今朝は中央アジア、タジキスタン共和国です。国土のほとんどが山岳地帯で、国土の半数が標高3000メートル以上。ペルシャ語で「世界の屋根」を意味するパミール高原は、周辺の国々にまたがり、かつてシルクロードでは重要な地域でした。行き交う人々を監視するための砦が築かれ、それらが今も残ります。パミール高原の南側で、アフガニスタンとパキスタンに挟まれたエリアは登山愛好家に「秘境中の秘境」として知られる「ワハーン回廊」。山々の壮大なスケールでの景色は息を飲むほどの美しさですがのどかな農村地帯に住む、素朴な人々の生活もまた魅力です。この「ワハーン回廊」には地元の人々が利用する温泉もあり、旅行者にとっても旅の疲れを癒す場所としても人気があります。

●タジキスタンの朝食は「ナンと乳製品」ではじまります。

タジキスタンの人々は、牛乳から作った乳製品と一緒に主食の「ナン」をどんな食事にも食します。朝は「カイマク」と呼ばれる乳製品をいただきましょう。これは牛乳をゆっくりと温めてから、低温で長時間煮込み、火を止めた後にその上澄みをすくい、自然に冷やして、何日かかけて発酵させるという生クリームやバターのような食べ物。乳脂肪分が高く、濃厚な風味と豊かな味わいが特徴です。「ケフィル」と呼ばれるヨーグルトもまた朝食の定番ですが、いずれも自家製のナンをちぎって、浸しながらいただきます。乳製品は砂糖やフルーツなどで甘くはせずに、塩味にするのがポピュラーな食べ方です。昔から中央アジアの遊牧民が伝えてきた、ミルクティーの「シュルチョイ」と一緒にどうぞ。