今朝は岩手県の滝沢市です。県庁所在地・盛岡市に隣接するベッドタウンですが、もともとは、のどかな農村地帯。人間と馬が同じ屋根の下で暮らす、「南部曲り家」と呼ばれる住居が多くあった地域です。

今では古民家として保存されている建物のみになりますが、かつて、このあたりの人々が、農耕用の馬に家族同然の愛情を注いでいたことがわかります。

そんな滝沢市と盛岡市で、明日、農耕馬に感謝する「チャグチャグ馬コ」という伝統行事が行われます。「チャグチャグ」とは、馬がつける鈴の音のこと。色鮮やかな装束で着飾った100頭以上の馬とその飼い主が、町なかにある馬の神さまをまつる「鬼越蒼前神社」に参拝し、盛岡八幡宮までのおよそ14キロの道のりを、ゆっくりと行進、200年以上の歴史がある行事です。今年も、地元の人々はもちろん、県外からの観光客でにぎわうことでしょう。

●滝沢市は雑穀の生産地です。

初夏の頃から、東北地方の沿岸には、太平洋からの冷たく湿った風が吹いてきます。「ヤマセ」と呼ばれているこの風によって、昔から何度となく冷害に襲われ、農作物が被害を受けてきました。そんな涼しい気候風土でも収穫できる作物として、岩手県中部では雑穀が盛んに栽培されてきたのです。

以前は白米に比べると安くて庶民的な食材だったあわ、きび、ひえ、ハトムギなどの雑穀類。今では食物繊維やミネラルを多く含む健康食品として知られます。朝は雑穀がたっぷりはいったおにぎりをいただきましょう。

あたたかいお味噌汁と一緒にどうぞ。