毎月1回、税についての「頼れるパートナー」として、税理士さんによるわかりやすい税のワンポイント解説をお届けしています。 今朝は東京税理士会の高橋浩之さんに教えていただきます。

いよいよ来月15日から確定申告がはじまりますが、書類提出のため、税務署に行くと、混んでいる場合もありますね。今年からスマートフォンで確定申告ができるということになったそうですが、詳細を教えて下さい。

以前からもネットで確定申告書を提出することはできました。これを電子申告といいます。ただ従来はパソコンとマイナンバーカード、それからICカードリーダーの3点セットが必要だったんですね。この準備がちょっとネックでした。それが、この1月から3点セットがなくても、スマホから電子申告ができるようになりました。これからは、申告書の作成、提出から申告済みデータの保存までを、1台のスマホで完結させることができます。私も試しに専用画面からスマホの入力を進めてみました。画面はとてもシンプルです。表示される質問に、順番に答えたり、入力していくことで完了します。それほどストレスを感じることなく、申告を済ませることができそう。これが素直な感想です。電子申告は、確定申告期間中は土日や祝日を含めて24時間行えます。自分の都合で、いつでもスマホから申告ができるというわけですね。おまけに、電子申告だとふつうより早く還付金が振り込まれます。これも嬉しいです。

なるほど。スマートフォンによる電子申告では、スマホだけで、いつでも確定申告ができるうえに、電子申告の場合は、還付金が早く振り込まれる!これはメリットですね。そして、、、「ICカードリーダーやマイナンバーカードなどを準備しなくてもいい」ということですが、はじめてスマホで申告する時でも、すぐに手続きできるのでしょうか。

スマホでの電子申告にはIDとパスワードが必要です。でも、これはネットで取得できないので、一度は税務署へ足を運ぶ必要があります。全国どこの税務署でも構いません。ご自宅の最寄りでなくてもOK。運転免許証などの本人確認書類を持って税務署へ行ってください。税務署職員との対面で本人確認が済んだら、「ID・パスワード方式の届出完了通知」が発行されます。

IDとパスワードは税務署で発行してもらう必要があるとのこと。その際、本人確認書類も必要です。この手続きは自宅の最寄りでなくても、全国どこでも、例えば 勤務先の近くの税務署でもOKなんですね。最後に確定申告で還付金を受け取られるケースについて教えて下さい。

おなじみの控除としては、医療費控除、寄附金控除、住宅ローン控除などがあります。そのほかに、年末調整のときに会社へ出し忘れた保険料の控除証明書などが出てきたり、稀ですけれど、年末調整の控除にモレがあったときは、申告することでその分の還付が受けられます。

今年から、確定申告はスマートフォンでもできますので、医療費控除、寄附金控除、住宅ローン控除など、該当する方はお忘れなく。今月のワンポイントアドバイスは、スマートフォンで確定申告。東京税理士会の高橋浩之さん、ありがとうございました。