今回はリスナーのHAPPYさんからの質問にお答えします。

質問の内容を ご紹介しますと、

父が亡くなり、実家を処分しました。父の土地建物を不動産屋に売却し、売れた金額を家族4人で分割、相続しました。来年確定申告をするのですが、その際の注意点について教えて下さい。

お亡りになったお父様が所有していた土地を売って、その金額を家族四人で分割して相続。その場合、確定申告はどうすればいいのか、ということですね。

今回は、東京税理士会の池田尚美さんに教えていただきます。まずは、注意すべきなのは、どんなことでしょうか?

親御さんから相続した土地建物を売却した場合には、翌年に、所得税の確定申告をしなくてはなりません。そして、この申告については、いくつか注意しなければいけない点があります。

ひとつめは、その土地建物の取得時期、つまり「いつ買ったか」という点です。相続した日ではなく、親御さんが取得した日になります。所有期間が5年以下の短期の場合と5年を超える長期の場合では税率が異なるので大変重要です。

ふたつめは、取得費、つまり「いくらで買ったものか」という点です。これも親御さんが買った金額になります。購入時の資料などがあれば、それをもとに計算をします。

亡くなった親御さんが、いつ買ったものなのか、 これが重要ということですね。 また、いくらで買ったものか?これも必要。よくわかりました。では続いて、申告手続きでの注意点についても教えて下さい。

相続した土地家屋にのみ、適用できる特例がいくつかあります。これができれば収める税金を少なくすることができます。例えば、「相続空き家の3000万円特別控除」という特例があります。これは、売却した家屋が一定の条件で、相続後誰も住まなくなって空き家になった場合に、適用できます。今回のご質問の場合は、4人でご相続ということでしたので、4人それぞれが特例の適用を受けることができます。

今年すでに売却をされた方は、申告は来年だから・・・と先延ばしにせず、資料の準備や特例の適用があるかないかなどについて、お早めに税理士にご相談下さい。

相続した後、ずっと空き家になっている場合、その家がいつ建てられたかなど、一定の条件をクリアすると、特別控除の対象になる、ということですね。やはり、個別の状況ごとに注意するべき点も異なりますし、特例にあてはまるかどうかなど、お近くの税理士さんに相談されることをお勧めします。

なお、ご相談いただいたメールのHAPPYさんは、4人で相続された、ということでしたので、4人それぞれが申告する必要があります。税理士さんへのご相談は、お早めに。   

今月は、東京税理士会の池田尚美さんに教えていただきました。ありがとうございました。