あさって日曜日は「父の日」です。日本では、どうしても母の日ほど盛り上がっていない気もしますが、海外ではどうなのでしょう?けさは、ドイツ、そしてタイに電話をつなぎお話を聞きます。

ドイツ・ミュンヘン 小木由香さん

JK 日本では今週末が父の日なのですが、ドイツでも同じですか?

A ドイツでは「父の日」という名称こそあるものの、どちらかというと「男の日」。イースターの40日後の昇天祭の日と決まっていて、日本の日程とは違い毎年変動するので、今年は5月30日でした。

JK 男の日、なんですね。その男の日には何か贈り物をしたり感謝の気持ちを伝えるのですか?

A この日は女子会ならぬ男子会を開いて飲み明かしても文句を言われない特別な日。ミュンヘンでもビール満載の荷車を引っ張ってイザールの川岸で宴会したり、ビールバイクに乗り込みビールを飲み、大勢で漕ぎながら街を走り回る(勿論シラフの運転手付き)男達を見かけました。また、父と息子が出掛けるというのもよくあるようで、ママがいないところで男同士の話しをしたり、普段はないコミュニケーションの取れる1日を過ごす人も多いようです。

JK 父と息子で話し合う。いいな。

一般的なイメージとして、ドイツのお父さんは家庭の中で尊敬されている存在ですか?

A ドイツ人のお父さんは、勿論色々ですが、私の周りでは、比較的子育てに積極的、真面目に子供の進路や習い事を考え、子供の持ち物(自転車や靴など)は体に合ういい物をリサーチし、長い休み毎に旅行やスキーを計画し、土日祝日の公園はお母さんなしのお父さん率が非常に高く、家では嫌がらずに簡単な家事もこなす、お母さんにとってはストレスを溜めずに家事育児を共有する事のできる非常に心強い存在です。それもこれもドイツ人女性が強いが故なのかもしれないとも思いますが。

●タイ バンコクの山崎幸恵さん

JK タイは、国王の誕生日が父の日になっていると聞いています。

A そうです。国のお父さんは、王様という認識で、国王陛下の誕生日。5月に即位式が行われた新しい王様、ワチラロンコン陛下、ラマ10世の誕生日は7月28日なんですが、父の日は12月5日です。前国王のラマ9世、プミポン陛下のお誕生日です。プミポン国王はご在位70年でした。これは世界記録になりますね。

タイ国民は王室を大切にしていますが、中でもプミポン陛下は特に慕われていました。国民のことを考え続けたお人柄と、良い政治を行ったということで、大人気だったんですね。これまで、歴史上、タイで「大王」と呼ばれる王様は6人いたんですが、7人目の大王様になられました(現チャクリ王朝では3人目)。

ということで、王様が代替わりしても、引き続きタイの父の日=12月5日だったんですが、それは今年が最後になりそうです。

公式なアナウンスはまだありませんが、今年で没後3年になりますので、来年からは7月28日が父の日になると思われます。

JK なるほど。それで、父の日に、一家のお父さんに何か感謝の気持ちを伝える習慣はあるのですか?

A タイでは父の日に黄色い花や黄色い服をお父さんに贈ります。

JK 黄色ですか。

A これには理由がありまして、王様の誕生日の色なんですね。タイでは誕生日の色が決まっているんです。月曜生まれが黄色、火曜がピンク、水曜の午前中が緑、午後が黒...というふうに、その曜日の色や仏像が決まっていて、自分が生まれた曜日の色のものを身に着けたり、生まれた曜日の仏像を拝むことが幸運をもたらすと信じられているんですね。タイ人は自分の血液型や星座はしらなくても、生まれた曜日は知っていて、性格や運勢を占っています。ちょっと調べてみましたら、(1958年11月1日生)カビラさんの誕生曜日は土曜日。曜日の色は紫です。

JK ありがとうございます。紫ですか。

A 紫の人の性格は、人生の出発点から厳しい試練が課せられているので、忍耐力があり、努力家。孤独を好むがストレスを感じやすい。向いている職業は、美容関係、不動産業、軍人。当たってますか? 音楽とかサッカーとか、かすりもしないんですが、(ちなみにラジオのDJが適職とされているのは水曜の午前中生まれの人)前国王の誕生日が月曜でしたので、黄色いものをプレゼントしていたのですが、新しい王様になったら色が変わるのかなと思ったら、ラマ10世も月曜日生まれでした。ということで、これからも引き続き、タイの父の日のテーマカラーは黄色です。