今朝は福岡県です。

朝倉郡東峰村には江戸時代初期から続く、「小石原焼」と「高取焼」という陶器の窯元があることで知られています。

「小石原焼」は普段使いの食器などが中心の焼き物で、どっしりとして、素朴で温かい風合が持ち味です。

一方の「高取焼」は茶道で評価されている陶器で、薄さと軽さが持ち味の、きめ細かく繊細な生地が特徴。絶妙な調合で作られた「うわぐすり」の模様が美しい、美術品としての要素もある焼き物です。

●朝倉では独特な「雑煮」で新年を迎えます。

朝倉郡や周辺地域の家庭で食べられているのは、福岡県でもこの地域だけの「蒸し雑煮」と呼ばれるもの。見た目は「茶わん蒸し」で、中にお餅が入っている「お雑煮」です。

器の底に薄切りにした大根を敷き、丸餅を置いて、鶏肉、海老、かまぼこ、椎茸、ぎんなんなどの具を乗せ、だし汁と溶いたたまごを加え、固まるまで蒸したらできあがり。

まだ鎖国状態だった江戸時代、長崎の警備をしていた福岡藩や秋月藩に長崎の茶わん蒸し料理が伝わり、お正月の「お雑煮」になったとされています。焼いたものでも煮込んだものでもないお餅は、まるでつきたてを再現したような食感になるとされています。

みつばを乗せて、あつあつのうちにどうぞ。