。

●香港 ラム 恵子さん

Q1 香港は新型コロナウイルスの感染者数は1000人ほど、死亡者数も数人と、オーバーシュートを起こさずに来ていますが、これまでの経緯を教えていただけますか?

A1 日本よりも早い時期に水際対策を徹底。3月中旬からは香港人外国人に関わらず入境者全員にPCR検査と14日間の強制検疫。検疫者は、GPSのついたブレスレットで追跡されます。違反者は、罰金と禁固刑です。1月末からは全ての学校は休校、公務員や企業にもテレワーク呼びかけ。映画館やナイトクラブ、カラオケ、麻雀館は未だに強制休業中です。先週から政府がオンライン申請で全香港人に布製マスクを配布中。マスクへの評判は、あまりよくなく皆市販のマスクをつけています。 市民は、政府が早い時期から入境者に対して強制的にPCR検査などの強制検疫を始めた事は高く評価していますが、その他の休業命令や補償、マスクの管理などには不満を示しています。

Q2 経済への打撃・休業補償などはいかがでしょうか?

A2 一年前から民主化デモで経済全体が大きな打撃を受けていた上にコロナ問題が重なり、香港経済は史上最低の落ち込みです。観光都市の香港で旅行者が来ない為、旅行業、ホテル、飲食業界全てで休業倒産が相次ぎ、大量解雇に繋がっています。政府からの損失補償や休業補償は、少しづつ各企業に渡りかけていますが、家賃の高い香港では焼石に水の状態です。解雇しないことを条件に、給与の半分を政府が払う救済策が発表されましたが、中小企業ではすでに大量解雇が広がっています。 

Q3 抑え込みに成功したと言われる香港でも、そのような状況なんですね・・・ただ、規制は緩和されているんですよね?現在の状況はいかがですか?

A3 先週から一部の中学高校で段階的に学校再開となりました。レストランもお店も感染対策を徹底することを条件に再オープン許可。全ての入り口で体温検査が行われ、テーブルは間隔を1.5m空けて最大8人まで。小さな食堂は、テーブル間に透明シートなどのしきりを設置しているところが多いです。中華料理は飲茶も含めて、大人数で食べることが多いので大変不便。

Q4 コロナについて、いま懸念されていることはなんでしょうか?

A4 香港人の懸念は、近い将来中国本土との境界を再開した時に無症状の感染者等が入ってきて大きな第二波が来ることです。コロナで大きく落ち込んだ経済社会が立ち直るのにはかなりの時間を要する上に、元に戻らないだろうと言う大きな不安を抱えている香港人が多いです。