今朝は山形県酒田市です。
酒田は、北前船の寄港地の中で最も栄えた都市のひとつとされています。

「北前船」は、江戸時代、北海道の港から日本海の港を経由する航路で江戸や大阪に米や魚を運んでいました。太平洋で黒潮の流れに逆らう東廻りの船よりも大量の荷物を安く運べるので、さかんに利用をされました。

さらに荷物の運搬にとどまらず、立ち寄る港で安い商品を仕入れ、高く売れる物があればそこで売る「商売」をくり返し日本海を移動。船は「米を1000石(およそ150トン)積むことができる」
という意味から千石船とも呼ばれ、巨大な帆1枚で進む立派な船でした。

●山形の「だし」は「漬物」のこと。

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一般的に「だし」といえば、昆布やかつお節などを煮出した「汁」のことをいいますが、山形の「だし」は、郷土料理のお漬物のことです。
きゅうり、なすなどの夏野菜と、みょうが、しそなどの香味野菜をみじん切りにして混ぜ合わせ、しょうゆや酒で味付けします。味をなじませるために、数時間寝かせるのが一般的で、
細かく刻んだ浅漬けのお漬物のような食べ物です。

もともと山形県の内陸部で古くから食べられていた家庭料理ですが、素材の鮮度を保てないので、商品として売られていませんでした。しかし素材の殺菌消毒など、衛生管理が徹底されるようになり近年は全国的にも流通し、広く知られる存在になりました。
もともと即席の漬物なので、ありあわせの野菜を刻んで使うなど家庭によってそのレシピはさまざまです。地元ではこの時期の朝ご飯には欠かせない一品。

あつあつの白いごはんと一緒にどうぞ。。