けさは、「プラスチック・フィッシング」という活動に注目します。
プラスチック・フィッシングとは、水辺に捨てられた使用済みプラスチック製品をネットなどの網で釣る活動のこと。廃棄されたプラスチックの行き場をめぐり、世界各地で警鐘が鳴らされています。こうした状況の中、オランダ・アムステルダムの企業「プラスチック・ホエール」が始めたのが、プラスチック・フィッシングなんです。
運河の町、アムステルダム、水面に浮かぶプラスチックのペットボトルをボートに乗って釣り上げる。こうしたボートツアーを企画し、一般のみなさんに参加してもらい、プラスチックの消費者自らが廃棄プラスチックを回収するという仕組みをつくってきました。
けさは、そんな「プラスチック・フィッシング」を手がけるオランダの企業、「プラスチック・ホエール」社の創業者、マウリス・スミット Marius Smitさんが来日中。来日の合間をぬってスタジオにお越しいただきました。
運河の町、アムステルダム、水面に浮かぶプラスチックのペットボトルをボートに乗って釣り上げる。
こうしたボートツアーを企画し、一般のみなさんに参加してもらい、プラスチックの消費者自らが廃棄プラスチックを回収するという仕組みをつくってきました。
けさは、そんな「プラスチック・フィッシング」を手がけるオランダの企業、「プラスチック・ホエール」社の創業者、マウリス・スミット Marius Smitさんが来日中。来日の合間をぬってスタジオにお越しいただきました。
JK プラスチックのペットボトルを回収するプラスチックフィッシングという活動。具体的にどんなことをなさっているのか、お聞きしましょう。
わたしたちプラスチックホエール社の活動はプラスチックのフィッシングにとどまるものではありません。フィッシングそのものは8年前に始めましたが、アムステルダムの運河、そしてロッテルダムの港に浮かぶプラスチックのペットボトルを釣り上げて、廃棄物から経済価値のあるものに作り替えています。
どんな価値のものに作り替えているかというとボート、そしてオフィス家具。将来的にはほかの製品も作る予定。
JK しかし、プラスチックフィッシングは有料のツアーとして運営されているんですよね?通常、日本でもボランティアでプラスチックを回収する活動はさかんです。なぜ有料にしているのでしょう?
企業や会社がアムステルダムの運河でプラスチックを回収することに熱心。それらの企業や会社はプラスチックを回収する社員にインセンティブのように手当を出す。一方、観光客の間でもプラスチックの回収は人気で、そうした観光客向けにツアーをしている。プラスチックホエールは社会事業なので、そうした観光客が私たちの持続的な活動をサポートしていることになる。
プラスチックのない水辺を、という私たちのミッションをサポートしてくれている。
JK ボランティアではなく、有料でプラスチックを回収する。それを別のプロダクト、オフィス家具として生まれ変わらせる。それらのオフィス家具を企業に買ってもらうことで持続可能なサイクル、サーキュラー経済を作り出しているのが、プラスチックホエール社。プラスチックの行き場は世界的な問題になっています。私たちはどうしたらいいのでしょう?
気づくことから始めることでしょう。みなさん、水辺に廃棄されたプラスチックがあふれプラスチックのプールになっていることに気づいています。気づくことで、行動を起こす。プラスチックを捨てるのであれば、自然の中に捨てるのではなく、正しい方法があると。自然の中に捨てしまうと、最終的に海に行きつくから。
私たちはアムステルダムの運河で始まりましたが、今では世界の企業からアプローチを受けているので、活動もグローバルに広げることを考えている。
JK 日本ではプラスチックのゴミをアジアに輸出してきたのですが、そういった輸出先が、今、受け入れを拒否し、ゴミの行き場がなくなっています。どうしたものでしょう?
プラスチックそのものはすばらしい素材です。今の私たちはこの素材なしに暮らせません。しかし、使用した後の処理の仕方を考える必要がある。開発途上にある国でいうと、プラスチックの処理の仕組みを整える必要がある。
インドネシアを例にあげると、現地ではプラスチックは使い捨てと認識があり、再利用するという概念がまだない。そうした国ではプラスチックは貴重な資源ということをきちんと教え、価値のないゴミという認識をなくすようにしなくてはいけない。
大きな企業がこうした活動に乗り出し、市民を巻き込むことで流れは変わります。ヨーロッパではすでに始まっています。
JK プラスチックホエール社の活動はプラスチックのフィッシングだけにとどまらないと冒頭にお話くださいました。ほかにどんなことをしているのでしょう?
活動には3つあります。
1つは、プラスチックを回収すること。それをできるだけ多くの人を巻き込んで行う。昨年は1万2000人の人とフィッシングしました。
活動の柱の2つ目は、作ること。廃棄プラスチックから金銭的価値あるものを作ること今はボートとオフィス家具を作っています。
3つ目の柱は、啓蒙すること。企業に出向き、講演をしたり、ワークショップを開いています。子どもたちには、無料でフィッシングツアーに参加してもらう教育もしています。また未来を担う若い世代に向けて教育活動もし、プラスチックの処理に対する従来の考え方を変えるよう教育している。
JK スミットさん、現在、プラスチックホエール社の活動を紹介するイベントが無印良品 銀座6階のAtelier Muji Ginzaで開催中。合間をぬってスタジオにお越しくださり、ありがとうございました。
英会話に使える今日のフレーズ、phrase of the day
今日のフレーズは、「three-pronged」です。
three-prongedいうのは、 「三つ又の」や「三本にわかれた」という意味の形容詞ですが、ビジネスシーンでは計画や方針などについて「三つの方面や段階からなる」というような場合にも使われます。
例文としては、
「We should take a three-pronged approach.」
(我々は三段構えのアプローチしなければならない)