今朝注目するのは、がん経験者、闘病中の皆さん、そしてそのご家族のためのウェブコミュニティサービス「5years」です。

運営しているのは、NPO法人5years。代表の大久保淳一さんが、がんサバイバーのひとりとして、闘病当時自身が欲しかった「声」を求め、サービスを立ち上げました。

5yearsが行っているのは、私が闘病当時にほしかったモノを作る挑戦です。ひとつは、がんの後に元気になった人の情報がほしかった。だけど当時はなかなか無く、今も少ないんですが闘病中は本当にほしかったので、元気になった人の情報を提供しています。もうひとつは、先にがんになった人たちに相談に乗ってもらえる仕組みを提供しています。がん拠点病院のセミナーなどで講演をするんですが、看護師さんから「医療者はこんなに頑張っても患者さんは孤独なんですか?」と質問される時があるんです。

そのとき「受験生と同じなんだ」という言い方をします。先生がサポートしてくれても受験で闘っているのは自分だという孤独感。そのとき支えになるのは一緒に頑張っている友達や予備校の同僚など、同じ境遇にある仲間の存在に癒やされるんです。(そして)この命と向き合う病気をする人にはロールモデルが必要だと言うんです。自分と同じ経験をして、乗り越えて社会に戻った人たち。その人のようになりたいと思って治療への希望になりますし、1日を乗り越えられる。自分のマイヒーロー、マイヒロインを探してください、というのがもう一つのメッセージです。

現在の利用者は1万5000人以上。そのうちの4割は、治療中の皆さんだといいます。サバイバーの皆さんから寄せられた闘病当時の体験記に患者の皆さん、そして"第二の患者"とも呼ばれるご家族の皆さんから「生きる希望に繋がった」。そんな声が多く寄せられるといいます。

国立がん研究センターが発表した最新のデータ(2018年)では日本人が一生のうちにがんと診断される確率は男性で65.0% 女性は50.2% ...ともに、2人に1人の確率です。必ずしも、他人事ではありません。だからこそ、こうした居場所づくりが必要だと、大久保さんは社会に投げかけます。

本当に究極的なつらい状況にある人達を救うのは最終的に希望や仲間の存在だと思うんです。居場所があるって大切なんです。だからそういったものを実現したい、そうすることで明るい社会になるし、良い未来が出来ると思って活動をやっています。がんをしても人生は終わりじゃないですし、人生にはいつでも何度でもチャンスがあります。そのメッセージを伝えたいですね。

いま闘病中の方。その人の支えとなっている皆さん。5years、ぜひアクセスしてください。

NPO法人5years