昨日は 3月11日。東日本大震災の発生から10年を迎えました。2011年、その被災地で生まれた可愛らしい復興のシンボル。靴下で作られたぬいぐるみ「めんどくしぇ おのくん」を、今朝はご紹介します。

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宮城県東松島市「小野駅前 応急仮設住宅」で誕生した おのくん。とてもカラフルで愛らしい見た目。そんな彼らを作り続けるのは、地元で生活を送る お母さんたちです。

おのくんのお母さんのひとりで、プロジェクトを発足当時から見つめ続けてきた武田文子さんに、おのくん誕生のきっかけを伺いました。

おのくんは靴下で作るお人形で、ソックスモンキーを真似て小野駅仮設で作ったもの。たまたま仮設にいたお子さんに靴下でつくったお人形を送ってくれたんです。家族が「これなら作れるんじゃない?」と来てくれて。お金もかけずにできるよねって。当時はお金も無ければなにもない。時間だけはあったんです。道具もないので手作業でできるお仕事を探していて、それがたまたまソックスモンキーだった。

東日本大震災発生当時、未来が見えない状況のなかお母さんたちが作り始めたおのくん。そのおのくんを介して、仮設住宅で会話が生まれ、いつしかお母さんたちの、そして みんなの生きがいになってくれたといいます。

そんなソックスモンキー、めんどくしぇ おのくん。現在もぬいぐるみを始めとしたグッズ販売をおこなっていますが、震災に、そして東松島市に想いを寄せてほしい。という願いを込めて購入者をあえて「里親」と呼びます。

おのくんを買うではなくて、里親になってもらう。ここ実家だから帰ってきてくれるよね?って。だから里親って名前にしました。東松島は立ち寄る場所ではなく人が来ないんです。そのきっかけで、面倒くさくても来てもらう。これがめんどくしぇ おのくんだね、って言いながら。実家だから帰ってきてねって。だからうちの取り組みは変わってて、里親さんは靴下や綿を持ってきてくれて。買いに来るのにお土産持ってくるお店って(笑)私はめんどくしぇ、ありがとうって言いながらやっています(笑)

多くの人をつなげてくれた、めんどくしぇ おのくん。めんどくしぇ、という言葉は地元で「照れくさいけど、ありがとね。」

といった温かい思いが込めて使われているようです。ぜひ、コロナが落ち着いたら"おのくん"のふるさとに訪ねてみたいですね。東北の未来を照らし続けるおのくん。より詳しくはwebサイトをご覧ください。

【めんどくしぇ おのくん】

onokun.shop】