今朝は、四国の徳島県、北西部にある美馬市です。徳島県を西から東に流れ、徳島平野にいたる吉野川。流域にある美馬市は台風による洪水を繰り返すのため、かつては稲作が難しい土地とされていました。しかし、度重なる氾濫のおかげで土壌が豊かなになり、染めものに使う草「藍」の生産が盛んになりました。

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戦国時代には、藍の色の1つ「勝色」が、勝利につながり縁起がよいと武士の間で評判になりました。江戸時代にはこの「藍染め」が全国に知れ渡るようになり、一大産地として潤いました。隣接する家の屋根との間に、瓦葺で漆喰を塗った小さな柱の「うだつ」があることが、富の象徴としてもてはやされ、今もなお立派な85棟の歴史的建造物が建ちならびます。

⚫徳島県の郷土料理は「おでんぶ」です。

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「おでんぶ」とは、金時豆などの豆類と根菜類、そして 高野豆腐や、こんにゃくが入った煮物のこと。出汁をベースにした、あっさりとした味わいが特徴です。もともとはおせち料理や新築のお祝い料理として黒豆と貴重な砂糖を使って煮込み、甘みを楽しむ、特別なごちそうだったとされています。

今では家庭料理としてすっかりポピュラーになり、入れる野菜などにはさまざまなレシピがあります。メインというよりは、つけあわせのおかずの一品で、朝は小鉢に入って出されるのが一般的。日持ちがするように梅干しを入れて煮込むこともあり。ほんのりした酸味がアクセントのものもあるとか。熱いお茶とあたたかいごはんと一緒にどうぞ。