今朝は、千葉県を中心に活動をおこなう【NPO法人 千葉アレルギーネットワーク】の取り組みに注目します。
フードアレルギーセミナーの開催や子どもたちを対象とした クッキングイベントを通してアレルギーをお持ちの本人、寄り添って社会を作っていく皆さんの支援を続けているこちらの団体。
今年3月に、「アレルギー疾患の患者さんのための災害への備えと対応」という小冊子を作成。ウェブサイトに公開されました。まずはこの冊子ついて、千葉アレルギーネットワークの副理事長、桐谷利惠さんに お訊きしました。
元々は厚労省と日本アレルギー学会が運営している「アレルギーポータル」というサイトがあるんですけれども、そちらの方に「災害の対応」というページがあって。ですがこのことをご存知の患者さんはほとんどいらっしゃらなくて、内容もとてもボリュームのある冊子なので、読むのがとても大変なんですね。そこで、その中の「患者さんへ」の部分を体言して、アレルギー疾患の患者さんのための災害への備えと対応として冊子を印刷して、千葉県内のアレルギー専門医のいる病院とかクリニック約100カ所に送付して、お医者さんから患者さんに渡してもらうっていうようなことを行いました。
災害時には、薬が手に入らない、治療・服用の記録がわからなくなる、ストレスで症状が悪化する、、、といったさまざまな困難に見舞われる可能性もあります。冊子には こうした困難な状況への対策が、非常にわかりやすく、端的にまとめられています。
東日本大震災や2019年の台風で被災したこともあって今回、この冊子を作ったんですけれども。2019年の台風の時には我が家も2日間だけなんですけれども停電しました。電気が止まると、お風呂も沸かすことができないんですね。で、息子は喘息と、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーを持っていまして、アトピー性皮膚炎っていうのはスキンケアの方がとても大切な治療になるんですね。その台風の時にお風呂に入れなくて、ちょっと大変だったっていうことがありました。お風呂に入れないのであれば、どうやって備えておくかっていうことが冊子の方に書いてあります。お水とかをペットボトルのシャワーキャップを用意しておいて、そういったもので洗い流すっていうような準備を事前にしておくっていうことが大切っていうことになりますね。あと、お薬とスキンケアの用品は普段から多めに持っているっていうことも大切になります。
全10ページにまとめられた冊子のなかには、共助、、、共に助け合う関係を作ることの重要性にも触れています。本人や家族以外の皆さんも、アレルギーに対する理解、その人に対する理解を深めていくこと。これが 災害時はもちろん、毎日の暮らしを前向きにしてくれるはずと桐谷さんは続けます。
なかなか自分のアレルギーのことを周りの方に伝えるっていうことが難しかったりとかします。お話をした時にちょっとリアクションが良くなかったりとかすると、「言わなきゃ良かったな」と思うような方も結構いらっしゃるようなんですね。まず、周りの方が偏見なくアレルギーのことを理解して受け入れてくだされば、そういうことがなくなると思うんですね。どんな立場の方も暮らしやすい世の中っていうのが、まず自分の病気のことであってもなんであっても理解していただいて、言いやすいような形になると、みんなが暮らしやすくなるんじゃないかなと。本当に寛容な世の中になることを切に望んでいます。
千葉アレルギーネットワークが製作した冊子「アレルギー疾患の患者さんのための災害への備えと対応」。団体のウェブサイトで無料公開されています。。
【NPO法人 千葉アレルギーネットワーク】