今朝はエジプトから「命を支えるパン」という意味があり、エジプト料理には欠かせない「アエーシ」をご紹介します。

今朝はエジプト・アラブ共和国です。さきほど、世界遺産の話題がありましたが、実は、エジプトには「ユネスコ」が立ち上がるきっかけとなった遺跡があります。

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首都カイロから南、およそ1000kmのところにあるのが、史上最大の王ともいわれる「ラムセス2世」が築いた高さ33メートルの「アブシンベル大神殿」。これは、3000年以上前、岩山を、まるで彫刻のようにけずった神殿で、1813年に発掘されるまで砂の中に埋まっていたため、ほぼ無傷で残りました。

しかし、その後、ナイル川をせき止めてダムを建設することになり、この「アブシンベル神殿」をはじめとする「ヌビア遺跡」が水没の危機にさらされることになりました。

そこで、ユネスコがこれらの古代遺跡を移設することを後押しし、背後の高台に全く同じ形で再建されました。この事業がきっかけで「世界遺産」の条約創設がスタート。つまりエジプトの古代遺跡は「世界遺産」の第一号といえるのです。

エジプトの主食といえば「アエーシ」。

「アエーシ」とは、古くからエジプトで食べられている丸いパンです。エジプトでのパン作りは、古代エジプトの時代に始まったとされ、豪族のお墓にある壁画に、その様子が残されているほどです。「アエーシ」は、高温の窯に入れて短時間で表面を焼き上げるため、パンの中の蒸気が外に逃げず、空洞になったまま膨らみます。イーストを使わないので、小麦の風味をダイレクトに楽しめます。具をはさんで食べるのが一般的です。

レストランだけでなく、街中のいたるところで売っているポピュラーな「アエーシ」。朝はそら豆を煮込んだ「フール」をつめたものをいただきましょう。

今朝はエジプトの「アエーシ」をご紹介しました。都内にあるエジプト料理店でも「アエーシ」を食べることができるようです。