東京オリンピック、パラリンピックを2020年に控え、大会ボランティアの募集が来週26日から始まります。組織委員会は8万人の確保を目指していますが、その待遇については、様々な意見が寄せられていますね。さて、海外で大きなイベントを行ったばかりのあの都市ではボランティアのみなさんはどんなかかわりをしたのでしょう?けさも2つの国の通信員に電話をつないでお話を伺います。

「イベントボランティアの活動はさかんですか?」

イギリス ロンドン 川合亮平さん

「さかんです」

インドネシア ジャカルタ 神成美智子さん

「インドネシアの人にとってボランティアはふつう」

●イギリス ロンドンの川合亮平さん

Q 2012年のオリンピックで多くのボランティア活動によって支えられたロンドンですものね。

A ロンドン市が主導となり、 'Summer Like No Other'(=他のどこにもない夏)というキャンペーンが発足されました。このキャンペーンの目的は、ロンドン五輪が開催される2012年のロンドンの夏を特別なものにしようというものです。その中の主軸になるプログラムが、"Team London Ambassadors"という市民ボランティア・プログラムでした。国内はもとより世界各国から訪れる数多くのビジターを、ロンドンの街中で笑顔で歓迎し、様々な質問に答え、ロンドンの魅力を伝えるのが主な仕事です。

応募条件は、ロンドンという都市の顔になりたいという情熱のみ!

実は、2012年、ロンドンで彼らのことを取材したんですが、ボランティアのやり甲斐を尋ねたところ「人の役に立っているという感じが嬉しい」「人を笑顔にできるのが最高」「世界中の人々から会えるのが役得」など、みなさん、本当にいきいきと活動されていました。さて、次にあげる数字、何を表しているかわかりますか?

●30,000人:

Q さあ、なんでしょう?

A 五輪開催の数年前に、ボランティアの募集が各メディアを通じて大々的になさました。応募はウェブを通じて。3万人以上の募集がありました。

では、●8000人は?

Q わかりません!

A 最終的に8000人の市民ボランティアが採用されました。採用プロセスは、書類選考と面接です。その後、3種類のボランティア研修、そして最終的な実地研修を受けることが義務付けされていました。(かなりしっかりしたプロセスと言えますね)ボランティアブースは、ロンドン市内の要所40箇所に設置され、採用されたボランティアの人々の使用言語は40カ国以上に上りました。

Q 40か国で対応してくれたんですね。東京もできるかな...。

A ご存知の通り、ロンドン五輪は、開催前の大方の予想をはるかに上回る大成功を最終的に収めたのですが、その成功の大きな要因の1つが、この"Team London Ambassadors"で文字通り"ロンドンの顔"の役割を果たしたボランティアの方々だったと言われています。ちなみに、このボランティアプログラムの大成功を受けて、ロンドン市では五輪開催の2012年から翌年以降も毎年夏になると、この"Team London Ambassadors"を立ち上げて、ロンドンを盛り上げています。2018年の今年も600名のボランティアが活躍しました。"Team London Ambassadors"と関わったロンドン観光客のうち97%の人が、またロンドンを訪れたいと思っているという調査結果も出ているくらいです

JK やはり、観光客のみなさんが東京にまた来たいと思ってもらうためにはボランティアのみなさんの対応いかんによっているといえそうですね。

●インドネシア ジャカルタ 神成美智子さん

Q 先ごろ、アジア最大のスポーツの競技大会、アジア競技大会が終わったばかりですものね。多くのボランティアのみなさんの力を借りたことでしょう。

A 自分の経験値があがるので、積極的に参加したいと、思っている人が多い。 主に大学生(時間に融通のきく人)が参加しています。ボランティア活動をする理由として、新しい経験を積みたい 80%、新しい人との出会い、人脈作り、カッコよく見えるから  20%、インドネシアの学生は、ボランティア経験を履歴書に書きます。履歴書にかける、証明書が出ることも、ポイントが高い。

Q なるほど。では、どのようなイベントで活動するのですか?

A 先ごろ開催したAsian Games 2018  ボランティアの数=13,000人

支給されたもの: 日当 Rp300.000 (2800円)、ボランティア制服(シャツ3枚、ズボン2枚、鞄)昼・夜の食事、 参加したことの証明書採用までの流れ: オンライン登録→性格テスト、FGD、面談(英語)⇒合格したらトレーニングに入る

Q 無償ではないのですね。しかもインドネシアで、2800円の日当は結構な報酬になりませんか? ほかにはどんなイベントで参加することが多いのですか?

A Java Jazz Festival  ボランティアの数=?

支給されたもの: 日当 は無し、スタッフTシャツ3
         昼・夜の食事、 IDパス(出入り自由)、アーティストのCD
採用までの流れ: オンライン登録→書類合格者にはメールで通知→履歴書とメールのプリントアウトを持って、第一次面談を受ける(15分)→合格者にはメールで通知→第二次面談を受ける →合格※Java Jazzは毎年ボランティアの倍率が高く、経験者は優遇される。ボランティア経験のない人は、少し難しい。入場料が高いので、ボランティアで入りこみたいと思う学生も多い。

JKそうか。音楽イベントのボランティアは無料でライブを聞くことができる。それはいい。