今朝は、日本時間今週月曜日朝に アメリカ、ロサンゼルスで開催された第93回アカデミー賞について、フォーカスします。

主要部門の受賞を振り返りますと、作品賞が『ノマドランド』。

監督賞も同じく『ノマドランドクロエ・ジャオ

主演女優賞も『ノマドランド』のフランシス・マクドーマンド

主演男優賞は『ファーザー』のアンソニー・ホプキンス

助演男優賞は『ユダ・アンド・ザ・ブラック・メサイア(原題)

/ Judas and the Black Messiah』のダニエル・カルーヤ

助演女優賞は『ミナリ』のユン・ヨジョン

例年から2か月ほど遅延して開催された今年のアカデミー賞授賞式。アカデミー賞を主宰する映画芸術科学アカデミーの意向によってリモート出演ではなく、候補者は原則、受賞会場に出席することが条件で執り行われましたが、それゆえにか、ハプニングもありました。

例年、番組でアカデミー賞を振り返っていただいている映画ジャーナリストであり、ハリウッド外国人記者クラブの会員である中島由紀子さんに伺います。

JK:中島さん、まずどのような印象を受けましたか?僕は、主催者側のDiversity & Inclusionをアピールしようという姿勢が印象的でした。

中島:zoomは使わず、すべてstreaming で生のレッドカーペット生の授賞式 生の実況放送と言う事だったので 期待は大きかったのですがパンデミックの影響はどんな風に変えてやって見ても何かが欠けてる感がつきまとうものだと実感しました。アカデミー協会が非常にdiversity ここでは黒人への気遣い に気を使っているのを表面に押し出されていました。#oscarsowhite で騒がれたのが2016。少しずつ変わってきたアカデミーですが George Floyd の事とかアメリカのsystematic racism が暴露されてる現在 協会の気使いは痛々しいくらい。オープニングから、レジーナ キングのモノローグで、ジョージ フロイドの事、まかり通る警察の人種差別(特に黒人への) へのコメントを入れてた事は驚きでした。というのも、社会問題をアカデミー賞に入れない事を厳しく守って来て突然受賞者やプレゼンターが社会問題に触れるコメントを入れたりするとpersonal propagandaとして忌み嫌っていた協会です。オープニングコメントから ヒューマニタリアン アワードをもらったTyler Perry のスピーチ、 受賞者のスピーチも入れて ずっと一貫して社会問題 組織だった黒人差別を表に出した事に 変わったなあ とビックリしました。

何かが崩れた と言う印象を持った一般視聴者のSNSでのコメント。個人的には ここまで気を使わ無いとダメ?と言う感じ。一般映画ファンがコネクト出来なくなった楽しくないアカデミー賞と言うコメントも。正直面白くなかったです。隅から隅までダイバーシティへの気遣い。今年はこれで良かったのでしょうけど、今年のアカデミー賞は良かった と言うコメントは聞こえてきません。映画ファンが楽しめていない授賞式はどうなんでしょう...。

JK: 例年、作品賞が最後に発表され、授賞式が幕を閉じるのですが、今年は主演男優賞の発表が最後。アンソニー・ホプキンスの主演男優賞受賞が番狂わせでしたか?最後に主演男優賞を設定した顛末が酷評されました。それをどうご覧になりますか?

中島:授賞式のエンディングの失敗に、一般の方はこだわって無いようです。むしろ、お亡くなりになったChadwick Boseman の受賞を期待していた映画ファンが多く、彼が受賞出来なかった事を嘆いている人は多いです。Chadwick Bosemanの受賞 そして妻の涙のスピーチと言う盛り上がりで幕を閉じると予定して主演男優賞の発表をショーの一番最後に持って行ったのに。

しかし、どんな状況でも投票の結果は当日まで誰も 絶対に 教えてもらえない 事が明白になって喜んでる人もいます。

JK:今年の対象期間は2021228日まで延長されました。となると、来期の対象期間は結果、2ヶ月短縮されるのでしょうか?

中島: 2022年の授賞式は227日と発表されました。今年、12月の初めに preliminary voting (外国語映画など ある程度ふるいにかける投票)がスタートし1月の初めにノミネーション投票がスタート 締め切り。ノミネーション発表が1月13日の予定。

JK: 映画ファンが純粋に楽しめなかったというアカデミー賞。それでも、ダイバーシティへの配慮というのも、皮肉ですね。ハリウッド外国人記者クラブの日本人会員で映画ジャーナリストの中島由紀子さん、ありがとうございました。