税理士さんによる わかりやすい税のワンポイント解説をお届けしています。今朝は東京税理士会の三森れい子さんに教えていただきます。テーマは、今週から始まった、確定申告です。まず、確定申告が必要なのはどんな人なのか、教えてください。

サラリーマンは原則として確定申告の必要はありません。勤務先が所得税や住民税を毎月差し引いて、年末調整によって精算するからです。しかし、サラリーマンでも次のような方は確定申告をしなければなりません。2か所以上から給料をもらっている人や年収が2000万円を超える人、年の途中で退職した人などです。また、サラリーマンであっても、給料のほかに家賃収入や土地建物を売った収入がある人、満期になった保険金を受け取った人など、給料以外に何らかの所得があった場合には確定申告をしなければなりません。

サラリーマンの場合でも2ヶ所以上から給料をもらっている人、年収2000万円以上の人、給料以外に何らかの収入があった人。これに当てはまる人が確定申告の必要があるとのことですが、そのほか、気をつけておきたいケースはありますか?

子どものアルバイト収入が103万円を超えてしまうと、親の扶養にできなくなります。親の方で気がつかなくても、会社は市役所や区役所に給与支払報告書を提出しなければなりませんので、親と子の支払報告書が照らし合わされて、扶養親族ではないと判明します。その後資料が税務署に届き、会社は年末調整をやり直して、増えた税金を親から徴収します。確定申告をした人の場合は、申告者本人に税務署から間違えている旨の連絡があり、修正申告をして追加の納税をすることになります。この場合は、増えた税額によっては加算税や延滞税がかかる場合があります。

お子さんのアルバイト収入を把握していないと、追加で納税の必要が出てくる、ということですね。これは気をつけなければいけません。そのほか、いろんな控除があって確定申告する場合もありますね。

確定申告の必要がなくても申告したほうがよい場合があります。医療費控除やふるさと納税による寄付金控除についてはよく知られていますが、自分で確定申告をしなければ控除されません。住宅ローン控除も1年目だけは確定申告をする必要があります。そのほかにも学校や政党への寄附、また、豪雪地帯の雪下ろし費用やシロアリ駆除費など、年末調整では計算されない所得控除があります。昨年は地震、台風、豪雨など各地で大きい災害が立て続けにありました。災害で住宅や家財の損害にあわれた方は雑損控除、または災害減免額のいずれかの控除を受けることができます。一定の要件がありますのでお近くの税理士にご相談ください。

自分で確定しなければ、控除されないケースがいろいろありますのでお忘れないように。今月のワンポイント解説は「確定申告」をテーマにお送りしました。