全国初となる私立の夜間中学校を沖縄で立ち上げようと活動されているNPO法人 珊瑚舎スコーレに注目します。

2001年設立。初等部・中等部・高等部と フリースクールを運営する珊瑚舎スコーレ。"夜間中学校"は、沖縄戦の影響から義務教育を受けることができなかった皆さんを対象に設立されました。

NPO法人 珊瑚舎スコーレ代表、星野人史さんに、立ち上げ当初のお話。そして今、私立の夜間中学校設立を目指すことになったそのきっかけについて、お話を伺いました。

夜間中学校を立ち上げたのは沖縄戦で当時の子どもたちが戦中戦後の混乱と貧困で学校どころがないと義務教育未修了者がたくさんいることはわかっていた。皆さんお年なので早く立ち上げないとと思い2004年に立ち上げました。沢山の方が応募してくださって、200名近くが入学。100名近くが卒業しました。その3割が高校進学を果たしました。生徒は県の計らいで住民票のある中学校に籍をおいて、珊瑚舎で学ぶ、その結果地元の公立中学校の卒業証書を受け取るんです。その証書を受け取って挨拶に来てくださるんです。ものすごく嬉しそうなのはもちろんですが、ただ帰り際に何人もの生徒が「先生。珊瑚舎スコーレの卒業証書がほしいよ」。こんな風に言われると黙っていられなくなるから(笑)なんとかして私立の夜間中学を立ち上げようと3月末(31日)に沖縄県に認可申請書を出しました。

2010年の国勢調査によると、小中学校を卒業していない「義務教育未修了者」の数は全国平均10.0人に対して、沖縄は47.0人。その実数は、もっと多いのではないかと星野さん。こうした皆さんのために、夜間中学校の学費は無料にする考えです。また私立夜間中学の開設が叶った時には、沖縄の各市町村に、夜間中学校を各自治体で一緒に立ち上げましょう、学びの場を作っていきましょうと、呼びかけていきたいと語ります。

入学した当初、ひらがなを書くのがやっとの70歳過ぎのおばあさんがいました。3年生のちょうど今頃、お家で詩を書いたんです。「先生、こんなんでええかね?」って持ってきてくれて。『勇気とは 私は今まで何もできないと言ってきた 自分をつくるには 勇気を出して 一歩前に進む』そういう詩を書いてきたんです。70代のおばあさんが。卒業した今も図書館で勉強しています。学ぶということはそういう(一歩前に進む)チカラを持っている。そのチカラをみんなで作っていく。先生一人では作れないんですよね。

県に提出された申請が受理されると、早ければ来年4月には珊瑚舎スコーレ東表(あがりおもて)中学校が設立されます。病気や他の事情で中学を卒業が叶わなかった若い人たちの学びのチャンスも提供できる、これは大きな意義があると確信しています。珊瑚舎スコーレに通う皆さんに「珊瑚舎スコーレ」の卒業証書が渡せる日が1日も早く訪れることを、祈っています。そして学び直しの場が 沖縄全土、そして日本各地に広がる大きなきっかけとなりますように...。

PO法人 珊瑚舎スコーレ代表、星野人史さんでした。お話、ありがとうございました。