今朝はイランから。特に断食のラマダン時期によく食べられる、朝の定番シチュー「ハリーム」についてご紹介します。

今朝はイラン・イスラム共和国です。長い歴史の中で「ペルシャ」と呼ばれてきたイラン。主な住民はペルシャ系の人々ですが、アラブ系、トルコ系などまるでユーラシア大陸の縮図のような民族構成の国です。いずれの民族も、定住しない遊牧民族の文化を持っていて、交易を通じて異文化を取り入れてきました。

首都テヘランの歴史地区の中心部には、最古の建造物のひとつで、きらびやかな世界遺産の「ゴレスターン宮殿」がそびえています。19世紀に入ってからは王家の住居と、政治の中心地となりました。特徴的な装飾が施された7つの博物館と、「ゴレスターン」の意味でもある「バラの園」という名の、美しい「ペルシャ式庭園」が建物の中庭にあって、現在は一般の人々も訪れる観光名所となっています。

シチューの「ハリーム」が朝の定番

砂漠主体の国と違って、イランには四季がある点が特徴で、季節ごとに美味しい作物が採れ、肉や魚も手に入ります。長い歴史で進化し続けたイラン料理(ペルシャ料理)では、さまざまなスパイスやハーブ、フルーツがたくさん使われています。中でも年間を通してバザールのスナックフードとして売られているのが小麦、レンズ豆、肉、スパイスから作られたシチュー「ハリーム」。手間と時間がかかる料理なので、家庭で作る事はあまりなく、お店で売られているものを買うのが一般的なんだそう。現地でポピュラーな羊の肉は煮込まれてほとんど原形をとどめませんが、「だし」として味が主張しています。シナモンや砂糖、バター、ココナッツなど、お菓子のような味がプラスされて、えもいわれぬ深い味わいを醸し出してます。主食でもあるナンをちぎって、「ハリーム」につけながらどうぞ。

今朝はイランのシチュー「ハリーム」をご紹介しました。早朝から開いている市場のバザーの売店で買ってから家に持って帰って食するのが一般的です。