今週は、リスナーのマリコさんからの質問にお答えいただきます。

質問の内容は、「新しくビジネスをはじめようと考えていますが、気をつけるべきお金の事、税の事を教えて下さい。」ということ。

これから新規でビジネスを立ち上げられる、ということですが、税制面では、どのようなことを準備する必要があるのでしょうか?東京税理士会の山中孝一さんに教えていただきます。

まず、ビジネスを始める場合に 気をつけるのはどんなことなのでしょう?また、個人事業で行うパターンと、会社を設立するパターンがあると思いますが、どちらがお勧めなのでしょうか?

お金については、現金や預金を「事業のもの」と「私生活のもの」とはっきり分けることが望ましいです。

特に個人事業の場合は一緒になってしまいがちですが、その結果「儲かっているのか否か」の判断ができなくなります。後で税金を納付するためのお金も準備しておかなければなりません。そして、個人事業にするか、会社を設立するかについては、ご自分一人で開業する、ということを前提としますと、個人事業としてスタートすることをお勧めします。

会社を設立するには、法務局に「法人の設立登記」をしなくてはなりません。この手続きには割と費用がかかります。また、税金の計算も複雑で、税理士に依頼しないと難しいと思います。

一方、個人事業者としてスタートする場合であれば、税務署に「事業開始届」などを提出するだけで済みますし、税金の計算も国税庁のホームページを利用して ご自分で申告することも可能です。会社の設立は、個人事業を継続した結果、ある程度の事業規模になってからをお勧めします。

個人事業で始めて、軌道に乗ったところで会社設立。まあ、これが一般的な道のりですかね。では、新たに事業を始める際、税金を払うための準備については、どう進めればよいのでしょうか?

 簿記を勉強したことがない人にとってはハードルが高い話ですが、一番大切なことは、売上帳や現金出納帳など帳簿を付けるということです。正確に云いますと「複式簿記で記帳する」ということになります。売上の合計から 仕入れや経費を控除することで、利益を客観的に数字で判断できます。今はパソコン用やスマホ用の会計ソフトなどが安く販売されていますので、簿記の知識がなくても、帳簿は比較的簡単に作成でき、この数字を基に確定申告まで行うことができます。

マリコさん、いかがでしょうか?より詳しくは、税理士さんにご相談ください。そして、新しいビジネス、頑張ってくださいね!今回は、新規ビジネスを立ち上げる時に税制面で考えておかなければならない点について、東京税理士会の山中孝一さんに教えていただきました。ありがとうございました。